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ふはははは
はーっはっはっはっは!!
なぜ俺が立派な三段笑いを披露しているかって?
先日我が小屋に来た行商人のディーダを覚えているだろうか?
まあ、覚えていなくてもいい
行商人から物々交換で手に入れた大豆。それを今日《独創魔法》を用いて醤油へと変換する事に成功した。厳密には大豆と塩を使った。
まあ、すっかり忘れてたよね、大豆の事なんて。胡椒で結構満足しちゃってたんだよ…怖いね慣れって
だが今朝、インベントリを開き朝食を選んでいるときに出てきた一文
《大豆》
加工することを薦めます。
いや、最初にこの豆を手にした時の表示はこんなのではなかった。
《大豆》
食用に適した豆類
とか、そんなんだった。なのに今朝突然、加工を進められた。びっくりだよ
そんなわけで今朝、醤油を手に入れた俺だが…
だがそれ位で俺は、三段笑いを披露するような男では無い
大豆から、発酵などの過程を得ずあっという間に生まれだした醤油。麹菌やら酵母菌などが活躍する間も無く生まれた醤油
それはどういう事か…
少し前のポチからの貢物を覚えているだろうか?
そう、フルーツの盛り合わせ
りんご、オレンジ、葡萄、その他前世には無かった不思議な果物諸々
それらを用いてできてしまった…酒が。
酒だ。アルコール。よくに言うワインとシードル的なやつ
しかもめっちゃフルーティで美味い!!
フルーツから作ったのだからフルーティで当然だが……それにしてもうまい!
《独創魔法》…いや、俺は天才かもしれない
こんな美味い酒を作り出して、三段笑いせずにいられるだろうか?いや無理だ。
酒と醤油があったら、生活の質爆上がりじゃね?やばくね?
しかも!!今日は晴れだ!!!
これで心置きなく外に出れる!風呂が作れる!
そうなったら今日は宴だ!
それでは一働きする前に、朝食と行こう
勿論作りたての醤油を使います!!
竈の上に《古びた鉄屑》で作った網を置き、数日前に捕獲したお魚ちゃんを置く。塩を振りかけ後は待つのみ。小松菜のような葉っぱも焼いておくか…
両面をしっかり焼いてから、取り出した物は醤油!いい焼き色に仕上がった魚へと、少し流しかける。
ジュワッと泡立った黒い液体から立ち込める香ばしく食欲を唆る香り
滴り落ちた液が燃え盛る薪の上へと落ち、艶やかな音をたてた
「いただきます!!!」
木で作った皿と箸を取り出し、まずは一口
うーーーん!!!懐かしい!!この味!
芳醇で塩みの効いたこの味…!ああ、これで米と味噌汁があれば完璧なのに…
あと、出来れば卵焼きと海苔と納豆も欲しい。あ、漬物も欲しいぞ?
いや…待て、海苔は意外と作れるんではないか?!!あれって元は海藻だよな!!!うん!作れる!!
…でも海苔だけあってもなあ、米がないんじゃ…
ああ、米が食べたい。炭水化物が全く足りていない
おかげで少し痩せた気がする
「でも、今は!!
っっうまーーー!」
醤油かけた魚、最高!!
早くポチ帰ってこないかなあ…是非食べさせてやりたい。
醤油があるって事は砂糖も使って煮魚も作れるな?
これは結構レパートリーが増えそうだ!
あっという間に魚と野菜を平らげてしまい、おかわりを作ろうか…と迷ったがやめておいた。
食べすぎたら動きたくなくなる
今日は忙しい
外に出て、魔素水で皿と箸を洗いインベントリに収納
それから小屋の周りをグルリと見渡した。
うーーん、何処にしよう?
水を運ぶ事を思うとトンネルに近い方がいいよな?
すぐに小屋に入れる距離がいいし……
よし決めた!!
トンネルがある大きな岩と小屋の丁度隙間
ここにしよう!
岩と小屋の間には、丁度小屋一つ分くらいの空間があいている。
…この岩が崩れたら時は間違いなく死ぬ位置だな。その時は諦めて潔く死のう
まずは位置を決めて、《独創魔法》を発動
インベントリにある檜を用いて、簡易的な屋根のある3畳くらいの浴槽を………どん!!!
「うおおお!!ぽい!ぽいぽい!!しかもめっちゃいい匂い!!最高!」
次に円筒状の棒をつけた大きな石鍋を2つ用意。
そのうち一つは、五右衛門風呂の様に下に燃焼室をつけた。
一度インベントリに収納し、位置を調整しながら檜の浴槽の横へ円筒が少し触れるかぐらいの場所に置く
よしよし、無い頭で考えたが…まあまあ上手くいきそうではなかろうか?
燃料室に薪をぶち込み着火
円筒の先にコルクの様に木の蓋をつけ、石鍋に魔素水を注ぎ込む
あとは、待つだけ…
大量に魔素水を使ったし、待ってる間に補充しに行こうかな?どれくらい時間がかかるかは未知数だし………
「わん!!!」
「っ!びっくりしたー。
ポチか、おかえ…り?!」
トンネルに向かおうと立ち上がると同時、背後から聞こえた鳴き声に少し驚き振り返る
そこに居たのは、見慣れた白と薄茶色のモフモフ。だが、何故か籠を咥えた口の周りは赤く染まっている
ひやり、と心臓が冷たくなり、血の気が引く感覚がした
「ど、どうしたんだ?!!」
動揺でもつれる足で駆け寄り、その両頬を包み込む
見た感じは元気そう?返り血か??
胸元までビッチャリと赤く染まっている
とりあえず先に綺麗にしてやろう、と咥えている籠を地面に置き、赤くなった口元へと魔素水をかけた
忽ち、小さな煌めきと共に赤かった毛が白へと変わる
怪我は…してなさそう?
「わふっ!」
ぐり、と額を寄せたポチが目線を落とした
その目線の先には先ほどまで咥えていた籠
その籠の中には、まるで林檎の様な真っ赤な球体……
「ってか、トマト!!これトマト!!」
確信はない。でも、見るからにトマトなそれを、1つ手に取り《鑑定》
《トマト》
食用に適した野菜
やっぱりトマトだーーーー!!!!!
試しに1つ、魔素水で洗って齧る
「うま!あま!!!トマト!!!トマト!」
ジュルジュルと汁を吸いながらトマトに貪り尽く俺は酷く滑稽だろう
だが!だが、この旨味!酸味!甘味!全てがバランス良く組み合わさったこの味に興奮せずにいられるわけがない。
「ポチーー!ありがとう!!お前は本当最高だよ!!大好き!!」
トマトを1つ完食し、利口に座って待ってるポチへと抱きついた。
ポチも食べるか?と差し出したが、食べる気配が無かったので一度インベントリに収納
そうか、口周りが赤かったのはトマトのせいか……あんなに赤くするまで、随分沢山食べたんだろうな。
グリグリとポチの頭を撫で回し、その額に口付けた。最高だぜ俺の相棒!
しかし、いつもいつも俺が見た事ない食材や、獣はどこから持ってきているのだろうか?
今度後でもつけてみようかな??
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