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笑顔の国の王子さま
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あるところに笑顔のたえない国がありました。
国民は皆笑顔でした。
その笑顔の中心には王子さまがいました。
王子さまの笑顔はとても美しく、周りの人間にとても愛されていました。
王子さまはその愛を他の生き物にも与えました。
怪我をしたり、お腹をすかせた動物たちの世話をしたのです。
そんな王子さまを国民は不思議そうに見ていました。
ある日、王子さまがお供の侍女といるときに、この国の大臣の娘が訪ねてきました。
王子さまに結婚の申し込みに来たのです。
ですが王子さまは首を横に振りました。侍女と一緒になるというのです。
娘は顔を真っ赤にしました。侍女も顔を真っ赤にしました。
怒った娘は侍女に掴みかかりました。
王子さまは侍女をかばいました。
侍女は無事でしたが、王子さまは顔に消えぬ傷を残しました。
王子さまの顔に傷をつけた罪で大臣の娘は処刑されました。
王子さまは深い悲しみをおぼえました。
顔の傷は王子さまから笑顔を奪ったのでした。
笑顔がなくなった王子さまに国中が冷たい笑顔を向けました。
王子さまは侍女を連れて国を出ました。
だけど国の外には何もなく、王子さまたちは途方に暮れました。
そこに以前助けた動物たちが集まってきました。
動物たちは王子さまの袖をくわえ、背中を押し、歩かせました。
王子さまと侍女は促されるまま歩き続けました。
たくさんたくさんたくさん歩きました。
王子さまの国はとっくに見えなくなっていました。
王子さまたちはたどりつきました。
そこにはいろんな表情をした人々が住んでいました。
王子さまと侍女はそこで暮らすことにしました。
いろんな表情をしながら。
おしまい。
国民は皆笑顔でした。
その笑顔の中心には王子さまがいました。
王子さまの笑顔はとても美しく、周りの人間にとても愛されていました。
王子さまはその愛を他の生き物にも与えました。
怪我をしたり、お腹をすかせた動物たちの世話をしたのです。
そんな王子さまを国民は不思議そうに見ていました。
ある日、王子さまがお供の侍女といるときに、この国の大臣の娘が訪ねてきました。
王子さまに結婚の申し込みに来たのです。
ですが王子さまは首を横に振りました。侍女と一緒になるというのです。
娘は顔を真っ赤にしました。侍女も顔を真っ赤にしました。
怒った娘は侍女に掴みかかりました。
王子さまは侍女をかばいました。
侍女は無事でしたが、王子さまは顔に消えぬ傷を残しました。
王子さまの顔に傷をつけた罪で大臣の娘は処刑されました。
王子さまは深い悲しみをおぼえました。
顔の傷は王子さまから笑顔を奪ったのでした。
笑顔がなくなった王子さまに国中が冷たい笑顔を向けました。
王子さまは侍女を連れて国を出ました。
だけど国の外には何もなく、王子さまたちは途方に暮れました。
そこに以前助けた動物たちが集まってきました。
動物たちは王子さまの袖をくわえ、背中を押し、歩かせました。
王子さまと侍女は促されるまま歩き続けました。
たくさんたくさんたくさん歩きました。
王子さまの国はとっくに見えなくなっていました。
王子さまたちはたどりつきました。
そこにはいろんな表情をした人々が住んでいました。
王子さまと侍女はそこで暮らすことにしました。
いろんな表情をしながら。
おしまい。
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