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チャプター1 銀髪碧眼幼女、LTAS(エルターズ)に立つ
007 初シャワー♡
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ルーシ・スターリングはシャワーを浴びていた。
真っ白な身体。未発達ながら引き締まった身体。左腕にはトライアングルのタトゥー。右腕には龍の和彫り。首元にネックレスのタトゥー。腹部にフリーメイソンの象徴のような目の玉。両足には虎の和彫り。とてもではないが、10歳の少女の身体ではない。
「やることは多いな。服がねェし、髪も切らなきゃならない。ひとつずつクリアしていこう」
シャンプーで髪を洗う。背中が隠れるほどの長髪であるため、時間がかかる。きれい好きなルーシとしては入念に洗いたいのだが、どうしても男だったころの短髪になれてしまっていると、少々苛立ってしまう。
対照的に身体を洗うのは簡単だ。150センチほどの身長しかないので、丁寧に洗ってもそこまで時間はかからない。デリケートゾーンには陰毛は生えていないし、中身も男時代だったら大喜びするような見事なピンク色だったため、ややテンションをあげながら全身を洗う。
「さーて……服を替えたいな。全身が隠れるのは良いんだが、寒い上に血がついてやがる。しかし10歳程度のメスガキの服なんて買ったこともねェしなァ……」
そんなわけで同年代の友だちが欲しくなってくるが、それはないものねだりである。アル中天使にコーディネートしてもらうことも一瞬考えたが、どうせやたらと露出の高い服を買おうとしてぶん殴るだけだと感じたので、ひとまずはひとりで購入することにした。
「……全員寝ちまったか。夜通し飲んでいたしな」
クールは爆睡していた。ルーシと飲み比べ対決をしていたのだが、最終的にスピリタス1気飲み勝負となり、彼は2本目を飲んだ時点で倒れた。たいしてルーシは4本目で限界を感じ、18歳から10歳になったことを改めて自覚したのだった。
「だが、また飲みたくなってきたな。残った分を全部飲むか」
時刻は午後3時。デパートの開店時間がおそらくは午前9時ごろであるため、6時間もの時間が空いてしまう。インターネットもゲームも本もある世界なので、ルーシは置かれていたノートパソコンを開き、ウイスキーをストレートで飲みながら、紙巻煙草を咥える。
そんななか、
「起きてたのか。アニキといっしょに酔いつぶれたと思ってたが」
ポールモールが声をかけてくる。
「ああ、慢性的な不眠症でね。最低でも2週間起きていないと眠れないんだ」
「2週間? 不眠症の域を超えてる気がするな。というか、よくそれで死なないな」
「ま、身体が慣れているんだよ。1度寝始めると30時間は起きねェしな。しかも優秀なボディーガードがいないと安心もできない。と、いうわけで、勝負だ」
ルーシはウイスキーの瓶とグラスをふたつ置く。ポールモールはニヤッと笑い、グラスを持った。
「アニキよりは酒強ェぞ、おれは」
「そっちのほうが面白い。1本じゃ足りないくらいに飲みまくろうぜ?」
「上等だ。10歳のガキには負けねェぞ」
ルーシとポールモールは飲み始めた。
25本目。時刻は5時30分。ルーシもポールモールもやや酔ってきた。
「よォ……なかなかやるじゃねェか。こんなときは腹割って話そうぜ、ポール」
「ああ……まず、オマエは何者なんだ?」
「私は……前世の記憶があるだけだ。おぼろげだがな」
「ほう……前世でも無法者やってたのか?」
「まあな。たくさん殺してたくさん奪った。だが……求めているもんはそれじゃなかった」
「へェ…………。ああ、眠たくなってきた。オマエの勝ちだな」
「ああ、泥水になってこい」
勝敗は決した。いままでで一番の強敵だっただろう。前世でも酒に強いヤツはいたが、ルーシ自体が弱くなっていること、ポールモールがかなりの酒豪であることを鑑みれば、かなりやりがいのある勝負だった。
「……さて」
今度こそパソコンを開く。インターネットで調べることは、この国における幼女の服装だ。
「悪目立ちせず、機能的で、寒くなく、軽いものだな」
生前はスーツかアロハシャツなどを中心に着てきたが、女子になったいまとなればその服装は通用しない。ふたたびスターリング工業のCEOとなったのでスーツは購入予定で、腕時計やネックレス、ピアスとブレスレットは最低限揃えたいものだ。
とはいえ、それらはあくまでも裏社会にいるときの格好で、表にいるときにはあまり派手な服装はできない。
「デザインが良いと高くて機能美がなく、悪目立ちしなさそうなヤツは地味だな……。だいたい、おれはカネ持っていねェってことにいま気がついた」
生前は学校からカネをもらって投資で増やしたが、いまはもとになるカネがない。手持ちの現金は100メニーほど。日本円換算で10000円である。安めの服ならば揃えられるだろうが、そうしたらカネが消え去ってしまう。
そこでルーシは検索ワードを変える。「高校 特別給付」と。
「ヒットしたな。資本主義国家らしく、学校までカネのニオイがしやがる。どれどれ……」
魔術を扱う高校では、主に3つの入学方法があるとされる。
ひとつは学力試験で合格すること。もっともポピュラーな入学方法らしい。
もうひとつは推薦入学。学校、あるいは有力な魔術師に推薦してもらうことで入学できる。
そして最後。ごく一部の学生にしか当てはまらず、ごく一部の学校しか採用していない方式。
「学校側が生徒に金を支払い、広告塔として知名度向上が可能なほどの実力と……セブン・スターズ? へ推挙できるほどの総合力を求められる……セブン・スターズってなんだ?」
すぐさま検索ワードを変える。「セブン・スターズ」と。
「セブン・スターズとは、ロスト・エンジェルス連邦共和国における最高戦力である……同国におけるもっとも優れた魔術師を7人選出して構成されるため、セブン・スターズと呼ばれる、と」
読み勧めていくと、理論上はガリアやブリタニカ、ルーシ帝国といった大国の魔術師軍集団をひとりで壊滅させることができるほどの実力を有しているらしい。軍集団は数十万人ほど。中小国が総動員した軍隊と同等程度の数字だろう。
真っ白な身体。未発達ながら引き締まった身体。左腕にはトライアングルのタトゥー。右腕には龍の和彫り。首元にネックレスのタトゥー。腹部にフリーメイソンの象徴のような目の玉。両足には虎の和彫り。とてもではないが、10歳の少女の身体ではない。
「やることは多いな。服がねェし、髪も切らなきゃならない。ひとつずつクリアしていこう」
シャンプーで髪を洗う。背中が隠れるほどの長髪であるため、時間がかかる。きれい好きなルーシとしては入念に洗いたいのだが、どうしても男だったころの短髪になれてしまっていると、少々苛立ってしまう。
対照的に身体を洗うのは簡単だ。150センチほどの身長しかないので、丁寧に洗ってもそこまで時間はかからない。デリケートゾーンには陰毛は生えていないし、中身も男時代だったら大喜びするような見事なピンク色だったため、ややテンションをあげながら全身を洗う。
「さーて……服を替えたいな。全身が隠れるのは良いんだが、寒い上に血がついてやがる。しかし10歳程度のメスガキの服なんて買ったこともねェしなァ……」
そんなわけで同年代の友だちが欲しくなってくるが、それはないものねだりである。アル中天使にコーディネートしてもらうことも一瞬考えたが、どうせやたらと露出の高い服を買おうとしてぶん殴るだけだと感じたので、ひとまずはひとりで購入することにした。
「……全員寝ちまったか。夜通し飲んでいたしな」
クールは爆睡していた。ルーシと飲み比べ対決をしていたのだが、最終的にスピリタス1気飲み勝負となり、彼は2本目を飲んだ時点で倒れた。たいしてルーシは4本目で限界を感じ、18歳から10歳になったことを改めて自覚したのだった。
「だが、また飲みたくなってきたな。残った分を全部飲むか」
時刻は午後3時。デパートの開店時間がおそらくは午前9時ごろであるため、6時間もの時間が空いてしまう。インターネットもゲームも本もある世界なので、ルーシは置かれていたノートパソコンを開き、ウイスキーをストレートで飲みながら、紙巻煙草を咥える。
そんななか、
「起きてたのか。アニキといっしょに酔いつぶれたと思ってたが」
ポールモールが声をかけてくる。
「ああ、慢性的な不眠症でね。最低でも2週間起きていないと眠れないんだ」
「2週間? 不眠症の域を超えてる気がするな。というか、よくそれで死なないな」
「ま、身体が慣れているんだよ。1度寝始めると30時間は起きねェしな。しかも優秀なボディーガードがいないと安心もできない。と、いうわけで、勝負だ」
ルーシはウイスキーの瓶とグラスをふたつ置く。ポールモールはニヤッと笑い、グラスを持った。
「アニキよりは酒強ェぞ、おれは」
「そっちのほうが面白い。1本じゃ足りないくらいに飲みまくろうぜ?」
「上等だ。10歳のガキには負けねェぞ」
ルーシとポールモールは飲み始めた。
25本目。時刻は5時30分。ルーシもポールモールもやや酔ってきた。
「よォ……なかなかやるじゃねェか。こんなときは腹割って話そうぜ、ポール」
「ああ……まず、オマエは何者なんだ?」
「私は……前世の記憶があるだけだ。おぼろげだがな」
「ほう……前世でも無法者やってたのか?」
「まあな。たくさん殺してたくさん奪った。だが……求めているもんはそれじゃなかった」
「へェ…………。ああ、眠たくなってきた。オマエの勝ちだな」
「ああ、泥水になってこい」
勝敗は決した。いままでで一番の強敵だっただろう。前世でも酒に強いヤツはいたが、ルーシ自体が弱くなっていること、ポールモールがかなりの酒豪であることを鑑みれば、かなりやりがいのある勝負だった。
「……さて」
今度こそパソコンを開く。インターネットで調べることは、この国における幼女の服装だ。
「悪目立ちせず、機能的で、寒くなく、軽いものだな」
生前はスーツかアロハシャツなどを中心に着てきたが、女子になったいまとなればその服装は通用しない。ふたたびスターリング工業のCEOとなったのでスーツは購入予定で、腕時計やネックレス、ピアスとブレスレットは最低限揃えたいものだ。
とはいえ、それらはあくまでも裏社会にいるときの格好で、表にいるときにはあまり派手な服装はできない。
「デザインが良いと高くて機能美がなく、悪目立ちしなさそうなヤツは地味だな……。だいたい、おれはカネ持っていねェってことにいま気がついた」
生前は学校からカネをもらって投資で増やしたが、いまはもとになるカネがない。手持ちの現金は100メニーほど。日本円換算で10000円である。安めの服ならば揃えられるだろうが、そうしたらカネが消え去ってしまう。
そこでルーシは検索ワードを変える。「高校 特別給付」と。
「ヒットしたな。資本主義国家らしく、学校までカネのニオイがしやがる。どれどれ……」
魔術を扱う高校では、主に3つの入学方法があるとされる。
ひとつは学力試験で合格すること。もっともポピュラーな入学方法らしい。
もうひとつは推薦入学。学校、あるいは有力な魔術師に推薦してもらうことで入学できる。
そして最後。ごく一部の学生にしか当てはまらず、ごく一部の学校しか採用していない方式。
「学校側が生徒に金を支払い、広告塔として知名度向上が可能なほどの実力と……セブン・スターズ? へ推挙できるほどの総合力を求められる……セブン・スターズってなんだ?」
すぐさま検索ワードを変える。「セブン・スターズ」と。
「セブン・スターズとは、ロスト・エンジェルス連邦共和国における最高戦力である……同国におけるもっとも優れた魔術師を7人選出して構成されるため、セブン・スターズと呼ばれる、と」
読み勧めていくと、理論上はガリアやブリタニカ、ルーシ帝国といった大国の魔術師軍集団をひとりで壊滅させることができるほどの実力を有しているらしい。軍集団は数十万人ほど。中小国が総動員した軍隊と同等程度の数字だろう。
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