精霊騎士

桜月

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1話

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『ねえねえ、お母さん!また読んでよ』
  
少年はお母さんの服を引っ張り、【精霊と英雄】と書かれた分厚い本を大事そうに抱えている


『ハル…昨日も読んであげたでしょう?ほんとハルはその本好きねぇ』


お母さんは少し呆れた様子でハルの頭を撫でまた今度ね…と言い残して台所の方へ行き夕飯を作り始めた 


『・・・・ちぇっ』

ハルは面白くなさそうに本を片手にリュックを背負い外へ出ようとすると

『ハル!どこへ行くの!?』


『ちょっと散歩、大丈夫夕飯までには帰ってくるよ』

『…あの森には近づいちゃ駄目よ、夕飯までに帰ってこなかったらご飯は抜きですからね』

『うん、わかってる』 

ハルは『いってきます』とお母さんに言い、元気に外へ駆け出していった


『…ハル』
  

お母さんは一人心配そうに玄関を見つめていた    

 
するとボコボコと止め忘れていて沸騰してる鍋の音を聴き慌てて夕飯の支度に再度取り掛かった






















































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