徒然に明け暮れる

耽創

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チトカシ祭り

祭り

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 その祭りは6月に行われる。うちの町の伝統祭だ。
 うちの町の神様みたいな存在である片足様に供物を捧げるのだ。
 片足様は毎年少年または少女が代行する。その片足は、ひどく絢爛な飾りで動かなくさせ、椅子に座らせる。びっこは片足様の証だから、片足様たらしめるその動かない足は美しく着飾られる。その服装も、片足様に失礼がないように清楚だ。
 提灯と屋台の明かりを受けながら、先輩に訊いた。チトカシ祭りと呼ばれるこれの千秋楽はもうすぐだ。
「本当に足が動かないわけじゃないんですよね」
「ん? 片足様? 片足様は歩けないけど」
「違います。片足様を演じる子です」
 猫みたいな声を出しながら、先輩は考える素振りを見せる。ほけーっとしているからあまり考えているみたいには見えない。
「今回は先天的に動かない子じゃないね、でも動かない子もやるらしいよ。動かない子の方があやかれるって言う人もいるし」
 両耳の下で結んだ髪をふわふわさせながら、綿飴を頬張る先輩が話す。私よりも少し背の低い彼女を少し後ろから見ながら、はぐれてしまいそうだったので先輩と小さく叫ぶ。
「何かにゃー? あ、ごめん、速かったね、手繋ぐ?」
「繋ぎません」
 駆け戻ってくれた先輩を邪険に拒否する。
「まあ、もうすぐ千秋楽だからさ、もっと楽しく行こうよ。あたしに推理で勝てないのが気に入らないの?」
 怒髪で天をつきたかった。この苛立ちを外に出したかった。当たりだから、腹が立つ。
 今日私は祭りを楽しみに来たわけではない。先輩と片足様、それにこの祭りについて、とある推理ゲームをしようと、勝負しに来たのだ。
「そうですよ、何です、馬鹿にしてます?」
 頭を振ってニカッと先輩は笑う。
 話は1週間前に遡る。
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