ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

文字の大きさ
41 / 66
生命との狭間

しおりを挟む
「目が覚めたかな。」「目が覚めたんだな。」

ヨキとニキが話しかける

「・・・え?」

起き上がり周囲を見渡し混濁するエメレッタ

「ここは・・・?あれ?ラクシスさん?」

「何言ってるにゃ?」

困惑するエメレッタにぎんたは心配する

「・・・ううん。大丈夫です。ふふふ、何もないです。」

スッキリした表情で満足そうに答える

「何か掴めたかな。」

「そんな感じだな。」

ニキとヨキがお互いを見て納得する

「さて、エレメッタの意識がない間にひと通り聞いたんだな。」

「不死鳥様から事もエルフの守り神の事も知ってるのかな。」

「「だから、ここの水が欲しいのも知っているのかな。」だな。」

2人声が重なる

世界を繋ぐ樹ユグドラシルは全ての魂が集まった残滓を元に成長続けている。その過程で湧き出た水はありとあらゆる全ての症状を治癒できると言われている特別な水なんだな。」

「だけど、その水を現世に持ち帰れる者はいないのかな。」

ヨキとニキが交互にエレメッタに話し続ける

「なぜならここに来る過程で皆、行き先は我々に審議され通常は現世に戻ることはないんだな。」

「・・・なるほど」

ウンウンと頷くエレメッタ

「そして、人間である以上・・・残念ながら帰る肉体がないから戻れないのかな。」

「えぇ!?」「にゃ!?」

エレメッタとぎんたは驚いた

2人は何かしらの手掛かりをニキとヨキの審議官なら掴めると思っていたのだから

「まぁ、まだ慌てることないのだな。方法はなくもないんだな。」

ニキの言葉が2人を落ち着かせる

「え!?あるんですか??」

「にゃ!?」

期待する2人

「落ち着くのかな。」

抑止するヨキ

「そうだな。まずは世界を繋ぐ樹ユグドラシルふもとまで案内するのだな。」と2人を先導するニキ

「え?あっはい。」「分かったにゃ。」

言われるがまま後をついていくエレメッタとぎんた

いつの間にか終着の門もなくニキの歩く先には世界を繋ぐ樹ユグドラシルが存在していた

「「!?」」

エレメッタは狐に摘まれたような感覚に陥る

「ふふふ、困惑するのも無理がないのかな。この世界は錯覚するようになっているのかな。」

ニキがエメレッタに話しかける

「え?で、でもさっきまで目の前に何もなかったはずです。」

頭の中がごちゃごちゃになるエメレッタ

「エメレッタは何を言ってるにゃ?」

エメレッタの行動を理解できないぎんた

「ふふふ、それもそのはず、この世界では精霊であるぎんた様とは見えている景色は違うはずなんだな。」

「えぇ!?」「ど、どういうことだにゃ!?」

ヨキの言葉に驚く2人

「人間である者と精霊である者と見え方も変わるのがこの世界なのかな。」

ニキがヨキの代わりに答える

「そうなんですか!?いや、それにしても、うわぁ・・・凄いですねぇ。先が見えません・・・」

世界を繋ぐ樹ユグドラシルを見上げながら呆気に取られるエメレッタ

「にゃ?エメレッタ上よりこっちにゃ。」

ぎんたの声で上向くエメレッタの視線を下に誘導する

「え?こんなところに水が湧いている・・・」

ぎんたが指差した先には幹から水が溢れ出る小さな池あった

「え?・・・これが水ですか?まるで何もないかのような透明度ですねぇ・・・」

そこに存在しているかも不確かなほどの透明度

光の屈折で出来た輝きと影で確かにそこにあるのは理解できる

「触って見るにゃ」と一言エメレッタに話しかけるぎんた

言われるがまましゃがんで水を手ですく

「感触はありましたが・・・大丈夫ですか?」

透明度が高すぎて戸惑うエメレッタ

「一度、飲んでみればいいにゃ」

「え?い、いいんですか?」

ぎんたの声に戸惑いつつ口にする

ゴクッ

「?」

首を傾げたエメレッタを「どうかしたかにゃ?」と心配するぎんた

「え?いえ・・・味がしないなと」

口に含んで飲み込んだはずなのに味がしない為、困惑する

「ふふふ、それもそのはずなんかな。」

「味がしなくていいんだな。」

ニキとヨキはそれが当然だと互いに頷く

「どういう事ですか???」

2人の反応に疑問をぶつけるエメレッタ

「「時期に分かるかな。」だな。」

ぐらっ

「え?意識が・・・」

バタンッ

「「人の魂のまま、世界を繋ぐ樹ユグドラシルの水を飲めばそうなるのは当たり前なんかな。」だな。」

ニキとヨキが同時に話すが、エメレッタに声は届くことはなかった

「さて、ぎんたも帰るにゃ。」

ニキとヨキに挨拶するぎんた

「「精霊様、良き時間を感謝します。それでは現世におかえり下さい。」」

2人は深々とぎんたに頭を下げ見送る

するとぎんたは消えていった




しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!

あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!? 資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。 そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。 どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。 「私、ガンバる!」 だったら私は帰してもらえない?ダメ? 聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。 スローライフまでは到達しなかったよ……。 緩いざまああり。 注意 いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

幽閉王女と指輪の精霊~嫁いだら幽閉された!餓死する前に脱出したい!~

二階堂吉乃
恋愛
 同盟国へ嫁いだヴァイオレット姫。夫である王太子は初夜に現れなかった。たった1人幽閉される姫。やがて貧しい食事すら届かなくなる。長い幽閉の末、死にかけた彼女を救ったのは、家宝の指輪だった。  1年後。同盟国を訪れたヴァイオレットの従兄が彼女を発見する。忘れられた牢獄には姫のミイラがあった。激怒した従兄は同盟を破棄してしまう。  一方、下町に代書業で身を立てる美少女がいた。ヴィーと名を偽ったヴァイオレットは指輪の精霊と助けあいながら暮らしていた。そこへ元夫?である王太子が視察に来る。彼は下町を案内してくれたヴィーに恋をしてしまう…。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...