うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

文字の大きさ
34 / 68
第五章 孫を追いかけ王都を目指す旅で御座います。

5-2 孫よりゴルフコンペで御座います。

しおりを挟む
「探偵さんよぅ。その国王と妃とやらに会って、直接話は聞けんのかのぅ?」

 酢豚に箸を伸ばしたまま、じぃじがまた、探偵さんを困らせるような事を言い出しました。一国の国王と妃に、こんな異世界から転移して来た、じぃじとばぁばが謁見できるとは、どう考えても無理な話で御座います。……探偵さんのお顔も、驚きを隠せない様子で御座います。

「……そうですね。国王と妃に、じかに話を聞ければ早いですが、そう簡単にはいかないでしょうね。ですが、王都に着けば何か他の情報を聞けるかもしれません。それに王都には知り合いも何人かいますし、協力はしてもらえます」

「そうじゃのぅ。王都に行けば、国王と妃に会う伝手つてが出来るかもしれんしのぅ」

 本当に今日のじぃじはどうしたのでしょう? とても前向きな姿勢を見せております。もちろん有り難い話ですが、何か裏があるのでしょうか。

「何だか今日のじぃじは前向きですね」

「そりゃ、そうじゃ。早く雷人を探して、元の世界に戻らないと、来月の町内会のゴルフコンペに間に合わなくなるんじゃ」

 まぁ、いやだ。雷人を出しに使って、ゴルフコンペの心配をしていたなんて。……早く雷人を探し出したい気持ちは同じですが、ゴルフコンペには、間に合わなくてよろしいです。もちろん口には出して、夫婦仲をこじらせるような真似は致しませんが。

「探偵さん。じぃじのゴルフコンペは気になさらなくて大丈夫です。それでここまでは順調に進んでおりますわよね?」

「ええ。予定通りです。それにパノスから、このタターニャまでは丸2日の道のりでしたが、この先は頻繁に町もあります。なので明日からは移動距離も稼げます。後4、5日で王都に着けるかと思います」

 後4、5日で王都に着ける。そう考えただけで、一歩も二歩も、雷人に近付けたような気になってまいります。

「……後4、5日か。それならゴルフコンペに間に合うのぅ」

 まぁ、本当にじぃじったら。王都に着けば、すぐにでも元の世界に戻れるとでも思っているのでしょうか。

「もし重要なゴルフコンペでしたら、康夫さんだけ先にお帰りになられても構いませんよ。……レオンもいますし、光江さんのお供はお任せいただいても」

 さすが探偵さんで御座います。もし孫より、ゴルフコンペを優先されるなら、じぃじには先に帰ってもらえばいいですもの。

「いや、それは困るんじゃのぅ。わしだけ帰っても、ばぁばがいないと、飯はどうすりゃいいんだ? 無理じゃ、無理じゃ。ばぁばと一緒でないと、帰れんのじゃ」

 んまっ。本当にじぃじったら、情け無い話ではありませんか。ですが、そんなじぃじにしてしまったのは、私の責任で御座います。1人では何も出来ないじぃじにしてしまったのは、私の責任ですから。

「孫より、ゴルフコンペ。それに私より食事の心配なんですね。じぃじは!」

「いや、そう言うつもりじゃ、ないんじゃがのぅ。……もし来月のゴルフコンペに間に合えばいいかのぅと、考えておっただけじゃ。間に合わんかったら、間に合わんで仕方ない話じゃ」

 当然で御座います。何はともあれ、優先すべきは雷人なんです。

「まぁ、どうにせよ、明日から王都への道を急ぎましょう」

「そうですね。さぁ、さぁ、探偵さん。しっかり召し上がってください。探偵さんがいないと私達は何も出来ないんです。しっかり食べて精を付けてください」

「ありがとうございます」

 ゴルフコンペに行きたいなら、勝手に行っていただきましょう。私には探偵さんがおります。それに明日になれば、レオンさんもいらっしゃいます。……せっかく美味しい中華を用意できたのに、何だかじぃじとの温度差を感じてしまいました。もちろんこんな事で壊れる夫婦仲では御座いませんが、先が思いやられます。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。

月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!  見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに 初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、 さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。 生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。 世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。 なのに世界が私を放っておいてくれない。 自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。 それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ! 己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。 ※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。 ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。  

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

最強の異世界やりすぎ旅行記

萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。 そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。 「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」 バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!? 最強が無双する異世界ファンタジー開幕!

「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~

あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。 彼は気づいたら異世界にいた。 その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。 科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。

子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~

九頭七尾
ファンタジー
 子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。  女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。 「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」 「その願い叶えて差し上げましょう!」 「えっ、いいの?」  転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。 「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」  思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

きっと幸せな異世界生活

スノウ
ファンタジー
   神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。  そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。  時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。  女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?  毎日12時頃に投稿します。   ─────────────────  いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。  とても励みになります。

処理中です...