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番外編?「悪役令嬢はお菓子作りに夢中です」
アリアーナと謝罪のお菓子ができるまで⑥
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「確かに皆に心配は掛けたけどアリィが元気にしてるのが1番なんだから、そこまで気にする事ないよ」
そう微笑むハルバートは妹にとことん甘い。
「でも・・・昨日はお兄様の婚約式だったのに台無しにしてしまって。おじ様・・・国王陛下もいらしていたし・・・」
「まぁ、おじ上も心配してたから何かお詫びを用意して元気だと伝えればいいと思うよ」
「そうします・・・」
ハルバートの言葉に項垂れつつも、父の兄でもある国王陛下は甘味好きとして知られている。お詫びと称してお菓子を持っていけば喜ばれる。ついでにそのお菓子の準備に携われば自然とお菓子作れるじゃない!完璧な考えだわ!昼食がすんだら早速料理場へ戻らなきゃとほくそ笑む。
「そう言えば、久しぶりに会ったけどルイス殿下は随分大きくなっていたわねぇ」
お菓子の事を考えていたところにぽつりと母がこぼした言葉に胸がはねる。
「・・・え?ルイス殿下がいらしてたの?」
声がふるえるが聞かなければと全身が訴えていた。ハルバートはわたくしのそんな様子には気付かず言葉を続ける。
「そう言えば来ていたね。アリィはもう何年も会っていないから忘れてしまっているのかと思っていたよ。挨拶の時は席を外していたしね」
どうしよう心臓がドクドクと激しく鳴っている。
覚えている。
忘れるわけがない。
正確には以前のわたくしは彼の事をそこまで覚えていた訳ではない。名前や存在は知っていたが、直接関わることもないので気にしたこともなかった。
ルイス・リア・クラリス。乙女ゲームの攻略対象でもあり、この国の第二王子だ。ちなみに前世のわたしの推しだった。
彼のお菓子を美味しそうに食べている姿が可愛くて、かっこよくて、友人にすすめられなんとなく始めたゲームにハマってしまったのも彼がいたからだ。
「え、でも予定ではおじ様とクリス殿下だと・・・」
「クリスは体調不良で急遽ルイスが来る事になったようだよ」
「そう・・・だったんですね 」
「そう言えば昨日の騒動で伝えそびれていたね。クリスの症状はそこまで酷いものじゃないらしいから。・・・婚約者の不調はやっぱり心配?」
ハルバートはニヤリと笑う。
「・・・それは、もちろん」
そう、答えながら、クリスの事はわたくしの中で、もはやどうでもよくなっていた。
ルイスがいた。
もしかしたら、パーティで彼がお菓子を食べてる姿(幼少期)が見れたかもしれなかった?
倒れるなんて、わたくし、な、なんて勿体ないことを!
心ここに在らずと言った返事をしてしまい、その様子をハルバートは勘違いしてとらえる。
「そんなに心配しなくてもクリスは大丈夫だよ」
ハルバートはわたくしを心配そうにしている。はっ!いけない、お兄様に心配を掛けてしまったわ。
「・・・!そ、そうですわね。おじ様とルイス殿下へお詫びの品と、クリス殿下にはお見舞いを用意すればいいかしら?」
「うん、きっと喜ぶと思うよ」
「では、何にするか後で考えておきますね」
そう言って首を傾げつつ返事をしたら、ハルバートは安心したように微笑み返してくれた。
その後昼食を食べ終え、早速ローたちの元へ戻ろうとしたら、ハルバートに駄目だと言われてしまった。
再度、アリィは昨日倒れたばかりなんだからね?わかってるよね?と、笑顔で言われては黙って頷くしかなかった。
これ以上家族や使用人に要らぬ心配を掛ける訳にもいかず、その日は部屋で大人しくする事にし、ローたちへは明日伺うと侍女に言付けをし、自室へと戻った。
そう微笑むハルバートは妹にとことん甘い。
「でも・・・昨日はお兄様の婚約式だったのに台無しにしてしまって。おじ様・・・国王陛下もいらしていたし・・・」
「まぁ、おじ上も心配してたから何かお詫びを用意して元気だと伝えればいいと思うよ」
「そうします・・・」
ハルバートの言葉に項垂れつつも、父の兄でもある国王陛下は甘味好きとして知られている。お詫びと称してお菓子を持っていけば喜ばれる。ついでにそのお菓子の準備に携われば自然とお菓子作れるじゃない!完璧な考えだわ!昼食がすんだら早速料理場へ戻らなきゃとほくそ笑む。
「そう言えば、久しぶりに会ったけどルイス殿下は随分大きくなっていたわねぇ」
お菓子の事を考えていたところにぽつりと母がこぼした言葉に胸がはねる。
「・・・え?ルイス殿下がいらしてたの?」
声がふるえるが聞かなければと全身が訴えていた。ハルバートはわたくしのそんな様子には気付かず言葉を続ける。
「そう言えば来ていたね。アリィはもう何年も会っていないから忘れてしまっているのかと思っていたよ。挨拶の時は席を外していたしね」
どうしよう心臓がドクドクと激しく鳴っている。
覚えている。
忘れるわけがない。
正確には以前のわたくしは彼の事をそこまで覚えていた訳ではない。名前や存在は知っていたが、直接関わることもないので気にしたこともなかった。
ルイス・リア・クラリス。乙女ゲームの攻略対象でもあり、この国の第二王子だ。ちなみに前世のわたしの推しだった。
彼のお菓子を美味しそうに食べている姿が可愛くて、かっこよくて、友人にすすめられなんとなく始めたゲームにハマってしまったのも彼がいたからだ。
「え、でも予定ではおじ様とクリス殿下だと・・・」
「クリスは体調不良で急遽ルイスが来る事になったようだよ」
「そう・・・だったんですね 」
「そう言えば昨日の騒動で伝えそびれていたね。クリスの症状はそこまで酷いものじゃないらしいから。・・・婚約者の不調はやっぱり心配?」
ハルバートはニヤリと笑う。
「・・・それは、もちろん」
そう、答えながら、クリスの事はわたくしの中で、もはやどうでもよくなっていた。
ルイスがいた。
もしかしたら、パーティで彼がお菓子を食べてる姿(幼少期)が見れたかもしれなかった?
倒れるなんて、わたくし、な、なんて勿体ないことを!
心ここに在らずと言った返事をしてしまい、その様子をハルバートは勘違いしてとらえる。
「そんなに心配しなくてもクリスは大丈夫だよ」
ハルバートはわたくしを心配そうにしている。はっ!いけない、お兄様に心配を掛けてしまったわ。
「・・・!そ、そうですわね。おじ様とルイス殿下へお詫びの品と、クリス殿下にはお見舞いを用意すればいいかしら?」
「うん、きっと喜ぶと思うよ」
「では、何にするか後で考えておきますね」
そう言って首を傾げつつ返事をしたら、ハルバートは安心したように微笑み返してくれた。
その後昼食を食べ終え、早速ローたちの元へ戻ろうとしたら、ハルバートに駄目だと言われてしまった。
再度、アリィは昨日倒れたばかりなんだからね?わかってるよね?と、笑顔で言われては黙って頷くしかなかった。
これ以上家族や使用人に要らぬ心配を掛ける訳にもいかず、その日は部屋で大人しくする事にし、ローたちへは明日伺うと侍女に言付けをし、自室へと戻った。
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