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シーズン1 チャプター2 それでもおれは正義のヒーローなんかじゃないっ!!
037 スライム娘”タイラント”VSノーマッド副総長”クラリス”②
この際おれが本物のスライム娘かどうかなんてことはどうでも良い。目の前の女はおれを本気で潰そうとしている。ならば応戦するしかない。
「……。効くわね。本当に──!!」
真二つに斬られたということは、ふたりに分裂できるという捉え方もできる。おれの分身よ、この女と闘うぞ!!
分離したおれと本体のおれは、まずクラリスの西洋剣を奪うべく彼女に触れようとする。
だが、クラリスからすればこうなることも織り込み済みだったと言わんばかりに、
「フリーズ!!」
片方のおれを完全に凍らせた。
「あまり吹き上がらないでちょうだい。“人間”を相手にしてたチェロキー氏と違って、私は“怪物”を専門にしてるのよ? しかも不完全なスライム娘となれば……」
まずい! まさか痛覚は分離していないのか!?
身体に激痛が走り、それを無理やり治すためにスライムを使ってしまった。身長175センチほどになるように調整したスライムが、いまや160センチくらいまで縮んでしまっている。
「やはり痛覚は分けられないのね。まがい物が怪物の皇帝になるなんて……ふっ、笑わせてくれるわ」
クラリスはおれの首を掴み持ち上げ、無作為に地べたへ投げ捨てる。凍傷しているからか、ただの“打撃”で相当な痛みを覚えた。
「あのハーピーだって貴方を信じ込んでる。他の怪物どもも。ほーんと、傑作だわ。所詮人間に隷属するほか生きる道なんてないのよ、貴方たちには」
クラリスは明確に嘲笑った。おれを、おれたちのことを。
スライムもすくない。魔術なんて使えるかも分からない。激痛は収まらない。
それでもおれは立ち上がる。自分たちが絶対だと信じ込んでいる自称文明人に向けて、とっておきの宣戦布告をするのだ。
「……。バーカ。おれはアイツらが好きなんだ。みんなかわいそうな目つきしてて、でもおれが来たらとびっきりの笑顔になって……。そんなヤツらを笑うことは……おれが許さねえ!!」
ここからがおれの正念場。燃え尽きる覚悟で進め。
「許す許さないの問題じゃないって話でしょうに──」
「怪物の片鱗……皇帝の弾丸!!」
瞬間、おれを煽るために静止していたクラリスは思わぬ乱打を喰らった。
スライム娘はただのスライムの上位互換。ならば超小型スライムになって自分自身が銃弾になれば良い。数千発、数万発、数十万発と発生した縦横斜め関係なく飛び回る、一発一発が最前のスライムの弾丸のような破壊力を持つ必殺技。
それらすべてを交わすことは不可能だ。クラリスは致命傷を受けないように剣で応対しているが、それが無駄なのは彼女が一番知っているだろう。
刹那、一発の弾丸がクラリスの脚を貫いた。彼女はガクッ、と膝から崩れ落ち、同時に飛んできた顔面への弾丸で鼻から血を吹き出す。
その結果に満足し、おれは合体を始めた。すべて元通りになった頃、勝敗も決まりつつあった。
「……。効くわね。本当に──!!」
真二つに斬られたということは、ふたりに分裂できるという捉え方もできる。おれの分身よ、この女と闘うぞ!!
分離したおれと本体のおれは、まずクラリスの西洋剣を奪うべく彼女に触れようとする。
だが、クラリスからすればこうなることも織り込み済みだったと言わんばかりに、
「フリーズ!!」
片方のおれを完全に凍らせた。
「あまり吹き上がらないでちょうだい。“人間”を相手にしてたチェロキー氏と違って、私は“怪物”を専門にしてるのよ? しかも不完全なスライム娘となれば……」
まずい! まさか痛覚は分離していないのか!?
身体に激痛が走り、それを無理やり治すためにスライムを使ってしまった。身長175センチほどになるように調整したスライムが、いまや160センチくらいまで縮んでしまっている。
「やはり痛覚は分けられないのね。まがい物が怪物の皇帝になるなんて……ふっ、笑わせてくれるわ」
クラリスはおれの首を掴み持ち上げ、無作為に地べたへ投げ捨てる。凍傷しているからか、ただの“打撃”で相当な痛みを覚えた。
「あのハーピーだって貴方を信じ込んでる。他の怪物どもも。ほーんと、傑作だわ。所詮人間に隷属するほか生きる道なんてないのよ、貴方たちには」
クラリスは明確に嘲笑った。おれを、おれたちのことを。
スライムもすくない。魔術なんて使えるかも分からない。激痛は収まらない。
それでもおれは立ち上がる。自分たちが絶対だと信じ込んでいる自称文明人に向けて、とっておきの宣戦布告をするのだ。
「……。バーカ。おれはアイツらが好きなんだ。みんなかわいそうな目つきしてて、でもおれが来たらとびっきりの笑顔になって……。そんなヤツらを笑うことは……おれが許さねえ!!」
ここからがおれの正念場。燃え尽きる覚悟で進め。
「許す許さないの問題じゃないって話でしょうに──」
「怪物の片鱗……皇帝の弾丸!!」
瞬間、おれを煽るために静止していたクラリスは思わぬ乱打を喰らった。
スライム娘はただのスライムの上位互換。ならば超小型スライムになって自分自身が銃弾になれば良い。数千発、数万発、数十万発と発生した縦横斜め関係なく飛び回る、一発一発が最前のスライムの弾丸のような破壊力を持つ必殺技。
それらすべてを交わすことは不可能だ。クラリスは致命傷を受けないように剣で応対しているが、それが無駄なのは彼女が一番知っているだろう。
刹那、一発の弾丸がクラリスの脚を貫いた。彼女はガクッ、と膝から崩れ落ち、同時に飛んできた顔面への弾丸で鼻から血を吹き出す。
その結果に満足し、おれは合体を始めた。すべて元通りになった頃、勝敗も決まりつつあった。
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