ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

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追憶

脱出

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当初の目的である調査兵を探すべく森の中を調査していく

2人は祠から出て森の中を散策し続けると樹木の根本でぎんたが何かに少しつまいた

「にゃっ!?」

「ぎ、ぎんたさん!?」

ぎんたが躓いた足元を見てみるとアーサット王国の国章を付けたフルフェイスの甲冑が横わたっていた

「痛たた・・・にゃっ!?何にゃ!?」

「ぎんたさん・・・根本に・・・居ましたね」

「にゃ・・・これはもう」

ぎんたは念のため恐る恐るフルフェイスを外す

「にゃっ!やっぱりにゃ・・・」

「ひぃ、ぎ、ぎんたさん良く触れますね・・・」

「調査だから、し、仕方がないにゃ」

外した顔は白骨化され着込んだ甲冑も至る所が傷んでボロボロになっていた

「・・・それにしても凄いですね。彼は調査兵長クラスの方だと思います」

マジマジと服装を見渡すエメレッタ

「ハァ、って事は他の調査兵もこの辺りに居そうにゃね・・・」

小さなため息を吐き周囲を見渡すぎんた

「そうですよね・・・探しましょうか」

しゃがみ込んでいたエメレッタは立ち上がりぎんたと再び探しはじめた

調査を進める中で気づいたのが、この疑心の森は蛇が消えたから色鮮やかな花や異質な風景は消えて普通の森に戻りつつあるという事と背丈を越えるほどの草木も生えていて一風変わった風景が広がっていた

「ふぅ・・・遺品回収も大変にゃ」

草むらの中、樹木の根、花の裏など、ぎんたとエメレッタは5人ほど見つけていた

「フゥ、最初に聞いた人たちと人数合いましたし、これで終わりましたね?」

「はぁ、残念ながらみんな骨になってたけどにゃ・・・」

「・・・でも、これで報告に戻れますね?」

苦笑いをしながら答えるエメレッタ

「にゃ!そ、そうにゃね?さっさと戻ってお風呂に浸かりたいにゃ」

耳をピクピクと動かして賛同するぎんた

「では、調査兵の遺品(証拠)を確認してから行きましょう」

荷物確認も含め2人はアーサット国へ向かうべく準備をする

「よっと、ふぅ大掛かりな荷物になりましたね・・・」

エメレッタの背中にある中型リュックはパンパンに詰められていた

「さて、行くにゃ!」

ぎんたとエメレッタは改めて疑心の森を抜けてアーサット王国へ向かうべく歩み始めた

背丈ほどの草むらを抜け巨大な樹木が密集した森の中を進み出口に向かう

「あれ?疑心の森ここに来た時は生き物の気配がなかったのに・・・」

耳をピクピクと動かし周囲を探索するエメレッタ

「にゃ?確かに戻って来たみたいだにゃ」

ぎんたも同様に動かして確認する

確かに遠くから小さな生き物の音や鳴き声が聞こえる

「良かったですね!」

「そうにゃね。このまま生き物も消え去ってたら森として成立しなくにゃるから」

2人は安堵した表情を浮かべそのまま外へと進んでいく

しばらく、歩き続けると見覚えのある樹木の印がチラホラと見えはじめた

調査に向かう途中につけた印で順調に出口へ向かっている事が分かる

「そろそろ出口かにゃ?」

「あっそうですね!あそこに光が見えます!」

エメレッタが指を挿した方向をぎんたが見ると確かに巨木が途切れ光が漏れていた

早く帰りたい気持ちがだんだんぎんたの歩く速度を早くする

それに釣られたエメレッタも急かされる

「ちょ、ちょっとぎんたさん早いですよ!」

どこにそんな体力が残っていたのだ?と言わんばかりの表情をしつつもエメレッタ自身も気持ちが昂ぶってしまう

「やっと抜けたにゃ!」

「ハァ、ハァ・・・そうですね」

両手を広げて全身を使い喜びを表現するぎんたに対し息を切らしつも賛同するエメレッタ

「ハァハァ・・・それで私たちは歩いて帰るんですね?」

息を整えながらぎんたに尋ねた

「にゃ!?そういえば、そうにゃ!忘れるとこだったにゃ」

何かを思い出したぎんたは小さな鞄を手を突っ込んで何かを探し始めた

ガサゴソと鞄から取り出してあーでもにゃいこーでもにゃいといったい何をそんなに探しているのか?

そしてどこにそんな物が入っていたのか?などと聞きたくなるほどのものが次から次へと出てくる

その様子をしばらく森の出口で観ているとぎんたが突如「あったにゃー!」と声を上げる

「うわっ!なんですか!?」

ぎんたの手にした物を見て驚くエメレッタ

その手には無数の穴が空いた陶器のような物で見た事のないエメレッタにとっては奇妙に映ってしまう

「オカリナっていう奴にゃ」

得意げにエメレッタに説明をするぎんた

「おか・・・りな?」

名称を聞いても全く分からないエメレッタ

「ふふふっまぁそこで黙って観てるにゃ」

「?」

手のひらサイズほどのオカリナと言う物を両手で持つぎんた

大切そうに持つぎんたはオカリナの突起物に口を近づけ、瞼を閉じ・・・そっと息を吹きかけた

すると優しい音色が周囲に広がる

「おぉ~!いい音ですね!!」

目を少し細め凝視していたエメレッタはぎんたが奏でる美しくも優しい音色に驚きつつも穏やかな気持ちになった


耳を動かし器用に指を動かし様々な音色が奏でられていく







しばらくすると遠くから何かドドドッと優しい音色に反して騒々しい音が邪魔をする

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