52 / 80
チャプター3 すべての陰謀を終わらせる陰謀、壮麗祭
052 銀髪ロリと"イイこと"
しおりを挟む
アーク・ロイヤルの身体はまったく動かない。
当たり前といえば当たり前である。あの大爆発のなか、生きていたことが奇跡だと受け入れるほかない。
そんなアークの悩みは、まったく動かない身体だけではなかったりする。
「なー、頼むよー。魔力くれよー。銀髪ロリとイイことしてェだろー?」
「ねぇ、これで何回目か教えようか? 通算100回目だよ」
「そんな女々しいこというなよー。ウブなヤツだなー。ほら、オマエ胸と尻どっちが好き? 触らせるくれェタダだから触らせてやろうかー?」
「だいたい、ボクロリコンじゃないって100回いってるんだけどね」
「え? ロリコンじゃねェのか? そりゃ驚いた。オマエみてーなしまらねェ顔つきしたヤツは、みんなロリコンだと思っていたが、どうやら私の見当違いだったらしい……。ま! オマエはとても優しいヤツだから、身体の反応なくても挿入しちまえばこっちのもの──」
終始こんな感じである。この銀髪碧眼の幼女は、ことあることにアークへ迫ってくる。しかも目的が曖昧すぎる。魔力がほしいというのが、どういう意味なのかわからないのだ。
「あー! もうわかったよ!! 好きにして良いよ!! この状況見てどっちが捕まるかなんて考える必要ないしね!! ルーシ!!」
ルーシはアークにまたがっていた。というか股間を弄っていた。しかも本気だ。アークとてそういう経験がないわけではないので、この幼女が極端に早熟なのは嫌というほど理解できた。
「なーにキレているんだい? オマエの童顔と私じゃ、たぶんバレねェよ。ま……胸のなかに引っかかる女がいるんなら仕方ねェ。だが、千載一遇の好機を逃したわけでもある。10歳の幼女とヤるなんて、なかなかできないしさ」
「なーんで、ボクをロリコン扱いしたがるかなぁ……?」
「だってオマエ、キャメルに惚れられていたらしいし」
「……え? なんでそれを」
「ん? 知りてェか?」ルーシは娼婦のように腰を上下に動かし、「まあ、たいした話ではないからタダで教えてやるが……私の父親がクール・レイノルズなのは、いつだか話しただろう? その両者から聞いたんだ。兄妹ってのは似るものだな?」またもや股間を触り、「だが、キャメルにコイツは反応しなかったと。オマエ、本当に異性愛者? ひょっとして同性愛者? ほら、無償の愛を捧げている私にいえよ~」
アークは口だけが動く状態だ。表情筋もうまく使えない。
なので、表情を変えず、しかし語気でそれが伝わるようにいう。
「……まぁ、女の子みたいだね、って言われるのはうれしい」
誰にもいったことのない秘密である。
ルーシはふっ、と鼻で笑い、アークの頭をなでた。
「それならしゃーねェな。だがよ、キャメルはそういって引き下がる女でもねェぞ? 器が小せェからな。自分の考えたことこそ絶対的な事実であり、それ以外はたとえ当人が主張していても認めようとはしない。だろ?」
「……キャメルをそんなに悪くいわないで。傷つきやすい子なんだ」
「1番傷つけているオマエのいえることじゃないな」
「……ボクにどうしろっていいたいのさ?」
「ケジメをつけろ」
端的かつ、背筋が凍るような言葉であった。
「アイツは存在自体が地雷だ。踏みたくもねェのに、踏んだら爆発する。そして、地雷原に飛び込んだのはオマエだ。私がなにか間違ったこといったか?」
「……それがなんだっていうんだ」
「オマエ、考えが眠てェんだよ。老人みてーに安直な考えをもっている。それがガキでしかない女と関わったとき、なにが起きるかわかっているのか? まァ……説教臭せェのも嫌いでね。ともかく、魔力くれ」
この少女はいつもなにを考えているのか悟らせないように振る舞う。人生そのものが演技のようなものなのだろう。きっと、素のルーシを知っている人なんて誰もいないのであろう。
そんな愉快な幼女による、娼婦のモノマネはまだ続く。
「……さっきから魔力くれってうるさいけどさ、具体的にはどうやって魔力を渡すの? それがわかんないと、ボクだってどうしようもないよ」
「ああ……それがだな……」
ルーシはたまらなく愉快なことが起きたかのような、いたずらをする子どものような笑みを浮かべ、
「私にもわからねェんだ」
眠てェことをいってきた。
「ま、あれだよ、あれ。人間なんて損得か性欲でしか生きていないんだから、両方とも満たせばいけるだろって考えたんだ」
「……ルーシ、キミは真人間になる方法を考えたほうが良い。たとえ友だちだろうと、いまの言葉にはすこし引くよ? 女の子らしく振る舞うべきじゃない?」
「意味のないことはしねェ主義なもので。あー。クソ。煙草吸いてェな。ひさびさにキメセクでも……あー、パーラにそんな危険な真似させられねェな」
「わかった。まずは普通の人になろう? そしたら魔力分けてあげるから」
幼児をあやすような 言い方……いや、これが正しい反応である。ルーシは10歳の子どもなのだから。
「普通の人間は一度抱いただけの女を救うために命捨てたりしねェし、まったく知らねェ他人のために自殺に近いことしねェよ。私たち普通じゃねェんだ。オマエもわかっているよな? だから私は──」
「そうやって逃げるんだ? もうパーラと関わる気なんてない、くらいなこと言って」アークはなぜか動くようになってきた腕でルーシの頭をなで、「自分でも言動と行動が矛盾してることを知ってても、それでも自分が絶対に傷つかないほうへ逃げてる。キミはきっとこの言葉にたいする詭弁なんていくらでも思いつくだろうけど、それは結局逃げでしかないことに変わりある?」
「……おもしれェこというじゃねェか。私が逃げていると」
ルーシはなんとも苛烈な、敵意しかないような笑顔を浮かべ、
「そうだ。私は逃げている。楽なほうにな。それに気がつけるなんて素敵じゃないか。やはり能力の一部を分けただけはあるな。健常であるうちに、オマエとメリットへスキルを与えたのは正解だった」
されど優しげな言葉遣いだった。
当たり前といえば当たり前である。あの大爆発のなか、生きていたことが奇跡だと受け入れるほかない。
そんなアークの悩みは、まったく動かない身体だけではなかったりする。
「なー、頼むよー。魔力くれよー。銀髪ロリとイイことしてェだろー?」
「ねぇ、これで何回目か教えようか? 通算100回目だよ」
「そんな女々しいこというなよー。ウブなヤツだなー。ほら、オマエ胸と尻どっちが好き? 触らせるくれェタダだから触らせてやろうかー?」
「だいたい、ボクロリコンじゃないって100回いってるんだけどね」
「え? ロリコンじゃねェのか? そりゃ驚いた。オマエみてーなしまらねェ顔つきしたヤツは、みんなロリコンだと思っていたが、どうやら私の見当違いだったらしい……。ま! オマエはとても優しいヤツだから、身体の反応なくても挿入しちまえばこっちのもの──」
終始こんな感じである。この銀髪碧眼の幼女は、ことあることにアークへ迫ってくる。しかも目的が曖昧すぎる。魔力がほしいというのが、どういう意味なのかわからないのだ。
「あー! もうわかったよ!! 好きにして良いよ!! この状況見てどっちが捕まるかなんて考える必要ないしね!! ルーシ!!」
ルーシはアークにまたがっていた。というか股間を弄っていた。しかも本気だ。アークとてそういう経験がないわけではないので、この幼女が極端に早熟なのは嫌というほど理解できた。
「なーにキレているんだい? オマエの童顔と私じゃ、たぶんバレねェよ。ま……胸のなかに引っかかる女がいるんなら仕方ねェ。だが、千載一遇の好機を逃したわけでもある。10歳の幼女とヤるなんて、なかなかできないしさ」
「なーんで、ボクをロリコン扱いしたがるかなぁ……?」
「だってオマエ、キャメルに惚れられていたらしいし」
「……え? なんでそれを」
「ん? 知りてェか?」ルーシは娼婦のように腰を上下に動かし、「まあ、たいした話ではないからタダで教えてやるが……私の父親がクール・レイノルズなのは、いつだか話しただろう? その両者から聞いたんだ。兄妹ってのは似るものだな?」またもや股間を触り、「だが、キャメルにコイツは反応しなかったと。オマエ、本当に異性愛者? ひょっとして同性愛者? ほら、無償の愛を捧げている私にいえよ~」
アークは口だけが動く状態だ。表情筋もうまく使えない。
なので、表情を変えず、しかし語気でそれが伝わるようにいう。
「……まぁ、女の子みたいだね、って言われるのはうれしい」
誰にもいったことのない秘密である。
ルーシはふっ、と鼻で笑い、アークの頭をなでた。
「それならしゃーねェな。だがよ、キャメルはそういって引き下がる女でもねェぞ? 器が小せェからな。自分の考えたことこそ絶対的な事実であり、それ以外はたとえ当人が主張していても認めようとはしない。だろ?」
「……キャメルをそんなに悪くいわないで。傷つきやすい子なんだ」
「1番傷つけているオマエのいえることじゃないな」
「……ボクにどうしろっていいたいのさ?」
「ケジメをつけろ」
端的かつ、背筋が凍るような言葉であった。
「アイツは存在自体が地雷だ。踏みたくもねェのに、踏んだら爆発する。そして、地雷原に飛び込んだのはオマエだ。私がなにか間違ったこといったか?」
「……それがなんだっていうんだ」
「オマエ、考えが眠てェんだよ。老人みてーに安直な考えをもっている。それがガキでしかない女と関わったとき、なにが起きるかわかっているのか? まァ……説教臭せェのも嫌いでね。ともかく、魔力くれ」
この少女はいつもなにを考えているのか悟らせないように振る舞う。人生そのものが演技のようなものなのだろう。きっと、素のルーシを知っている人なんて誰もいないのであろう。
そんな愉快な幼女による、娼婦のモノマネはまだ続く。
「……さっきから魔力くれってうるさいけどさ、具体的にはどうやって魔力を渡すの? それがわかんないと、ボクだってどうしようもないよ」
「ああ……それがだな……」
ルーシはたまらなく愉快なことが起きたかのような、いたずらをする子どものような笑みを浮かべ、
「私にもわからねェんだ」
眠てェことをいってきた。
「ま、あれだよ、あれ。人間なんて損得か性欲でしか生きていないんだから、両方とも満たせばいけるだろって考えたんだ」
「……ルーシ、キミは真人間になる方法を考えたほうが良い。たとえ友だちだろうと、いまの言葉にはすこし引くよ? 女の子らしく振る舞うべきじゃない?」
「意味のないことはしねェ主義なもので。あー。クソ。煙草吸いてェな。ひさびさにキメセクでも……あー、パーラにそんな危険な真似させられねェな」
「わかった。まずは普通の人になろう? そしたら魔力分けてあげるから」
幼児をあやすような 言い方……いや、これが正しい反応である。ルーシは10歳の子どもなのだから。
「普通の人間は一度抱いただけの女を救うために命捨てたりしねェし、まったく知らねェ他人のために自殺に近いことしねェよ。私たち普通じゃねェんだ。オマエもわかっているよな? だから私は──」
「そうやって逃げるんだ? もうパーラと関わる気なんてない、くらいなこと言って」アークはなぜか動くようになってきた腕でルーシの頭をなで、「自分でも言動と行動が矛盾してることを知ってても、それでも自分が絶対に傷つかないほうへ逃げてる。キミはきっとこの言葉にたいする詭弁なんていくらでも思いつくだろうけど、それは結局逃げでしかないことに変わりある?」
「……おもしれェこというじゃねェか。私が逃げていると」
ルーシはなんとも苛烈な、敵意しかないような笑顔を浮かべ、
「そうだ。私は逃げている。楽なほうにな。それに気がつけるなんて素敵じゃないか。やはり能力の一部を分けただけはあるな。健常であるうちに、オマエとメリットへスキルを与えたのは正解だった」
されど優しげな言葉遣いだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
天才天然天使様こと『三天美女』の汐崎真凜に勝手に婚姻届を出され、いつの間にか天使の旦那になったのだが...。【動画投稿】
田中又雄
恋愛
18の誕生日を迎えたその翌日のこと。
俺は分籍届を出すべく役所に来ていた...のだが。
「えっと...結論から申し上げますと...こちらの手続きは不要ですね」「...え?どういうことですか?」「昨日、婚姻届を出されているので親御様とは別の戸籍が作られていますので...」「...はい?」
そうやら俺は知らないうちに結婚していたようだった。
「あの...相手の人の名前は?」
「...汐崎真凛様...という方ですね」
その名前には心当たりがあった。
天才的な頭脳、マイペースで天然な性格、天使のような見た目から『三天美女』なんて呼ばれているうちの高校のアイドル的存在。
こうして俺は天使との-1日婚がスタートしたのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる