うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第六章 孫を追いかけ王都に到着で御座います。

6-1 王都に到着で御座います。

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「探偵さんよぅ。ここが王都なんじゃな。やっと着いたんじゃな」

 感涙で御座いましょうか。じぃじが今にも泣き出しそうな程、顔を崩して、目の前の高い壁を見上げております。
 じぃじ、探偵さん、レオンさん、そしてルラちゃんと並んで、見上げる壁はさすが王都で御座います。高さもさる事ながら、立派な装飾が施されております。

「……探偵さん。これは今日の朝、ルラちゃんにも手伝ってもらって焼いたビスコッティです。よろしかったら、門番さんにお渡しください」

「光江さん。いつもありがとうございます」

「いえいえ。私に出来る事はこれくらいですので」

 隣りでルラちゃんは、何だか照れ臭そうです。きっと御礼を言いながら、探偵さんがルラちゃんにも、ニコッと微笑んだからで御座いましょう。私にとっても有り難い話です。私共には1人息子しかおりませんし、孫も雷人の1人です。まさか女の子と一緒に焼き菓子を作れる日が来るなんて思ってもいませんでした。

 あら。探偵さんが手招きをしておいでです。門番さんとのお話は、あっさり着いたようで御座いますね。

「探偵さんよぅ。まだ日が沈むまで時間があるから、これから情報集めをするんじゃろ?」

「はい、そのつもりですが」

「それなら今日は探偵さんと一緒に情報集めをするぞ」

 あら、まあ。今日のじぃじも何だか張り切っておいでです。

「光江さんは、どうされますか?」

「私はルラちゃんのお父様の所へ、参りたいと思っております」

「そうですか。それではレオンを一緒に行かせましょう」

 まさかここに来てすぐに、じぃじと別行動になるとは思っておりませんでしたが、レオンさんがご一緒なら安心で御座います。

「……それと、光江さん。例の石をお借りしていっていいですか?」

 例の石? はて? ああ、そうでした。雷人が夢枕に残していった石で御座いますね。

「ああ、はい。どうそ、こちらを」

 ハンカチ包みごと、探偵さんに手渡した石は、前に見た時より光が強くなっているように見えます。

「……雷人君に近付いているかもしれませんね」

「そうじゃ、そうじゃ。雷人はきっとこの町にいるんじゃ」

 じぃじは浮かれておりますが、探偵さんの言葉には、私も力をもらえます。……本当にこの王都に来て良かった。

「……それでは、いったんこちらで。レオン、頼んだぞ」

「はい」

 何だか、少しだけですがワクワクで御座います。長年連れ添ったじぃじと、しばしの間、お別れです。じぃじには内緒ですが、羽根を伸ばしている気分で御座います。

「……それで、ルラちゃん。お父様の居場所はご存知なんですね?」

「あ、はい。私が生まれ育った家にまだ居ると思います」

「では、案内してくださいませ」

 歩きながらになりますが、ルラちゃんはお父様との思い出を色々話してくださいました。
 ルラちゃんのお父様は、この王都で鍛治職人をしているそうです。今よりもっと幼い頃は、お父様と一緒に暮らしていたそうですが、ある日、サーカス団の団長と恋仲になった母親に連れられ家を出たそうです。
 最初の頃は、母親と団長と一緒に、王都で暮らしていたそうですが、巡業に出るサーカス団にルラちゃんは、金貨10枚で売られ、副団長の支配の下に置かれたそうです。
 新しく父親になった団長は、巡業には出ず今も母親と一緒に暮らしているそうです。

「……ばぁばさん。少し遠回りしていいですか?」

「はい、構いませんが、どうか致しましたか?」

「あのぅ。この道沿いに、団長さんの家があるんです。団長さんにも母さんにも会いたくないから……」

「そうですね。ルラちゃんが好きな道を通って、お父様の家に向かってください」

「はい」
 
 噴水のある小さな広場に出た所から、ルラちゃんは真っ直ぐではなく、細い路地へと入って行きました。迷路のように巡らされた細い路地を、右へ左へ曲がりながら進んでおります。きっと私一人なら、自分が今居る場所も分からなくなっているでしょう。
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