独創スキルを手に入れたのでアダルトグッズ作ります

海月ウミヅキ

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やっぱり涼しい。とっても涼しい最高!!
なんだこれ、めっちゃ良い!もう俺ここに住む、ここに住みたい!!!
…いや、水が無いんだ。早く水分を見つけないと

深いため息の後、ブワッと強い風が吹き抜けた
俺の横を通り過ぎて行った風から感じる、どこか懐かしい匂い、気分を高める香り


「磯のにおい……」


嗅ぎ覚えのある海の香り

フワッと足が軽くなった気がした。
海があれば、独創魔法で水と塩を創り出せるかもしれない!!!水分だ!!飲み水!カラカラに乾いたこの喉を潤せるはず!

自然と歩調は上がり、少し奥に見える光を一心に目指した
あと少し、あと少しで景色が開ける。もうすぐ出口だ!
そんな時、一本道だったトンネル内の右側に、ぽっかりと巨大な空間が広がっていた。
削り取られたのか、自然と出来たのか分からない広々とした空間に煌めくのは、水面


「……え、」


軽くなっていた足がピタリと止まる
キラキラと輝き揺れるのは、間違いなく水面
底まで見通せる程透明度は高い
恐る恐る、その水面へと近づいて覗き込んでみた。確認できる範囲に生き物は見当たらない
期待を込めて《鑑定》

《忘れ去られた水源》
多くの魔素が含まれた水
飲んでよし、かけてよし、まいてよし


飲んでよし…??
《鑑定》が大丈夫と言うのなら間違いは無い!!
今まで色々と採取する中、毒キノコなどは教えてくれた。しかも、致死毒、麻痺毒、など毒の種類までもご丁寧に表示してくれるという有能さ。
なので《鑑定》が飲めると言うのなら飲める!

急いで木の器を取り出し、煌めく水面へと沈める


「…ッ、くっそうめぇ!!!!」


カラカラに乾涸びた喉に水が染み渡る
何度も何度も木の器を水面へと沈め、何度も何度も口へと運んだ
水にでも生まれ変われるんじゃないかと思うくらい、それはもう大量に飲んだ。飲めるだけ飲んだ

タプタプと腹が揺れる様な感じを覚えながら、地面へと寝転ぶ


「俺もう、ここに住もう」


自分の小さな呟きが反響した
涼しくて、美味しい水がある、最高に良い居心地

でこぼことした岩肌を見上げていると、不意に色んな考えが浮かび上がり不安が襲ってきた
恐らく飲み水、という目標を達成したからだろうか

とりあえず水を求めひたすら前へと進んできたが、この先俺は一体どうしたらいいんだろう
ここは異世界、帰れる方法はあるのだろうか?
独創魔法とやらが使える限り、可能性はゼロではない気もするが…
そもそも俺は帰りたいのだろうか?

元の世界に戻っても、待っているのは元彼との話し合いと、終わる見込みの無い仕事の山だけだ。

俺が戻らなかったらアパートの名義はどうなる?家賃や光熱費の引き落としは?
定職に就いていないあいつはどうする?
結婚すると言っていたが、養ってくれる女性でも見つけたのか?


「戻りたくねぇなあ…」


漏れ出た本心に、乾いた笑いが溢れる
あいつの事を考えた所為で何だかムカついてきた。
ふざけんなあのクソ野郎!俺が帰らないままアパート解約されて途方に暮れろ!!!!

頭の中でありったけの悪態を吐きながら、身体を起こす
よし。ここに住もう。この世界で生きよう、やり直そう何もかも
もう俺は仕事も恋愛もしない!!
悠々自適にこの世界を生き抜いてやる!

喉の渇きが満たされて安心したからだろうか?今度は腹が減ってきた
インベントリの中には食べられるキノコと、果実が少し。それと火が出るという《フラムストーン》なるもの……直ぐにでも多少の空腹は凌そうなのだが、俺は忘れていない、先程風に乗って匂った磯の香り
もし近場に海があるなら魚が欲しい!!欲を言えば肉が食べたいが、残念ながら狩りの知識を持ち合わせていない。
それに、ここまでの道中、動物らしき物は全く見なかった。馬車の様な箱が転がる所に落ちていた白骨が、唯一見た生き物の形跡だ。
なので妥協点として魚!魚肉!

だが海を探す前に一つ
もう2度とあそこ迄の喉の渇きを感じたくないので、収納していた大量の木を使って《独創魔法》で自分で持てる最大限の大きさのバケツを大量に作る
そしてせっせと水を汲み上げ全てインベントリへとぶち込んだ。

結構な重労働だったが、何故か此処へ来た時よりも、かなり身体が軽い
あんなに重かった足も驚く程軽い。何故か
心当たりは一つ。もしかして、この水のおかげだろうか?
確か《鑑定》では、多くの魔素が含まれているとか何とか……魔素ってなんだ?
文字通り魔力の素という認識でいいのだろうか?
そういえば、鉄剣を修繕した際に使用したMPがいつの間にか回復している。

まあいいいか、なんかちょっと凄い水って認識しておこう
これで飲み水の心配はいらない!
準備は完璧に整った、差し込む光のあの向こうへ行こうではないか
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