うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第六章 孫を追いかけ王都に到着で御座います。

6-2 ルラちゃん、お父様と再会で御座います。

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「探偵さんよぅ。ばぁばは無事じゃろうか?」

 ふとじぃじの声がかすめ、振り返ったり、周りを見回してみましたが、もちろんじぃじの姿はありません。じぃじの は今、探偵さんと雷人の情報集めに回っているところです。それなのにじぃじの声が耳をかすめたと言う事は、これぞまさしく愛の力と言う事で御座います。

「……ばぁばさん。あの緑色の屋根の家が、私の……父さんの家です」

 私の、ではなく、父さんのと言い直したルラちゃんで御座います。もしかしたら不安を持っているのかもしれません。

「お父様がいらっしゃるといいですね」

「はい」

「もしいらっしゃらなくても、しばらくお待ち致しましょうね」

 ルラちゃんが、示した家の扉をノックしようとした時。

「……もしかして、あの人熊ミックスでは?」

 こちらへ向かって来る、人熊さんを、レオンさんが指しました。

「……あっ、父さん」

 レオンさんが指した先に目を向け、ルラちゃんも人熊さんに気付いたようです。……あの方がルラちゃんのお父様で御座いますか。随分と顔が赤く、足元もフラついていらっしゃる様子ですが、こんな時間からお酒を飲んでいらっしゃったのでしょうか?

「あのぅ、ルラちゃんのお父様でいらっしゃいますか?」

「ああ、そうだよ。ヒクッ。それがどうした?」

 あら? ルラちゃんの姿が目に入っていないのでしょうか? どう言う事でしょうか? と、振り返ると、盾になったレオンさんの後ろに、ルラちゃんが隠れているではありませんか?

「ルラちゃん。どうされましたか? 隠れていないで、出て来てくださいませ」

「えっ? ヒクッ。ルラなのか? 本当にルラなのか?」

 お父様は随分と驚いておいでです。ですがルラちゃんも何故か驚いている様子です。

「……父さん、お酒はお医者さんに、止められていたんじゃないの?」

「医者? ヒクッ。あんな奴らの言う事なんか、聞いていられないよ。嫁と娘に逃げられたんだ。酒でも飲まないと、やってられるかよ!」

 お酒のせいで御座いましょうか。何だかお父様の態度は不安定です。もちろんお気持ちは察しますが、娘がこうして訪ねて来たんです。……戻って来たんですから、もう少し娘のルラちゃんへの接し方を考えるべきではないでしょうか。

「あのぅ、こうしてルラちゃんが戻って来たんです。父親としての接し方があると思うのですが」

「ん? お前は誰だ?」

「これは申し遅れました。私、荒井光江と申します。ご縁が御座いまして、ペリーヌの町から、ここまでルラちゃんと一緒に旅して参りました」

「ヒクッ。荒井光江だって。どんな縁か知らないけどな。俺は嫁とそいつに逃げられて散々だったんだ。こんなに落ちぶれて、どんな顔で娘に会えばいい? 現に隠れているじゃないか!」

 ルラちゃんは、まだレオンさんの後ろに隠れたままで御座います。一度深まった親子の溝を埋めるのは、どうすれば良いのでしょう?

「……ルラちゃん。お父様に会いたかったのでしょ? 隠れていないで、お父様に顔をお見せなさい」

「でも……」

「お母様と団長さんの所へ行くのは、お嫌なんですよね? もちろんサーカス団に戻るのも」

「……ヒクッ。サーカス団って何だ?」

「あの、私、サーカス団に金貨10枚で売られていたの。ばぁばさんがサーカス団から私を救い出してくろたの」

 ようやくルラちゃんが、レオンさんの後ろから出てまいりました。

「……ルラ! サーカス団で見せ物になっていたのか?」

 お父様にもようやく正気が戻って来たようです。

「……ルラちゃんは、お父様に会いたいと言っておいででした。なのでこうして、お連れしたのです」

 あともうひと押し何かがあれば良いのですが、まだルラちゃんと、お父様の間には距離が御座います。

「……少し酒が抜けたようですね」

 レオンさんでした。ずっと黙っていらっしゃった、レオンさんが一歩前に出て、お父様に対峙されています。

「あんたの娘はサーカス団で、ろくに飯も与えられず、痩せ細っていたんだ。芸が出来ないから人犬ミックスに腹を蹴られてもいたな。そんな娘がやっと逃げ出し、あんたに会いに来たんだぜ。何故抱きしめてやれないんだ!」

 レオンさんの男気です。私、じぃじがいる身で御座いますが、惚れてしまいそうで御座います。……そんなレオンさんの男気にお父様も、ほだされたようで御座います。一歩、二歩とルラちゃんに歩み寄っておいでです。

「……ルラ!」

「父さん!」

 胸に飛び込んだルラちゃんを、お父様はしっかり抱き止めておいでです。……それにすっかりお酒は抜けたのでしょうか? 今はそれ程、顔も赤く御座いません。
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