悪女と呼ばれた私は静かに微笑む

時雨 琉樹

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浮気者の戯言

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普段睨まれたことのない殿下にとって
今の私の態度は屈辱的だろう。

思う存分暴れてボロを吐き出して貰いたいものだ。何せ情報が足らなすぎる。

そもそも血の聖女は『絶対に』彼女ではない。

そんな風に考えてると殿下が獣のように叫んだ。

「知らないわけないだろう!?麗しき聖女ミーエナに貴様が罵り毒を盛ろうとしたのは分かってるんだ!」

うわ…麗しきとか言う奴居るんだ
マジで引くわ…
私の内心などつゆ知らず殿下は続けて言った。


「それになんだその眼は?貴様は昔から俺を馬鹿にした態度をとっていたな!」

態度に出してるつもりは無かったがまぁ、実際馬鹿で阿呆なのだから仕方ないだろう。

「女のくせにこの国の政治に関わり軍の作戦にまで口を出して!」

…我がカルトスカーレット王国は
約30年程前から男女平等を謳っている。
それなのにいずれこの国の長になる者が
何を言ってるのだろうか…それにアホ殿下が無能だから私が政治も軍も仕切っていたのだ

当の本人は努力もせず遊び呆けてたがな…


「その上今度は聖女まで乗っ取る気か!?この極悪非道な女め!」

この言葉でようやく理解した。

…なるほどね
そんなにお望みならば悪女ルファーナを演じて差し上げましょう。

私は静かに微笑み言った

「お言葉ですが殿下…私が殿下のお隣にいらっしゃる彼女から聖女を乗っ取ろうとしたということで宜しいのですね。」

「そうだ!ミーエナを殺して血の聖女の契約を得ようとしてたのだろう?ミーエナに嫉妬して彼女を殺し聖女を乗っ取ろうなど人間のすることではない!」


???

嫉妬?誰が?
 
「殿下…彼女に嫉妬してるのは誰でしょうか?」


カーティス殿下は見下したような顔で言った。

「貴様に決まってるだろう。」  

は????え?

「私ですか???」

「それ以外に誰が居るんだ!!」

え?いや、え?もしかしてなんだけど
アホ殿下は私が自分のことを好きだと思ってる?いやそういうことだよな…

え、もう、吹き出しそうなんだけど
頭がお花畑なのかと思ってたけど
実際は頭割れて花咲いてるじゃん。

そこまで自分に自信あるの凄すぎて怖いわ。凄すぎて偉人レベルなんだけど


笑いそうだからとりあえず先手うっときますか。

「お言葉ながら…殿下…。私…。」

「なんだ?ようやく罪を認めたか?」

「いえ、あ、はい、そうですね…。」

「自白してみろ。悪女ルファーナ!」

呼吸を整えつま先を意識し一礼する。

「私、殿下に大して1ミリたりとも好意がございませんの。嫌いでもありませんわ。本当にどうでもいい存在ですの。」

静まりかえっていた王宮がまたどよめいた。私の言葉に疑心暗鬼ながら耳を傾ける者たちが増えたということだ。

ここに更にトドメの1発。

「それに私が血の聖女ですの。」

アホ殿下と泥棒猫の青ざめた顔が見れた。

嗚呼、なんと滑稽な表情なのでしょう


私は追い詰められた2匹のネズミをどう
料理しようか考え微笑んだ。
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