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最終章 孫を追いかけ最後の追い込みで御座います。
8-3 国王在位10周年5の日で御座います。
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「探偵さんよぅ。式典とやらにはわしらも参加できるのか?」
今日は国王在位10周年の式典の日で御座います。王宮前広場で式典が行われるそうですが、式典となると国を挙げての一大行事で御座います。私達が参加できるはずはないのです。それなのにじぃじはまた探偵さんに無理を言っておいでです。
「じぃじ。無理をおっしゃって、探偵さんを困らせてはいけませんよ」
「でもなぁ、ばぁば。国王は聖人なんじゃろ? わしは聖人の父親なんじゃ。式典に参加するのは当然じゃろ?」
じぃじの言いたい事は分かりますが、どう説明すれば納得いただけるのでしょう?
「……康夫さん。すみません。この世界では康夫さんと国王の親子関係を証明できないんです。この国では現国王の親は前国王と言う事になっていますから」
「分からんけど、分かったわい。元の世界では親子でも、この世界では違うって事じゃの」
じぃじが不貞腐れてしまいました。私だって息子の晴れ舞台をこの目で見たいとは思います。ですがそれは叶わないのです。
「……とりあえず式典が行われる、王宮前広場に行ってみませんか?」
「何でじゃ? 式典に参加できんのに」
「参加は出来なくても、様子を見る事は出来るかもしれません。もしかしたら少しでも聖人の顔を見れるかもしれませんよ」
「申し訳ないです」
私の提案に、探偵さんが間を空けず、謝ってこられました。
「何を謝られる事が御座いますか?」
「今日は式典の日なので、王宮前広場は入場制限されていて、チケットがないと入場できないんです。何とか入手できないかと試したんですが、倍率が高くて」
んまっ。そんな経緯があったなんて存じませんでした。
「私の方こそ、チケットが必要だなんて知らなくて、軽々しい事を言って申し訳御座いませんでした」
聖人達に会うのは、謁見の日を待つしか御座いません。
「……いや。これから行くぞ! 王宮前広場に」
突然じぃじが立ち上がりました。
「じぃじ。チケットがないと入場できないって話。聞いていらっしゃいましたか?」
「何を呑気な事を言っておる! そのチケットにはプレミアが付いてるって事じゃ! と、言う事はダフ屋が出ているに違いないのじゃ!」
ダフ屋で御座いますか。確かにじぃじは、演劇でもコンサートでも事前にチケットを買った事は御座いませんでした。その日に会場へ向かい、入口近くのダフ屋に声を掛けて、チケットを入手しておいででした。
「さあ、出陣じゃ!」
じぃじの声と共に、王宮前広場に向かいましたが、昨日までより更に人の出が増えておりました。
「さすがに凄い人の出で御座いますね」
「何を言っておる! 冬美ちゃんのコンサートの方がもっと賑わっておったわい!」
冬美ちゃんと言うのは、あの演歌歌手の冬美さんの事で御座います。昔からじぃじが女神様だと呼ぶのが、冬美さんで御座います。若い頃は私も随分ヤキモチを焼いたもので御座います。……今はもう焼きませんが。
「……はい、はい。冬美さんには敵いませんね」
私が半ば呆れて、申した時で御座います。
「久しぶりにゃー!」
聞き覚えのある声が、耳に入ってまいりました。
「……パンじゃないか? 何をしておる?」
最初にパンさんに気づいたのは、レオンさんで御座います。レオンさんは常に私達より数歩先を護衛して歩いてくださっておりますので、真っ先にパンさんの姿が目に入ったので御座いましょう。
「パンさん。お久しぶりで御座います」
「何か食べる物、持ってないにゃー?」
「今日は慌てて出て来たので、何も持っていないんです。ごめんなさいね」
「それじゃ、用はないにゃ」
「パン。待て」
パンさんが背中を向けて行こうとした時。探偵さんが呼び止められました。
「この辺りで式典のチケットを販売してる奴知らないか?」
探偵さんがパンさんに、聞いておられます。
「チケット欲しいのか? 知ってるにゃー。今日の俺は転売ヤーって言う奴にゃー」
「チケット持ってるのか?」
「持ってるにゃー」
転売ヤーだなんて、よろしくないニュースでしか、聞いた事のない職業ですが、今日のパンさんはダフ屋さんと言う事で、間違いないので御座いますね。
「……分かった。パン。4枚買おう」
「はいにゃー。どうぞにゃー」
無事、式典のチケットを入手する事が出来ました。きっと神様が見ていてくださったのでしょう。……こうして私達は王宮前広場に入場は出来たのです。ですが……。
「ダメじゃの! こんな遠くからじゃ、聖人なんだかどうだか分からんのじゃ。米粒より小さいんじゃ、何も見えないのと一緒じゃ」
遠くに国王と妃が並んでいるようですが、その顔どころか、姿すら確認できないので御座います。それに人、人、人。全身揉みくちゃで御座います。
「わしゃ、帰る」
入場して、5分ともちませんでした。ですが今はじぃじに賛成で御座います。私も早くこの会場を後にしとう御座います。
今日は国王在位10周年の式典の日で御座います。王宮前広場で式典が行われるそうですが、式典となると国を挙げての一大行事で御座います。私達が参加できるはずはないのです。それなのにじぃじはまた探偵さんに無理を言っておいでです。
「じぃじ。無理をおっしゃって、探偵さんを困らせてはいけませんよ」
「でもなぁ、ばぁば。国王は聖人なんじゃろ? わしは聖人の父親なんじゃ。式典に参加するのは当然じゃろ?」
じぃじの言いたい事は分かりますが、どう説明すれば納得いただけるのでしょう?
「……康夫さん。すみません。この世界では康夫さんと国王の親子関係を証明できないんです。この国では現国王の親は前国王と言う事になっていますから」
「分からんけど、分かったわい。元の世界では親子でも、この世界では違うって事じゃの」
じぃじが不貞腐れてしまいました。私だって息子の晴れ舞台をこの目で見たいとは思います。ですがそれは叶わないのです。
「……とりあえず式典が行われる、王宮前広場に行ってみませんか?」
「何でじゃ? 式典に参加できんのに」
「参加は出来なくても、様子を見る事は出来るかもしれません。もしかしたら少しでも聖人の顔を見れるかもしれませんよ」
「申し訳ないです」
私の提案に、探偵さんが間を空けず、謝ってこられました。
「何を謝られる事が御座いますか?」
「今日は式典の日なので、王宮前広場は入場制限されていて、チケットがないと入場できないんです。何とか入手できないかと試したんですが、倍率が高くて」
んまっ。そんな経緯があったなんて存じませんでした。
「私の方こそ、チケットが必要だなんて知らなくて、軽々しい事を言って申し訳御座いませんでした」
聖人達に会うのは、謁見の日を待つしか御座いません。
「……いや。これから行くぞ! 王宮前広場に」
突然じぃじが立ち上がりました。
「じぃじ。チケットがないと入場できないって話。聞いていらっしゃいましたか?」
「何を呑気な事を言っておる! そのチケットにはプレミアが付いてるって事じゃ! と、言う事はダフ屋が出ているに違いないのじゃ!」
ダフ屋で御座いますか。確かにじぃじは、演劇でもコンサートでも事前にチケットを買った事は御座いませんでした。その日に会場へ向かい、入口近くのダフ屋に声を掛けて、チケットを入手しておいででした。
「さあ、出陣じゃ!」
じぃじの声と共に、王宮前広場に向かいましたが、昨日までより更に人の出が増えておりました。
「さすがに凄い人の出で御座いますね」
「何を言っておる! 冬美ちゃんのコンサートの方がもっと賑わっておったわい!」
冬美ちゃんと言うのは、あの演歌歌手の冬美さんの事で御座います。昔からじぃじが女神様だと呼ぶのが、冬美さんで御座います。若い頃は私も随分ヤキモチを焼いたもので御座います。……今はもう焼きませんが。
「……はい、はい。冬美さんには敵いませんね」
私が半ば呆れて、申した時で御座います。
「久しぶりにゃー!」
聞き覚えのある声が、耳に入ってまいりました。
「……パンじゃないか? 何をしておる?」
最初にパンさんに気づいたのは、レオンさんで御座います。レオンさんは常に私達より数歩先を護衛して歩いてくださっておりますので、真っ先にパンさんの姿が目に入ったので御座いましょう。
「パンさん。お久しぶりで御座います」
「何か食べる物、持ってないにゃー?」
「今日は慌てて出て来たので、何も持っていないんです。ごめんなさいね」
「それじゃ、用はないにゃ」
「パン。待て」
パンさんが背中を向けて行こうとした時。探偵さんが呼び止められました。
「この辺りで式典のチケットを販売してる奴知らないか?」
探偵さんがパンさんに、聞いておられます。
「チケット欲しいのか? 知ってるにゃー。今日の俺は転売ヤーって言う奴にゃー」
「チケット持ってるのか?」
「持ってるにゃー」
転売ヤーだなんて、よろしくないニュースでしか、聞いた事のない職業ですが、今日のパンさんはダフ屋さんと言う事で、間違いないので御座いますね。
「……分かった。パン。4枚買おう」
「はいにゃー。どうぞにゃー」
無事、式典のチケットを入手する事が出来ました。きっと神様が見ていてくださったのでしょう。……こうして私達は王宮前広場に入場は出来たのです。ですが……。
「ダメじゃの! こんな遠くからじゃ、聖人なんだかどうだか分からんのじゃ。米粒より小さいんじゃ、何も見えないのと一緒じゃ」
遠くに国王と妃が並んでいるようですが、その顔どころか、姿すら確認できないので御座います。それに人、人、人。全身揉みくちゃで御座います。
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