徒然に明け暮れる

耽創

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チトカシ祭り

演舞

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 話は今日に戻る。
 先輩の感じたチトカシ祭りの謎を解明するべく、屋台や人で賑わうここへやってきた。
「まあ、楽しむほうが優先だから、一週間前のことはあまり気にしないでね」
 そう先輩は言うが、推理ゲームなのだから頭を使わずにはいられない。気にするなと言われると余計に思考がそちらに行ってしまう。先輩は謎解きがよく解けるから、私が悩ませるのに時間を使っていると、先に先輩が答えてしまう。今回は答えが用意されていない状態で答えを考えるのだから、なおさら時間をかけられない。
 微笑みながら先輩がため息を吐く。綿飴はすっかり食べ切って、細長い棒がその小さな手に握られている。
「何で子どもなんだと思う?」
 不意に、先輩が話しかけてくる。
「子どもの方が力が無いから、生贄にするのに丁度いいからじゃないんですか? 反抗する腕力などが無いから」
「でも空腹な片足様を満たせるのかな。子どもの肉で。体の大きさで選んでたんなら、大人じゃない?」
 だんまりを決める。じゃあ、子どもでなくてはいけない理由があったんだろうか。
 人と人の隙間を縫いながら進んでいくと、この地域では1等大きな神社が見えてきた。こちら側とは車道で隔たれている。
 鳥居を潜る。境内の奥には木製の神社が建っていて、その前には小さな舞台が設置されている。
 できるだけ前で観ようなんて先輩と言っていたが、いかんせんこの地域の伝統祭であり、多分1番大きな祭りな為、既に最前列を陣取っている人間は少なくなかった。仕方がないから端っこに近い前列へそそくさ走る。何の名前がついているのかは知らないけど、木が近く、さらさら夜風に吹かれて心地よい音をだしている。
 千秋楽が始まった。
 和楽器がじわじわ聞こえ始め、舞台に片足様の少年が現れる。生贄の少女が続く。少女がお辞儀をすると、少年はその下がった頭をポンポンと叩く仕草をして、その手を自分の口に運ぶ。続いて首を掌の横からトントンと頭叩く仕草をし、これも口に運んでいく。肘を掌を足を口に運んでいく。
 今まであまり考えずに見ていたけど、言い伝えと照らし合わせながら見るとなんとも恐ろしいものだ。
「ん~?」
 先輩が口を尖らせながら、じーっと舞台を見つめる。何か違和感でもあるのかな。
 家族連れも多い中、部活の先輩と一緒の祭りは特別な感じがして楽しい。そんなことを思いながら、演舞を見つめた。
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