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欲求不満野郎
カオスモード
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「どういうことだよ!おい!」
「どういうこととはどういうことで?」
遡ること30分前、正義心を揺らして向かわせた彼女らの破滅劇はもう始まろうとしていた。
だが、そんなのは想定の範囲内だ。いや、そうなることを知った上でけしかけたのだから、当然の結果であった。
そして、少なくともその場では、誰一人として殺されることもなく、誰一人として大きな怪我をすることも無い。言わば茶番なのだ。あの欲求不満野郎が狙っているのはイリイチである。なにも全く罪のない女子生徒ではないのだ。
さらに、この状況をハッキリと説明した上で飛んでいく核弾頭が1つあることも知っていた。ジョーカーはなにも1枚だけではない。そのジョーカーは少々平和ボケしているから、そのボケを直し、無慈悲な核兵器へと変換する必要があった。
そんな核兵器こと鈴木翔は必然のようにイリイチたちがいる生徒会本部近くの休憩所に現れたのだ。
「てめぇは…」
「おぉ、久しぶりだな。あのライミーのとき以来か。」
彼はイリイチに対してあまりいい思い出がない。初めて接触した時だって、底知れぬ恐怖に襲われ、その後にアーサーの言う通りに行ってみれば、チェーカーたちの殺戮パーティー。殴り合いのときに出来た怪我だってまだ完治していない。
「なんでシャバにいるんだって聞きたいか?企業秘密だ。あのライミーも失脚したし、俺たちが争う理由はないだろう?」
散々人のことを殴りまくってよくそんなことが言えるものだ。一種の狂気を感じる。
「まぁ、過去のことをお互い水に流そう。流してくれるのならば、お友達の大ピンチを教えてあげる。」
お友達?まさか…
「高橋美咲。聞き覚えがあるよな?学年1位の秀才ちゃんだ。彼女はいま大大ピンチだ。このままじゃあ、2人の友だち含めてみんな死んじゃって、事故で処理されるだろうなぁ?」
「なんでそんなことを知ってるんだよ!」
「それは自分で確かめてこい。生徒会長室。現在は…そうだな、会長と代理とギリギリ高橋美咲が立っている。」
終始人を小馬鹿にした態度で淡々と話すイリイチ。今言ったことは全て事実だ。相手の思考を自分の脳で読み取れるシックス・センスからしたら御茶の子さいさいだ。
「どうした?早く行ってやれよ。あの2人は中々やるが、お前がマジになれば倒せるさ。」
「本当にそうなんだな。本当に…!」
「友人に対しては誠実であろうと心がけているからな。1つとして嘘は言っていない。」
彼が走って向かっていくのを見届けると、大智とリーコンを連れて喫煙所に向かうのだった。
「あれが、鬼札だと?」
「そうだな。鬼札だ。ジョーカーだ。全てのカードに勝つ、最強のカードだ。なにも俺たちが行かなくとも、あいつがある程度は解決してくれるさ。」
セッターの多い煙に周りを奪われながら、クズ3人は自分たちのやっていることが、中々のクズ行為であることを自覚し、ニヤける。
「だいたいよぉ、金の発生しない仕事なんてやる気わかないっての。欲求不満を解消して欲しいなら、俺たちに金をかけるんじゃなくて、俺たちに金渡せっての。」
「全くだな。憎まれっ子の俺らは逆張り主義なのさ。来いと言われれば行きたくなくなるんだ。全く…」
「クズ舐めすぎなんだよ。」
生徒会長室。この広大な部屋では、情報を漏らさないために、完全な防音設備が置かれている。当然、盗聴、盗視を防ぐために厳重な警備も置かれている。
そんな生徒会本部の中でもより厳重なこの部屋にたどり着いた時点で只者ではないのだ。
「学園最重要機密、トップシークレット。もう1つの鬼札、鈴木翔か。」
「そうだ。よく知ってるじゃないか。」
「当たり前だ。交流会の主催者としては、君とイリイチは真打ちとしてよぉく覚えているからなぁ!何の用だ?まだ君がここに来る理由がないだろう?」
「いいや、あるな。あんたらが不能解消のために何をしようが勝手だが、人の友だちに手ェ出してんじゃねぇよ!」
ゲームはカオスに陥った。チートコードは既に打ち込まれている。
「どういうこととはどういうことで?」
遡ること30分前、正義心を揺らして向かわせた彼女らの破滅劇はもう始まろうとしていた。
だが、そんなのは想定の範囲内だ。いや、そうなることを知った上でけしかけたのだから、当然の結果であった。
そして、少なくともその場では、誰一人として殺されることもなく、誰一人として大きな怪我をすることも無い。言わば茶番なのだ。あの欲求不満野郎が狙っているのはイリイチである。なにも全く罪のない女子生徒ではないのだ。
さらに、この状況をハッキリと説明した上で飛んでいく核弾頭が1つあることも知っていた。ジョーカーはなにも1枚だけではない。そのジョーカーは少々平和ボケしているから、そのボケを直し、無慈悲な核兵器へと変換する必要があった。
そんな核兵器こと鈴木翔は必然のようにイリイチたちがいる生徒会本部近くの休憩所に現れたのだ。
「てめぇは…」
「おぉ、久しぶりだな。あのライミーのとき以来か。」
彼はイリイチに対してあまりいい思い出がない。初めて接触した時だって、底知れぬ恐怖に襲われ、その後にアーサーの言う通りに行ってみれば、チェーカーたちの殺戮パーティー。殴り合いのときに出来た怪我だってまだ完治していない。
「なんでシャバにいるんだって聞きたいか?企業秘密だ。あのライミーも失脚したし、俺たちが争う理由はないだろう?」
散々人のことを殴りまくってよくそんなことが言えるものだ。一種の狂気を感じる。
「まぁ、過去のことをお互い水に流そう。流してくれるのならば、お友達の大ピンチを教えてあげる。」
お友達?まさか…
「高橋美咲。聞き覚えがあるよな?学年1位の秀才ちゃんだ。彼女はいま大大ピンチだ。このままじゃあ、2人の友だち含めてみんな死んじゃって、事故で処理されるだろうなぁ?」
「なんでそんなことを知ってるんだよ!」
「それは自分で確かめてこい。生徒会長室。現在は…そうだな、会長と代理とギリギリ高橋美咲が立っている。」
終始人を小馬鹿にした態度で淡々と話すイリイチ。今言ったことは全て事実だ。相手の思考を自分の脳で読み取れるシックス・センスからしたら御茶の子さいさいだ。
「どうした?早く行ってやれよ。あの2人は中々やるが、お前がマジになれば倒せるさ。」
「本当にそうなんだな。本当に…!」
「友人に対しては誠実であろうと心がけているからな。1つとして嘘は言っていない。」
彼が走って向かっていくのを見届けると、大智とリーコンを連れて喫煙所に向かうのだった。
「あれが、鬼札だと?」
「そうだな。鬼札だ。ジョーカーだ。全てのカードに勝つ、最強のカードだ。なにも俺たちが行かなくとも、あいつがある程度は解決してくれるさ。」
セッターの多い煙に周りを奪われながら、クズ3人は自分たちのやっていることが、中々のクズ行為であることを自覚し、ニヤける。
「だいたいよぉ、金の発生しない仕事なんてやる気わかないっての。欲求不満を解消して欲しいなら、俺たちに金をかけるんじゃなくて、俺たちに金渡せっての。」
「全くだな。憎まれっ子の俺らは逆張り主義なのさ。来いと言われれば行きたくなくなるんだ。全く…」
「クズ舐めすぎなんだよ。」
生徒会長室。この広大な部屋では、情報を漏らさないために、完全な防音設備が置かれている。当然、盗聴、盗視を防ぐために厳重な警備も置かれている。
そんな生徒会本部の中でもより厳重なこの部屋にたどり着いた時点で只者ではないのだ。
「学園最重要機密、トップシークレット。もう1つの鬼札、鈴木翔か。」
「そうだ。よく知ってるじゃないか。」
「当たり前だ。交流会の主催者としては、君とイリイチは真打ちとしてよぉく覚えているからなぁ!何の用だ?まだ君がここに来る理由がないだろう?」
「いいや、あるな。あんたらが不能解消のために何をしようが勝手だが、人の友だちに手ェ出してんじゃねぇよ!」
ゲームはカオスに陥った。チートコードは既に打ち込まれている。
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