124 / 128
1年目の秋~冬の件
無事にB級ダンジョンを5層ほど踏破し終わる件
しおりを挟む巨大な首長竜のドロップ品は、魔石(大)に大当たりのオーブ珠、それから立派な竜骨が素材っぽい大剣が一振りだった。妖精ちゃんが興味を示しているので、これは魔法の品に間違い無さげ。
それからお楽しみの宝箱だが、何と銀色でこれも当たりな模様。喜ぶ香多奈とみっちゃん、今回は叱られないように踊りは自重するみたい。
紗良が皆の怪我の確認をして回っているが、幸いにも今回は誰も傷ついておらず。計画に時間を費やしたのと、それがズバリ嵌まったのが原因だろう。
とにかく良かったが、しかしあのレイジーの突然の確変には驚いた。まぁ、彼女たちも深夜にこっそり訓練をしているのを護人は勘付いていたけど。
何しろ、ツグミの差し出す魔石の量が最近は半端じゃない。確実に、野良を倒して得ているレベルの量では無いのだ。
つまりはハスキー達で申し合わせて、恐らくは敷地内ダンジョンに潜っているのだろう。献身的で働き者、しかもその特訓で必殺技を編み出しているその才能は称賛に値する。
さすがにウチのエースだと、姫香などは素直に喜んでいるけど。飼い主的には少し微妙な感情、いやまぁ戦力アップは喜ばしい限り。
とにかく宝箱の中身の確認をと、末妹を中心に動き出す。中からは魔結晶(中)が7個にスキル書が1枚、竜骨の大盾に竜骨のガントレットが出て来た。
それから素材らしい竜骨が数本と、恐竜の牙も同じく数本出て来た。骨類はさすがに恐竜の物だけあって、どれも太くて堅そう。
みっちゃんによると、これも良い素材として企業が買い取ってくれるのだそう。しかも割と高額で売れるそうで、さすが難易度の高いB級ダンジョンである。
後は化石みたいな木の実が4個と、エーテル1500mlが大きな卵の殻の中に入っていた。凄い仕掛けだが、容器に移し替える手間に紗良はちょっと愚痴モード。
香多奈は逆にビックリしていて、こんな大きな卵があるんだと、持って帰って良いかと護人に伺う素振り。子供の興味って、本当にどこにあるのか分からない。
「それじゃあ、休憩を挟んで地上に戻るから準備をするようにな。香多奈、帰りも時間が掛かりそうだけど、まだ歩けそうかい?」
「大丈夫だよっ、たった5層までしか降りて無いじゃん!」
5層と言っても割と広域なこのダンジョン、移動距離は敷地内の遺跡や洞窟タイプより遥かに長い。しかも今回は、ルルンバちゃんはドローン形態で、帰りに座席に座るのは不可。
つまりは出口まで、頑張って歩いて貰うしか手は無い。帰り道も気を抜かないように通達して、休憩を終えてから帰路につく一行だった。
帰りの道は特にイベントも無く、難関ダンジョンを無事にクリア出来た子供たちは外に出ても嬉しそう。今回は魔法の品は少なかったが、換金アイテムは結構稼げた。
午前の割と早い時間の突入だったけど、今は既にお昼時間を過ぎている。お腹空いたと香多奈の正直な催促に、みっちゃんの案内で車に乗りこみ町中を移動する。
そして協会の近くの食堂で、賑やかにランチタイムに突入する一同。みっちゃんの話では、因島の探索者支援協会はそんなに大きく無いらしい。
スタッフも3人程度で、規模としては日馬桜町と変わりない感じ。ただし物販はそれなりで、お土産コーナーは割と充実しているとの事。
食事をしながらの歓談で、そこら辺の情報を確認する子供達はとっても姦しい。そして午後の観光の前に、協会に寄って雑用を片付ける事に決定。
そんな因島の協会は長閑なお昼ムードで、それでも気さくに遠方からの探索者チームを歓待してくれた。
と言うか、漁師のおっちゃん達の伝手で来栖家チームの話は伝わっていた模様。間引きお疲れ様ですと、スムーズに買取ブースへと招かれる。
それから素早くドロップ品の提示から、買い取りに会話は流れて行く。
「いや、済みませんなぁ……ウチは田舎なもんで、職員も少なくて物販なんかも全く揃ってなくって。探索者も漁師の掛け持ちの中年オヤジしかいない状況だし、ダンジョン管理も大変なんですわ。
その代わり、査定には色をつけさせて貰いますんで」
「それはどうも、まぁウチの地元も同じく人手不足で大変ですよ。家族旅行のついでに、子供たちが色んなダンジョンに潜って回りたいって言うモノで。
そのついでなんで、気にしないで下さい」
とは言いつつ、余計にお金を貰えるのは有り難い。何しろ今回ドロップしたオーブ珠やスキル書は、全部みっちゃんの地元に置いて帰ろうと家族で話し合って決めていたのだ。
他の魔法の装備品は、割と要相談ではあるモノの。陽菜やみっちゃんが欲しがれば、これらも融通する予定ではある。
護人としても、余り他の地域のダンジョンを荒らしてガメつく儲けたくはない。姫香と紗良の友達も同行しているし、今後の潤滑な友達付き合いの為にも投資は必要だろう。
別にモノで釣るって訳では無いが、探索で必要なアイテムの遣り取りは命にも繋がる事。変にケチるのは、ハッキリ言って得策ではない。
これには末妹の香多奈も承知しているので、後は向こうが素直に受け取ってくれるかどうかの問題だけである。
そんな訳で、協会で換金した品と鑑定済み魔法アイテムのリストは以下の通り。
換金アイテム:魔石(大)×1個、魔石(中)×2個、魔石(小)×4個
魔石(微小)×89個、魔結晶(中)×11個
:ポーション600ml、エーテル1000ml
:MP回復ポーション400ml、翼竜の被膜×4、恐竜の皮×4
:半魚人の肉、飛竜の嘴×1、竜骨×4、恐竜の牙×8
【監視のモアイ像】設置効果:監視&警報効果・周囲50m ・永続
【古代の軽鎧】装備効果:軽量&水耐性&防御ステup・小
【竜骨のガントレット】装備効果:頑強&水耐性&腐食耐性up・中
【竜骨の魔剣】装備効果:不折&鋭刃&土属性&振撃効果・中
【竜骨の大盾】装備効果:特になし
【古代のレグの実】防御力&理力&パワーup・30分
換金は取得した魔石と魔結晶、それから薬品類も全部する事に決定。地域貢献の意味も込めて、ついでに素材の骨やお肉の類いも売り払ってしまう事に。
ここの協会には、残念ながら女性の事務員はいない様子。さっきの事務員さんも、よく日に焼けていたし島の人なのだろう。
豪快さと愛想の良さを兼ね備えた、護人より年配の男性事務員である。彼はお肉を始めとする結構な量の販売品に、驚いた様な顔をしたモノの。
10分余りで戻って来て、換金結果を護人へと告げて来た。その額何と235万円だそうで、その査定額に素直に驚く一同。
どうやら魔結晶×11個が大きかったようで、これだけで110万円以上あるそうだ。他にも魔石(大)が30万に竜骨が1本10万円と、高額商品も多く存在した模様。
その結果には、香多奈ばかりかゲスト陣も驚きの声を発している。
「うわぁ、ほんの3時間程度の探索でこのお給料……みんなで分けても、結構な分け前ですよ? 姫ちゃんのチーム、いつもこんなに儲けてたんっスね」
「う~ん、ウチのチームは魔石とかの大きいのは売らずに取っておくからねぇ。でもまぁ、スキル書とかオーブ珠の儲けも考えたら、結構行くかも?
ウチは農家だから、探索で生計を立てようとは思わないんだよね」
姫香のさっぱりとした言葉に、思わずポカンとしてしまう陽菜とみっちゃん。とにかく彼女の、地元に貢献する心意気は理解してくれた模様。
地元のおっちゃん達に、オーブ珠やスキル書を寄付する案件には概ね賛成して貰えた。それから彼女たちの取り分に、虹色の果実やら鑑定済みの魔法のアイテムやらを勧める姫香。
2人は完全に戸惑って、そこは辞退するべきかと話し合う始末。しかし強くなるのが恩返しだよと、元リーダーの姫香に強く言われたら断る事も出来ず。
結局は虹色の果実をそれぞれ1個と、みっちゃんは『古代の軽鎧』を融通して貰った。陽菜は迷った末に、『竜骨の魔剣』を貰う事に決めた様子。
どうやら彼女は、生粋の魔剣フェチらしい。
それからお金だが、人間の数の6人で割る事で滞りなく決定した。香多奈も人数に含める事に、護人は申し訳ない思いを2人に告げたのだけれど。
むしろハスキー軍団やミケやルルンバちゃんを、人数に含まない方が不平等との返答。まぁハスキー軍団は、旅行中に変わった食事にありつけた事の方が嬉しいようだった。
とにかく難関だと思われた配分は、何とか滞りなく終了した。今夜の宿は既に昨日と同じ場所に決まっているので、後は適当に島を散策して戻るだけ。
探索の疲労も特に見せない子供たち、護人もHPを纏ってからこちら、疲労に対しては耐性みたいなモノが出来てしまった。
そんな訳で、子供達だけ普段着に着替えて観光に出向く事に。ちなみに動画依頼は、事務の人が不慣れで時間が掛かるとの事。
それなら旅行から戻って、地元で能見さんに頼む事になった次第。
因島は『因島水軍城』とか『本因坊秀策囲碁記念館』などが、観光地としてまだ稼働しているらしい。ただし子供たちは、お城も囲碁も特に興味は向かない模様。
仕方無く、海沿いをキャンピングカーでドライブする事に。
「あっ、護人リーダー分かってるっスねぇ……この因島はバンドの『ポルノグラフィティ』のメンバーの、生まれ故郷でもあるんっスよ!
自分も母ちゃんのCDで、子供の頃からポルノの曲聴いてまス!」
「あぁ、彼らの曲はヒット曲も多いし、テンポの良い曲が多いよねぇ。ウチの姫香も香多奈も、子供の時から聴いてるから知ってる曲はいっぱいある筈だよ」
みっちゃんが護人の選曲したBGMに、すかさず反応して因島出身のバンドの話で盛り上がる。釣られてお調子者の香多奈も、歌うから曲を掛けてよと叔父に催促。
そこからは、良く分からない車内大合唱で盛り上がりを見せる流れに。姫香やみっちゃんどころか、紗良や陽菜まで陽気に合唱に参加する始末。
ハスキー軍団は驚きながらも、自分達も参加すべきか迷う仕草。ミケは完全に知らん顔、助手席に避難してシートの上で丸くなっている。
そんな風変わりな光景は、宿に戻るまで続いたのだった――
そして宿では連日の宴会ムード、夕食のメニューは昨日より豪華な気も。それは良いのだが、護人の心配していたオーブ珠やスキル書の寄付は、この歓待のお礼と言う事で簡単に受け取って貰えた。
内心ホッと一安心で、注がれた酒を飲み干す護人である。みっちゃんによると、島の者にあまり遠慮と言う悪習は無いらしいそうで何より。
例えば漁に出て、高級な魚が釣れたらそれは売って客人には価値の低い魚を出すとか。そう言う区別をしないのが、島の漁師の矜持らしい。
ダンジョンの回収品も同じで、地元で取れたモノを地元で消費してくれとの気遣いは良く分かるそう。そんな訳で、宴会に混じってスキルの相性チェックが各所で行われる。
そうして破廉恥な程の盛り上がり、オヤジ達の絶叫があちこちで響き渡る。結果、オーブ珠1個とスキル書2枚は、全て無事に漁師のおっちゃん連中の所有となった。
ただしさすがに酔っ払い相手に、妖精ちゃんも鑑定をしようとはしなかった。それでも物凄く感謝され、その度に護人のグラスに注がれるビール。
断る訳にも行かず、自然と護人の酒の量も夜が更けるに従って増えて行く。ついでに贈与された『恐竜の角の槍』も、好評なようで取り合いが巻き起こっていた。
これは魔法の品でこそ無いが、品質は一級品でバランスも良い武器である。そんな波乱含みの宴会も、何とか時間と共に終焉に漕ぎつけた。
って言うより、眠くなった子供たちから順に抜けて行く形で床に入って行って。最終的に、残った護人も何とか脱出に成功した次第。
そして次の朝も、昨日と同じく二日酔いからのポーションにお世話になるパターン。子供たちは朝から元気で、お昼までは海辺の散策を楽しもうと盛り上がっている。
陽菜とみっちゃんとは、残念ながら今日の午後でお別れだ。そして家族旅行もお終い、明日からはいつもの日常が待ち構えている。
帰りの道中も、ひょっとしたら野良モンスターに襲われ危険かも知れない。何にしろ、2回の探索行を含めて今回の旅行を無事に終えられて良かった。
海岸で波と戯れる子供たちをぼんやり眺めつつ、年に最低1度は家族サービスはするべきかなと考える護人。こんな時代になっても、やっぱり仕事の合間に適度な息抜きは必要には違いない。
そんな事を考えつつ、護人もペット達と穏やかな雰囲気を心から楽しむ。
――秋の海岸線は、それでもある種の行楽の名残を感じさせてくれた。
1
あなたにおすすめの小説
俺だけLVアップするスキルガチャで、まったりダンジョン探索者生活も余裕です ~ガチャ引き楽しくてやめられねぇ~
シンギョウ ガク
ファンタジー
仕事中、寝落ちした明日見碧(あすみ あおい)は、目覚めたら暗い洞窟にいた。
目の前には蛍光ピンクのガチャマシーン(足つき)。
『初心者優遇10連ガチャ開催中』とか『SSRレアスキル確定』の誘惑に負け、金色のコインを投入してしまう。
カプセルを開けると『鑑定』、『ファイア』、『剣術向上』といったスキルが得られ、次々にステータスが向上していく。
ガチャスキルの力に魅了された俺は魔物を倒して『金色コイン』を手に入れて、ガチャ引きまくってたらいつのまにか強くなっていた。
ボスを討伐し、初めてのダンジョンの外に出た俺は、相棒のガチャと途中で助けた異世界人アスターシアとともに、異世界人ヴェルデ・アヴニールとして、生き延びるための自由気ままな異世界の旅がここからはじまった。
みそっかす銀狐(シルバーフォックス)、家族を探す旅に出る
伽羅
ファンタジー
三つ子で生まれた銀狐の獣人シリル。一人だけ体が小さく人型に変化しても赤ん坊のままだった。
それでも親子で仲良く暮らしていた獣人の里が人間に襲撃される。
兄達を助ける為に囮になったシリルは逃げる途中で崖から川に転落して流されてしまう。
何とか一命を取り留めたシリルは家族を探す旅に出るのだった…。
親友と婚約者に裏切られ仕事も家も失い自暴自棄になって放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました
空地大乃
ファンタジー
ダンジョンが日常に溶け込んだ世界――。
平凡な会社員の風間は、身に覚えのない情報流出の責任を押しつけられ、会社をクビにされてしまう。さらに、親友だと思っていた男に婚約者を奪われ、婚約も破棄。すべてが嫌になった風間は自暴自棄のまま山へ向かい、そこで人々に見捨てられた“放置ダンジョン”を見つける。
どこか自分と重なるものを感じた風間は、そのダンジョンに住み着くことを決意。ところが奥には、愛らしいモンスターたちがひっそり暮らしていた――。思いがけず彼らに懐かれた風間は、さまざまなモンスターと共にダンジョンでのスローライフを満喫していくことになる。
ハーレムキング
チドリ正明@不労所得発売中!!
ファンタジー
っ転生特典——ハーレムキング。
効果:対女の子特攻強制発動。誰もが目を奪われる肉体美と容姿を獲得。それなりに優れた話術を獲得。※ただし、女性を堕とすには努力が必要。
日本で事故死した大学2年生の青年(彼女いない歴=年齢)は、未練を抱えすぎたあまり神様からの転生特典として【ハーレムキング】を手に入れた。
青年は今日も女の子を口説き回る。
「ふははははっ! 君は美しい! 名前を教えてくれ!」
「変な人!」
※2025/6/6 完結。
ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる