52 / 68
第七章 孫を追いかけ情報集めで御座います。
7-4 悪しき者は宰相さんのようで御座います。
しおりを挟む
「探偵さんよぅ。探偵さん達はその宰相とやらの事を良くは思ってないようじゃが、それなら国王になった聖人の事も良くは思っておらんじゃろ? と、言う事は国王の親である、わしやばぁばの事も良くは思っておらんのか?」
自信家のじぃじが不安そうな目を、探偵さんに向けておいでです。
「……まさか。康夫さんや光江さんに、そのような感情は持っておりません」
「それなら、いいんじゃが」
「私は康夫さん達の世界と、この世界を行ったり来たりする、今の生活に満足しているんです。……兄には申し訳ないですが、この国の政にはあまり興味がなくて、異世界専門の探偵社をこのまま続けていきたいんです」
探偵さんのお陰でここまで来れました。もし探偵さんが宰相として召喚されていたら、こうしてお会い出来てはいなかったはずで御座います。
「探偵さん。本当にありがとう御座います。探偵さんがいらっしゃらなかったら、私達は雷人を探す術を持っておりませんでした。本当に感謝をしております」
「光江さん。どうか頭をお上げください。私の方こそ、感謝しなければなりません。もし私と兄が定例通り召喚されていれば、雷人君の召喚とはならなかったかもしれない。……それなのにいつも優しく接していただき、本当に感謝しているんです」
探偵さんは本当にお優しい方です。
「……お話の途中で申し訳ないのですが」
ローグさんで御座います。改まって何で御座いましょうか?
「私もヨーフと同じで、正直、政にはさほど興味がないんです。この国の民が幸せに暮らしてくれていれば、この国が未来永劫、平和で豊かな国であってくれれば、私が口を出す事はないんです」
「……と、おっしゃいますと、今はそうではないと?」
「ええ。宰相のアンダンが数年前に増税を強行したんです。ですが国の財力は徐々に衰えつつあります。噂ではアンダンが私財を蓄えていると」
「……何じゃ? そのアンダンって奴が、私利私欲に塗れた奴なんじゃな。そんな奴はわしが懲らしめてやる!」
じぃじが鼻息を荒くしました。ですが先程からの話によれば、聖人を召喚したのは、このアンダンさんとやらで、間違いなさそうです。私達の息子が悪しき者と繋がっているなど、考えたくはありませんが、アンダンさんを懲らしめると言う事は、聖人を懲らしめると言う事にならないでしょう? 不安で御座います。
「ローグさん。何とかして聖人に……現国王に会う事は出来ないでしょうか?」
「そうですね。私が現国王に謁見は出来ませんが、ヨーフなら謁見も可能でしょう」
「探偵さんなら大丈夫と言う事ですか?」
「ええ。言葉は悪いですが、現国王は私になりすましているんです。同じ顔の私が会う事は出来ませんが、ヨーフは弟ですから。……ヨーフと一緒なら可能でしょう」
あら? 確かにローグさんのおっしゃる通りで御座いますね。聖人がローグさんの名を語っているのなら、弟の謁見は断れませんもの。
「兄さん。でも私には王室に伝手はないですよ」
「そこは私が何とかしよう」
探偵さんとローグさんの間で、話はまとまったようで御座います。
「わしらも聖人に会えるって事じゃの!」
じぃじがえらく喜んでおいでです。もし本当に9年前に亡くなった聖人が、召喚されて国王になっているなら。その聖人に会えるのなら、こんなに嬉しい事は御座いません。死んだ息子に会えるんですから。……ですが、不安も御座います。聖人は私達が知る息子のままで居てくれているでしょうか。
「ええ。ヨーフと一緒に、お二人にも現国王にお会いしてもらいます。ですが覚悟をしておいてください。お二人が知る息子さんとは違っている可能性もあります」
私が抱えた不安を、ローグさんが口になさいました。……そうで御座いますね。私はただ変わっていない事を祈るばかりですが、もしもの時に備え、覚悟は必要で御座います。
自信家のじぃじが不安そうな目を、探偵さんに向けておいでです。
「……まさか。康夫さんや光江さんに、そのような感情は持っておりません」
「それなら、いいんじゃが」
「私は康夫さん達の世界と、この世界を行ったり来たりする、今の生活に満足しているんです。……兄には申し訳ないですが、この国の政にはあまり興味がなくて、異世界専門の探偵社をこのまま続けていきたいんです」
探偵さんのお陰でここまで来れました。もし探偵さんが宰相として召喚されていたら、こうしてお会い出来てはいなかったはずで御座います。
「探偵さん。本当にありがとう御座います。探偵さんがいらっしゃらなかったら、私達は雷人を探す術を持っておりませんでした。本当に感謝をしております」
「光江さん。どうか頭をお上げください。私の方こそ、感謝しなければなりません。もし私と兄が定例通り召喚されていれば、雷人君の召喚とはならなかったかもしれない。……それなのにいつも優しく接していただき、本当に感謝しているんです」
探偵さんは本当にお優しい方です。
「……お話の途中で申し訳ないのですが」
ローグさんで御座います。改まって何で御座いましょうか?
「私もヨーフと同じで、正直、政にはさほど興味がないんです。この国の民が幸せに暮らしてくれていれば、この国が未来永劫、平和で豊かな国であってくれれば、私が口を出す事はないんです」
「……と、おっしゃいますと、今はそうではないと?」
「ええ。宰相のアンダンが数年前に増税を強行したんです。ですが国の財力は徐々に衰えつつあります。噂ではアンダンが私財を蓄えていると」
「……何じゃ? そのアンダンって奴が、私利私欲に塗れた奴なんじゃな。そんな奴はわしが懲らしめてやる!」
じぃじが鼻息を荒くしました。ですが先程からの話によれば、聖人を召喚したのは、このアンダンさんとやらで、間違いなさそうです。私達の息子が悪しき者と繋がっているなど、考えたくはありませんが、アンダンさんを懲らしめると言う事は、聖人を懲らしめると言う事にならないでしょう? 不安で御座います。
「ローグさん。何とかして聖人に……現国王に会う事は出来ないでしょうか?」
「そうですね。私が現国王に謁見は出来ませんが、ヨーフなら謁見も可能でしょう」
「探偵さんなら大丈夫と言う事ですか?」
「ええ。言葉は悪いですが、現国王は私になりすましているんです。同じ顔の私が会う事は出来ませんが、ヨーフは弟ですから。……ヨーフと一緒なら可能でしょう」
あら? 確かにローグさんのおっしゃる通りで御座いますね。聖人がローグさんの名を語っているのなら、弟の謁見は断れませんもの。
「兄さん。でも私には王室に伝手はないですよ」
「そこは私が何とかしよう」
探偵さんとローグさんの間で、話はまとまったようで御座います。
「わしらも聖人に会えるって事じゃの!」
じぃじがえらく喜んでおいでです。もし本当に9年前に亡くなった聖人が、召喚されて国王になっているなら。その聖人に会えるのなら、こんなに嬉しい事は御座いません。死んだ息子に会えるんですから。……ですが、不安も御座います。聖人は私達が知る息子のままで居てくれているでしょうか。
「ええ。ヨーフと一緒に、お二人にも現国王にお会いしてもらいます。ですが覚悟をしておいてください。お二人が知る息子さんとは違っている可能性もあります」
私が抱えた不安を、ローグさんが口になさいました。……そうで御座いますね。私はただ変わっていない事を祈るばかりですが、もしもの時に備え、覚悟は必要で御座います。
30
あなたにおすすめの小説
異世界へ誤召喚されちゃいました 女神の加護でほのぼのスローライフ送ります
モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎
飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。
保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。
そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。
召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。
強制的に放り込まれた異世界。
知らない土地、知らない人、知らない世界。
不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。
そんなほのぼのとした物語。
異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件
さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ!
食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。
侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。
「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」
気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。
いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。
料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
「キヅイセ。」 ~気づいたら異世界にいた。おまけに目の前にはATMがあった。異世界転移、通算一万人目の冒険者~
あめの みかな
ファンタジー
秋月レンジ。高校2年生。
彼は気づいたら異世界にいた。
その世界は、彼が元いた世界とのゲート開通から100周年を迎え、彼は通算一万人目の冒険者だった。
科学ではなく魔法が発達した、もうひとつの地球を舞台に、秋月レンジとふたりの巫女ステラ・リヴァイアサンとピノア・カーバンクルの冒険が今始まる。
子育てスキルで異世界生活 ~かわいい子供たち(人外含む)と楽しく暮らしてます~
九頭七尾
ファンタジー
子供を庇って死んだアラサー女子の私、新川沙織。
女神様が異世界に転生させてくれるというので、ダメもとで願ってみた。
「働かないで毎日毎日ただただ可愛い子供と遊んでのんびり暮らしたい」
「その願い叶えて差し上げましょう!」
「えっ、いいの?」
転生特典として与えられたのは〈子育て〉スキル。それは子供がどんどん集まってきて、どんどん私に懐き、どんどん成長していくというもので――。
「いやいやさすがに育ち過ぎでしょ!?」
思ってたよりちょっと性能がぶっ壊れてるけど、お陰で楽しく暮らしてます。
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
きっと幸せな異世界生活
スノウ
ファンタジー
神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。
そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。
時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。
女神の導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?
毎日12時頃に投稿します。
─────────────────
いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる