うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第三章 孫を追いかけ北を目指す旅で御座います。

3-3 ライネルス王国について勉強で御座います。

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「探偵さんよぅ。こっちの世界の事、もうちっと詳しく教えてくれんじゃろか?」

 町を出て何もない道を歩いている事が、暇になったからでしょうか? それともこちらの世界に少し興味が湧いたのでしょうか? どちらにせよ、前向きなじぃじの姿勢は大歓迎で御座います。

「探偵さん。私も知りたいです。雷人が召喚されたと言う、このライネルス王国の事を、この世界の事を……」

 旅すがら、この世界を勉強しておく事は、長い道中を無駄にしないためにも、必要な事です。

「そうですね。康夫さん達の世界が様々な国に分かれているように、こちらの世界も幾つもの国に分かれているんです」

「その一つがライネルス王国なんですね」

「そうです。ちょっとお待ちくださいね」

 探偵さんはそうおっしゃると、アイテムボックスから何かを取り出しました。あら? 宙に浮いたこの大きな紙は……?

「おっ。地図か」

 じぃじが先に反応を示しました。地図が浮いている事に、少し前の私なら、びっくりおったまげでしたが、もう、おったまげる私は卒業で御座います。

「はい。この地図の中央に位置しているのが、ライネルス王国です。で、王都のライネルスがここ、王国の中央に位置しています。で、パノスの町がここ、王国の南東の端です。そしてこのライネルス王国は7つの国に囲まれた小国ですが、大きな魔鉱石の鉱山を持っているんです」

「魔鉱石とな?」

「ええ。簡単に言えば魔力を持った石ですね」

 何だか女学校時代を思い出しました。確か地理の授業の際に、何処の国に、どのような鉱物が眠っているかを、勉強したもので御座います。正に今、ライネルス王国の地理の授業中なのですね。

「……もしかして、そのような鉱山を持っているから、他国から狙われ易く、護衛隊が必要なんですね」

 探偵さんが聞いて来られた噂では、異世界から若者を集め、王宮の護衛隊を作ったなんて話や、領土北方で護衛に当たっているなんて話が御座いました。

「そうですね。魔鉱石の鉱山は、このライネルス王国の領土北方にあります。それに北部の国境は、全て大国のハーシュタン王国と接しています」

「それでは、領土北方の護衛と言うのは、そのハーシュタン王国から、鉱山を守るためで御座いますね」

「ええ。そうですね」

 分かりました。雷人は鉱山を守るために、召喚された可能性があると言う事で御座いますね。……あら? それでは、王宮の護衛隊とは何でしょう?

「探偵さん。私、一つ疑問が生まれました。王宮の護衛隊も敵国から備えての事で御座いましょうか? 7つもの国に囲まれているので御座いましょ? 一番重要なのは国境の警備だと思うのですが?」

「そうですね。もちろん国境の警備に抜かりはないと思います。……ただ王宮の護衛隊は少し意味合いが違うんです」

 意味合いが違う。探偵さんの含んだ物言いには、どのような意味が込められているのでしょうか。

「……このライネルス王国は、もう5千年以上、繁栄を続けてきた国です」

「5千年も! ですか? 大変、歴史のある国で御座いますね」

「ええ。ですが、その5千年の歴史の上に、初めての事が起こったんです。……9年前の事です。この国の国王と妃の座に転移者が就いたんです」

「え? 私達のような転移者がですか?」

「そうです。前国王と妃は共に病に倒れ、死期を悟り、異世界から現国王と妃を召喚したんです」

 いかに大変な事かは、探偵さんの口ぶりから、理解できます。幾ら、前国王が召喚したとは言え、現国王と妃を面白くないと思う者は、大勢いる事で御座いましょう。

「現国王と妃には、敵も多いと言う事で御座いますね」

「ええ」

 探偵さんの表情が、少し曇ったように見えました。

「探偵さんも、現国王と妃については異論があるので御座いましょうか?」

「………………」

 あら。私、何かおかしな質問をしてしまったのでしょうか? 探偵さんが深く考え込んでしまわれました。  

「……探偵さん?」

「ああ。すいません。……私は特に異論など持っていませんよ。私は光江さん達の世界に転生した身です。もうこのライネルス王国とも深い関わりも持っていませんし」

 探偵さんにとっても、この国は他所よその国と言う事で御座いますね。それにしても、他所の国を知ると言う事は、大変難しい事で御座います。どこの国も様々な事情を抱えて御座いますし。立場によって見方も変わる事でしょう。ですが私は、雷人のばぁばと言う立場で、全てを見ていきたいと存じます。

「……ふぁー、あ」

 じぃじの大欠伸おおあくびで御座います。自ら、こっちの世界の事を教えてくれと言っておきながら、退屈だったようで御座います。
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