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第一章 孫を追いかけ旅の始まりで御座います。
1-6 探偵さん534歳は転生人で御座います。
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「探偵さんよぅ。そのパノスとやらの町まで、後どれくらいじゃ?」
疲れている様子はないのですが、ただ歩き続ける事に飽きたのでしょうか。じぃじは少し退屈そうで御座います。キラキラと光る草原でのお散歩を私は楽しんでいるのですが、確かにまだ町らしき町の姿は見えておりません。
「このペースなら、日の入りまでには着けると思います」
「日の入りかい……」
じぃじの肩が落ちたのが分かります。45年連れ添ってきたのです。じぃじの肩を落とさせない事も、私の努めで御座います。
「ここいら辺で昼食にしませんか? お腹が満たされれば、じぃじも元気になりますわ」
「おお、それがいい!」
じぃじったら、本当に分かり易い人です。声に張りが出てまいりました。
「それでは康夫さん。アイテムボックスからピクニック用テーブル&チェアセットを召喚してください」
さて? それはどんな代物で御座いましょうか? 私がふと首を傾げると、じぃじが声を張り上げました。
「ピクニック用テーブル&チェアセット、召喚」
じぃじの声に表れたのは、テーブルとイス、それに日除けのパラソルでした。びっくりして、目を丸くしていると。
「屋外での食事も頻繁に起こる事を事前に伝えていたので、康夫さんが購入されていたんです」
と、探偵さんが教えてくださいました。
「さあ、後はばぁばの飯だけじゃ」
「はいはい。では、"朝仕込んだランチボックス、召喚"で御座います」
テーブルの上にポンッと見覚えのあるタッパーと魔法瓶が表れました。
「はい、召し上がれ。朝から太巻きを巻きました。こちらのタッパーはサラダ巻き。昨日の残りですが、これは肉じゃが。赤出汁もあります」
魔法瓶から赤出汁を注ぎ、じぃじと探偵さんに差し出します。
「太巻きとは、さすがばぁばじゃのぅ。わしの食べたい物が分かっておる」
青空の下、草原での昼食は格別で御座います。もしここに雷人が居れば……。ですがそれはまだまだ叶わない事は知っております。まだ旅は始まったばかり。簡単な旅ではない事も、事前に聞かされております。
「ところで探偵さん。歳は幾つじゃ? 亡くなってしまったが、わしらの息子と同じくらいかのぅ? 何かのぅ、探偵さん見てると息子を思い出してのぅ」
探偵さんの齢。それは私も気になっておりましたが、突然のじぃじのしみじみに、釣られて私もしみじみしてまいりました。
「私の歳ですか? 人間界では34歳です」
「おお、やっぱりじゃのぅ。34歳か。息子夫婦が事故で亡くなった時、息子も34歳じゃった。まだ5歳の雷人を残して、夫婦揃って死んでしまうなんて。神様も酷じゃのう」
「息子達は天国で幸せに暮らしております!」
思わず語気が強くなって申し訳御座いません。ですがじぃじと、そう考えるようにしようと決めたのです。息子達が亡くなった後、私達には雷人を育て上げる義務があると。
息子夫婦より今は雷人です。私達が一番に心配しなければならないのは、孫の雷人です。あら? あれ程しみじみとしていたじぃじですが、立ち直りはすこぶる早いようで御座います。
「はて? 探偵さんよぅ。さっき人間界では34歳と言ったじゃのぅ」
「はい。申し上げました」
「人間界ではとは、どう言う意味じゃ」
息子達を思い出し、気にも留めておりませんでしたが、確かに人間界とは、どう言う意味でしょう? じぃじが気に留めるのは無理もありません。
「私の本来の歳は534歳です」
「534歳!」
じぃじの声にびっくりで御座いますが、534歳だなんて、これまた、びっくりおったまげで御座います。534歳ともなれば、私より、じぃじより年上ではありませんか。粗相がなかったか、今更ながら心配で御座います。
「私は元々、こっちの世界の生まれなんです」
「こっちとは?」
「まぁ、異世界ですね。人間界の言うところの。私は501歳の誕生日を迎える前に亡くなったんです。その後、人間界に転生しました」
じぃじの頭はこんがらがっているようです。
「あのぅ。……探偵さんは元々こちらの世界でお生まれになって、亡くなった後、私どもの世界で再度お生まれになった。と……」
「ええ。光江さんのおっしゃる通りです。34年前、人間界で生まれた時、私はこっちの世界の500年間の記憶を持っていました」
「あら、すごい」
じぃじはまだ全てを解せないようですが、私はある程度理解致しました。探偵さんがこちらの世界を良くお知りな事も納得で御座います。
疲れている様子はないのですが、ただ歩き続ける事に飽きたのでしょうか。じぃじは少し退屈そうで御座います。キラキラと光る草原でのお散歩を私は楽しんでいるのですが、確かにまだ町らしき町の姿は見えておりません。
「このペースなら、日の入りまでには着けると思います」
「日の入りかい……」
じぃじの肩が落ちたのが分かります。45年連れ添ってきたのです。じぃじの肩を落とさせない事も、私の努めで御座います。
「ここいら辺で昼食にしませんか? お腹が満たされれば、じぃじも元気になりますわ」
「おお、それがいい!」
じぃじったら、本当に分かり易い人です。声に張りが出てまいりました。
「それでは康夫さん。アイテムボックスからピクニック用テーブル&チェアセットを召喚してください」
さて? それはどんな代物で御座いましょうか? 私がふと首を傾げると、じぃじが声を張り上げました。
「ピクニック用テーブル&チェアセット、召喚」
じぃじの声に表れたのは、テーブルとイス、それに日除けのパラソルでした。びっくりして、目を丸くしていると。
「屋外での食事も頻繁に起こる事を事前に伝えていたので、康夫さんが購入されていたんです」
と、探偵さんが教えてくださいました。
「さあ、後はばぁばの飯だけじゃ」
「はいはい。では、"朝仕込んだランチボックス、召喚"で御座います」
テーブルの上にポンッと見覚えのあるタッパーと魔法瓶が表れました。
「はい、召し上がれ。朝から太巻きを巻きました。こちらのタッパーはサラダ巻き。昨日の残りですが、これは肉じゃが。赤出汁もあります」
魔法瓶から赤出汁を注ぎ、じぃじと探偵さんに差し出します。
「太巻きとは、さすがばぁばじゃのぅ。わしの食べたい物が分かっておる」
青空の下、草原での昼食は格別で御座います。もしここに雷人が居れば……。ですがそれはまだまだ叶わない事は知っております。まだ旅は始まったばかり。簡単な旅ではない事も、事前に聞かされております。
「ところで探偵さん。歳は幾つじゃ? 亡くなってしまったが、わしらの息子と同じくらいかのぅ? 何かのぅ、探偵さん見てると息子を思い出してのぅ」
探偵さんの齢。それは私も気になっておりましたが、突然のじぃじのしみじみに、釣られて私もしみじみしてまいりました。
「私の歳ですか? 人間界では34歳です」
「おお、やっぱりじゃのぅ。34歳か。息子夫婦が事故で亡くなった時、息子も34歳じゃった。まだ5歳の雷人を残して、夫婦揃って死んでしまうなんて。神様も酷じゃのう」
「息子達は天国で幸せに暮らしております!」
思わず語気が強くなって申し訳御座いません。ですがじぃじと、そう考えるようにしようと決めたのです。息子達が亡くなった後、私達には雷人を育て上げる義務があると。
息子夫婦より今は雷人です。私達が一番に心配しなければならないのは、孫の雷人です。あら? あれ程しみじみとしていたじぃじですが、立ち直りはすこぶる早いようで御座います。
「はて? 探偵さんよぅ。さっき人間界では34歳と言ったじゃのぅ」
「はい。申し上げました」
「人間界ではとは、どう言う意味じゃ」
息子達を思い出し、気にも留めておりませんでしたが、確かに人間界とは、どう言う意味でしょう? じぃじが気に留めるのは無理もありません。
「私の本来の歳は534歳です」
「534歳!」
じぃじの声にびっくりで御座いますが、534歳だなんて、これまた、びっくりおったまげで御座います。534歳ともなれば、私より、じぃじより年上ではありませんか。粗相がなかったか、今更ながら心配で御座います。
「私は元々、こっちの世界の生まれなんです」
「こっちとは?」
「まぁ、異世界ですね。人間界の言うところの。私は501歳の誕生日を迎える前に亡くなったんです。その後、人間界に転生しました」
じぃじの頭はこんがらがっているようです。
「あのぅ。……探偵さんは元々こちらの世界でお生まれになって、亡くなった後、私どもの世界で再度お生まれになった。と……」
「ええ。光江さんのおっしゃる通りです。34年前、人間界で生まれた時、私はこっちの世界の500年間の記憶を持っていました」
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