1 / 30
1
しおりを挟む最悪な週末だ
人が騒めく繁華街で空を見上げたが、星一つ見えやしない。
明日は日曜日
1週間ぶりの休みだ。と胸を高鳴らせる俺に今朝、同棲中の彼氏から突然告げられた「別れ」の言葉
付き合って約2年、正直いつかこんな日が来るのでは、と心のどこかで思っていた。
…思ってはいたが
一つ想定外だったのは
「今月中には出て行ってほしい」という言葉
玄関で革靴を履きながら、笑顔で「分かった」と今朝は言った。
言ったが、今頭の中は怒りで溢れていた
「…はあ、」
一つ、深い溜息を吐きコンビニで買った缶ビールを煽った。
「ふざけんじゃねえ!そのアパートの名義は俺なんだよ!くそっ」
空になったビールの缶をグシャリと握り潰し、乱暴にゴミ箱へと投げ捨てる
早く帰って話をしなければ、と思う反面、足は一向に家路へと向かわない。いや、向かいたくない
今朝は出なかった怒りの言葉が沸々と湧き上がる
別れてくれ。とは言うけれど、そもそも俺たちが本当に付き合っていたかも怪しいものだ。
本人が別れると言っているのだから、付き合ってる自覚はあったのだろう…きっと
2年付き合ってキスの一つも無かったけどな!!!!
そりゃ毎日終電で帰る俺だって少しくらい悪かったかもしれないが、そもそも!そうだ、そもそも、アパートの名義は俺で、支払いも俺で、更に言うなら光熱費も食費も…生活費は全部俺。
お前はただのヒモ男だったじゃねぇか、ちくしょう!!!
「くそ!!!」
人目を憚らず悪態をつきしゃがみ込む
本当やってられない。好きだから、好きで養っていたのだ。あいつがそれで幸せなら、俺も幸せだった。
でも、あいつが他の誰かと幸せになる為に尽くしていたのではない
涙目でスマホを開き、昼休憩の時にきたメッセージをもう一度見る
何度見ても変わらない、たった一行の文
「結婚することにした」
「くそ、ふざけんなっ…」
涙が落ちないように空を仰ぐ。雲一つない真っ暗な空。煌びやかな街明かりのせいで星は見当たらない
帰ろう。いつまでもこうしているわけにもいかない。
怒りは鎮まらないが、俺たちはもう終わったのだ、そもそも始まってすらいなかったかもしれない。
どんなに怒鳴り散らしたって、変わる事が無いくらい俺には分かる。
あいつにとって俺は、都合のいい人間だったのだ
これからの事を考えよう。
そうだ、音楽でも聴きながら帰ろう。少しは気が紛れる
鞄から取り出したイヤホンを耳へと嵌め、深呼吸をして気合を入れた
酒で少し覚束ない足で立ち上がり前を向く
たまには普段聴かないような曲でも聞いてみようと思い、スマホを操作しながら重たい足を踏み出した
良くわからない流行りの最新曲を再生しながら歩みを進める
今はこんな曲が流行ってるのか…なんてじじ臭い事を考えながら、曲に耳を傾けた
普段俺が聞く音楽とは全く違ったジャンル
歌詞も個性的で、こんな言葉選びがあるのか…と感心さえ覚える
とても独特で共感こそは出来ないが、ほんの少し自分の世界観が広がった気さえした
こういうの作れる人、なんていうんだっけ…とても独特で…そう
「……独創的な…」
とても眩い光が、煌めいた気がした。
0
あなたにおすすめの小説
強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない
砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。
自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。
ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。
とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。
恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。
ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。
落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!?
最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。
12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】気が付いたらマッチョなblゲーの主人公になっていた件
白井のわ
BL
雄っぱいが大好きな俺は、気が付いたら大好きなblゲーの主人公になっていた。
最初から好感度MAXのマッチョな攻略対象達に迫られて正直心臓がもちそうもない。
いつも俺を第一に考えてくれる幼なじみ、優しいイケオジの先生、憧れの先輩、皆とのイチャイチャハーレムエンドを目指す俺の学園生活が今始まる。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
兄弟カフェ 〜僕達の関係は誰にも邪魔できない〜
紅夜チャンプル
BL
ある街にイケメン兄弟が経営するお洒落なカフェ「セプタンブル」がある。真面目で優しい兄の碧人(あおと)、明るく爽やかな弟の健人(けんと)。2人は今日も多くの女性客に素敵なひとときを提供する。
ただし‥‥家に帰った2人の本当の姿はお互いを愛し、甘い時間を過ごす兄弟であった。お店では「兄貴」「健人」と呼び合うのに対し、家では「あお兄」「ケン」と呼んでぎゅっと抱き合って眠りにつく。
そんな2人の前に現れたのは、大学生の幸成(ゆきなり)。純粋そうな彼との出会いにより兄弟の関係は‥‥?
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
精霊の港 飛ばされたリーマン、体格のいい男たちに囲まれる
風見鶏ーKazamidoriー
BL
秋津ミナトは、うだつのあがらないサラリーマン。これといった特徴もなく、体力の衰えを感じてスポーツジムへ通うお年ごろ。
ある日帰り道で奇妙な精霊と出会い、追いかけた先は見たこともない場所。湊(ミナト)の前へ現れたのは黄金色にかがやく瞳をした美しい男だった。ロマス帝国という古代ローマに似た巨大な国が支配する世界で妖精に出会い、帝国の片鱗に触れてさらにはドラゴンまで、サラリーマンだった湊の人生は激変し異なる世界の動乱へ巻きこまれてゆく物語。
※この物語に登場する人物、名、団体、場所はすべてフィクションです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる