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ダンジョン都市
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しおりを挟む隣に眠るのは美しい金髪の男
白皙の肌に差し込む朝日が、その金色の髪を一層キラキラと煌めかせる。
そんな美しい男に腕枕をされながら、朝日が入り込む窓辺に立つ男へと、俺は視線を向けた。
不満げな顔で腕を組んだ赤髪の男は、ジロリと俺を睨みつけている
ああ、どうしてこうなったのか。
昨夜は素面では無かったにしろ、媚薬的な何かを摂取したわけでは無い
それなのに、求めてしまったのだ、俺から
ロワンがあまりに綺麗で、気づいたらキスをしていた。その後はもう、高まった感情に我慢はきかなかった。
なんで、どうして、
酔ってはいたが記憶はある。
よし、ここは必殺!スキル記憶喪失を発動しよう!!!
全力でとぼけよう。俺は何も覚えていない!
「お、おはよー?アルド?
2人ともなんで俺の部屋に??」
「ほう…そう来るか。
ずりぃよなァ?俺が一働きしてるうちに、美味いもん飲んで食ってイイコトしてんだからよお…なあ??」
「え?ええ?何のこと?あれ?」
「スキルで酒も買えるのに教えてくれねェなんて、酷いんじゃねぇか?なあ?」
「あ、あれ?言ってなかったけ?あれ?」
圧が!圧がすごいよアルドさん!!!!
そんなアルドに慌てる俺を、いつの間にか起きたロワンが見ていてクスリと笑を溢す
起きてたんなら援護射撃してよ…と、ロワンを見つめると、とびきりの笑顔で「おはよう」と言われてしまった。
そんな美しい顔を見たら素直に「おはよう」と返すしか無い。ずっと見ていたい
…見ていたいが、俺は今スキル記憶喪失を発動中だ。忘れてはいけない
「…えーーっと?ロワンは、何で…俺のベッドに?」
「覚えてないんですか?」
「え?あはは、なんかお酒飲んだのは覚えてるんだけど……」
そういえば、と机に放置していたお酒諸々を見ると、全て空っぽだ。
さては、アルド…飲んで食べたな
ははは、と笑って誤魔化しながら、何も覚えてないふりを必死で装う
ジトリとした目でロワンが俺を見つめるが、俺は何も覚えていないのだから仕方ない
「今度は俺と2人で酒飲んでくれるよなァ?」
「えっ、それは…ちょっと…もう、お酒は控えようかな?なんて…」
「あ゛ん゛??!」
「ひっ……わかった!分かったから睨むなよっ」
「…はあ、覚えてないのは残念ですが仕方ないですね」
ロワンを盾にアルドの睨みから逃げる俺の頭を、長く綺麗な指が優しく撫でる
さすが王子!どこかの誰かと違って聞き分けが良い、話がわかる!優しい!!
とりあえずベッドから抜け出し、恐らくロワンによって綺麗にされた身体に、これまたロワンによって綺麗にされたであろう衣服を着込む。
まずはアルドの機嫌を取ろう。そういえば一働きって何してきたんだろう?
「朝ごはん何食べる?」
「今日は弁当の1から3だ」
「了解!それと一働きってなにしてたの?」
スキル画面を開きながらアルドに問いかける。
ロワンのリクエストはサンドイッチとスープだ
「お前をつけ狙ってた奴を片付けたンだよ」
「………え」
ちょっと今、聞き捨てならないこと言いませんでした?
アルドの弁当を選ぶ指がピタリと止まる
俺をつけ狙ってた?
片付けた?片付けたとは?え?
「おい、早く飯」
「いやいや、待って!どういう事?!」
説明が欲しい。でも早く飯を出せと急かされるので、とりあえず急いで朝食を選ぶ。
唐揚げ弁当、ハンバーグ弁当、中華弁当…
ハムサンドとトマトスープ。俺はスープだけでいいや…
昨日のゴミをアイテムボックスへと詰め込み、代わりに朝ごはんを机へと並べ、もう一度アルドへと問う
すると、面倒臭そうなアルドの隣に服を纏ったロワンが現れ、口を開いた
「ギルドでスキル持ちだと言ってしまったでしょう?スキル顕現者は稀で重宝されるのです」
「そういえば、ギルドの職員さんがスキル保持者は、新しいスキルを覚える可能性が有るとか言ってたっけ…?」
「ええ。それです。スキルとは神の祝福と言われ生まれながらにして携えており、後天的に現れる事はまずありません。
しかし、生まれながら1つでもスキルを持っている者は、後に幾つものスキルが顕現する例が見受けられています」
「1つでもスキルがあれば今後への期待が大きいと…?」
でも、それだけで俺が狙われる意図とは?
「冒険者や貴族の中には、スキル保持者を飼い殺す人が多く居るのです」
「何のために?」
「自分の利益と、力を誇示する為に」
ロワンが言うに、某有名な冒険者パーティに武器を修復できるスキルを有した人や、例の俺が唯一保有しているスキル、という事になっている20の箱というスキルと、200の箱というスキルを持ち荷物持ちにされている人などが有名だとか。
他にも数十人、貴族に飼われている者から、奴隷商で飼われている者……と、あまり扱いが良いとは言えない境遇に置かれているようだ。
「じゃあ俺は今後を見込まれて狙われてるって感じ?」
「…まあ、そうなりますね。アルドと共に居る貴方を狙うバカはそう多くはないと思いますが」
「え?」
「……知りませんでしたか?アルドはAランク冒険者ですよ」
「ええっ!!!」
知らん!知りませんよ!!そんな事!!
こんな大食いのセクハラ野郎がAランクだなんて……ギルドの採点基準が心配になる。
あれ、でもそうなると…Aランクのアルドより強いロワンって?冒険者登録したばかりだから、ランクが低いのは当然だが、この2人と居たら向かうところ敵なしじゃない??
Aランク冒険者と、それより強いFランク冒険者。
「って事で、お前は俺の後ろに居たらいいンだよ」
最後の唐揚げを頬張ったアルドがニヤリと笑う。カッコいい!かっこいいよ!
思わず一生着いていく!と言いそうになり、慌ててその言葉をスープで流し込む
アルドが片付けた、なんて言うから心配だったが、ちょっと痛い目に合わせただけで命は無事。手足も無事。本当によかった。
多種族国家と言えども人間が治める国で魔族が人を殺めたとなれば、冒険者同志だったとしても面倒な問題になるそうだ。そりゃそうか。
「話は変わるのですが…トウヤ、約束を守れず申し訳ありません」
突然ロワンがショボンとした顔で俺を見た。
約束?何のことだ?何か約束してたっけ?心当たりが全くない
「約束って…?」
「貴方に軽率に噛み付かないと、」
言いましたよね?と、ロワンが首すじを指差して見せる
…した。したね、そんな約束。
「本当にすみません」とロワンがしおらしく項垂れる。心底申し訳なさそうに下がった目尻に心が痛む
だって、あれは俺が、そう俺が自分で
「俺が噛んでって言ったか……ら…、あ」
「そうですね、貴方が言いましたね。覚えててくれて嬉しいです」
どうやら、スキル記憶喪失は失敗に終わったようだ。
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ロワンおかえりなさーい!! 綺麗な仕草や動作、妄想すればする程好きになる!(笑)
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読んでくださりありがとうございます♪