ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

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剣と宗と森の民

遭遇

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「ふにゃぁ~、良い天気にゃあ!」

宿屋から出たぎんたはアーサット王国の通常門から出て清々しい伸びをしている

「ふぃ~本当、気持ちの良い朝ですね!」

エメレッタも釣られて伸びをする

「そうにゃね~物資これが無ければ、もっと良いのににゃぁ」

「ちょっぎんたさん!?」

「じょ、冗談にゃ!」

「目が本気でしたよ!?」

「そ、そんな事ないにゃ?」

明らか様な表情をするぎんた

「も、もう・・・ぎんたさん依頼があるから私たち路銀に困らないんですからね?」

ジト目でぎんたを見るエメレッタ

なんだかんだ言って仲良しな2人

そんな談笑混じりの道中を楽しんでいく

すると、目先遠くにガラガラと馬車が通る音が聴こえてくる

「ぎんたさん、そこ危ないので端に移動しましょう!」

「あっそうにゃね?ここ狭いから邪魔になるにゃね」

2人は馬車の邪魔にならないように道端に移動して通り過ぎるのをじっと待つ

ガラガラッパカラパカラッガシャンガシャン

一定のリズムを刻みながらこちらに向かってくる馬車とそれらを先導する見たことのないローブと武装をした者たちが歩いている

「にゃ??珍しいにゃね」

「な、なんだか怖いですね。」

2人の前を通り過ぎる形でだんだんと近づいてくる白ベースに金の装飾をした馬車

馬やローブ、甲冑までも白に金縁のある統一された装備をしている

「それにあんな仰々しい行進で来るにゃんてアーサット王国に何かあったのかにゃ?」

「そ、そうですねぇ・・・それにあの見慣れない紋章もありますし」

エメレッタが気にかけた紋章には雷模様と馬が中心にあり、その背景に大剣が描かれている

「う~ん。方向的にもアーサット王国だから気になるにゃね」

何かあったのか?と行進の様子をついつい2人は目で追ってしまう

すると何人か2人の前を過ぎたあたりで一際豪華なローブを羽織った1人の者が声を掛ける

「おい!そこの獣!!」

唐突に発せられた言葉にぎんたとエメレッタはキョトンとする

「おい!聞いているのか?獣風情が吾輩の言葉を無視するではない!」

突然の罵声に驚き目をパチクリとしてしまう2人

その言葉を機に行進は止まる

「・・・にゃ?」

「え?」

「ん?なんだやはり吾輩の言葉が理解出来ておるではないか?」

「副審官殿、恐らく獣ゆえ、知性が悪く反応に時間がかかるのではないでしょうか?」

副審官と呼ばれた者の背後から声を掛ける別の者は甲冑を装備している

「にゃ??」

「うむ、そういう物か?なら仕方あるまい・・・で獣よ吾輩の言葉、理解しておるのか?」

ローブで表情が見えないが明らか様な侮辱行為にぎんたたちは嫌気を指す

「・・・失礼にゃ」

「ん?何か言ったか?聞き取れかったが?」

「初対面で失礼だにゃって言ったにゃ!!」

全身の毛を逆立て苛立ちをアピールするぎんた

「なっ!?何を言っている獣が!この気品溢れる吾輩に向かって失礼だ!とは・・・なんとも生意気なだな!!」

「お、落ち着きなさいませ。副審官殿、獣ゆえ、やはり礼節作法すら分からないんですよ。プクククッ」

笑いを堪えつつ副審官に話かける兵

「そ、そうだな。吾輩とした事が獣程度に腹立てては雷神馬オーディン教の名折れよ」

「そうですともそうですとも、さて副審官殿、この獣はどうなさるつもりで?」

「え?」

話を聞いていたエメレッタは何を唐突に言ってるのか?と困惑した表情をする

「あぁ、もちろん他の奴と同様、吾輩たちの糧として栄誉ある勤めのため本部に送ってやろう!」

「ほぉ・・・さすが、副審官殿!とても素晴らしい教えだと存じます。」

「あぁ・・・ふふふ、そうだ・ろ?では後は頼んだぞ?吾輩は先に場所へ戻る」

「はい。お任せくださいませ。」

深々と頭を下げて副審官を見送る兵

その様子を最後まで大人しく聞いていたぎんたの苛立ちもピークを迎えそうだ

「にゃんにゃ!さっきから雷神馬オーディン教だとか訳の分からにゃいこと言って!」

「ふん!獣共に我ら神意ある雷神馬オーディン教を理解できるとは思っておらぬわ!」

「はぁ!?」

「し、信じられませんね!黙って聴いていたら初対面に対して獣だとか罵声の数々!ありえませんよ!?」

ぎんた、エメレッタと共に怒りをぶつける

「プクククッ戯言を!あぁそうか、そうか、獣程度が理解なんてできるわけないわな!」

余裕ある含み笑いをしつつ2人を馬鹿にする

「あ゛ぁにゃんにゃ!!」

「ほぉ、歯向かうのか?」

「訳が分からにゃいにゃ!」

兵は帯剣を抜き取り2人を仰ぐ

「相手も抜剣してきたので、こちらも相手になりますよ!?」

キランッと一瞬、兵の背後が光る

バシュッ、バシュッ

「えっ?ぎんたさ・・・ん」

ぎんたは足から崩れ落ち、エメレッタの意志も遠退いていく

「プクククッ私が同等に戦うとも?やはり、獣は愚か・・・愚かだ!プクククッ」

2人の意識が消えゆく中、雷神馬オーディン教と名乗る兵の不気味な声だけが聴こえていく

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