ひとりの獣人と精霊

わんコロ餅

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生命との狭間

再会

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カウンターで受付を終えた二人がふと目をやると、横に伸びた奥に気づく

そこは一面白い壁で覆われていた奥行きのある食堂らしき空間があって
所々木々が植えられた鉢と小さな木彫りの人形が置かれている

一定のリズムでカラカラッと耳に届いた音の元へ目をやると少し大きな天井に付けられたシーリングファンがクルクルと回り穏やかな気持ちを誘う

「ぎんたさんこっちでご飯が食べれるみたいですよ!」

「にゃ?そうなのかにゃ?」

先に進んだエメレッタの後を追おうとぎんたが後ろをついて行くと視界に入る

ちょうど時間が昼食前のようで食堂に座る人の姿がちらほらと座っているのが見える

「ぎんたさん!荷物を置いたらご飯を食べましょう!」

「にゃ?勝手にいいのかにゃ?」

「どうぞ、いいですよ。」

心配するぎんたに少し離れた所から先ほどの店員から了承する声がする

「ほらぁ、いいですって!さっそく荷物を運びましょう!」

意気揚々とご機嫌なままのエメレッタはクルッと踵を返し言われた部屋へとズカズカと足を進める

「ちょ、エメレッタ、待つにゃ~」

機敏な動きに置いていかれてしまわないようにぎんたはカウンター横に年季のある小さな木で出来た階段をギシギシと先に上がって行ったエメレッタの後を追いかけていく

階段を上り切り廊下を見ると部屋の前で既に開けたまま入り口でエメレッタが棒立ちをしていた

「もう、何やってるにゃ・・・」とぎんたが愚痴をこぼすと、目を輝かせ興奮しながら

「見てください。ぎんたさん!」

手をパタパタと上下に振りぎんたを呼ぶ

「はぁ、また何かあったかにゃ?」

呼び込まれた手の元へ行くと開かれたドアの中はシンプルに作られた部屋で簡易式の木製のベッドと椅子がポツンと置かれていた

「これの何が良いにゃ?」

興奮するエメレッタを尻目に理解出来ずに尋ねた

「部屋の作りじゃないですよ!!外です!外!」

「にゃ?・・・にゃぁ!?」

開かれた窓に薄いカーテンがヒラヒラとなびく先に見えた風景は美しく

入道雲が全体に広がり、青い空を反射した澄み切った海と青い壁面で作られた建物

インドのカラフルなサリーやクルタの伝統衣装に良く似た物を人々が着ていてそれがまた綺麗な絵画のようで2人を興奮させる

「でしょ??でしょう!?」

目を輝かせっぱなしのエメレッタはぎんたに相槌を求める

「分かるにゃ!これは綺麗だにゃ!」

2人が気づけば、窓から身を乗り出して興奮していた

「・・・ぉ~ぃ」

わいわいと興奮していると下の方から何やら聞き覚えにある声が聞こえる

「にゃ?」

「あっ!ポセイラスさん!ちょっと待って下さい。そちらに行きます。」

身振り手振りでポセイラスに伝えると伝わったようで荷物を置いて外へと2人は向かう準備をする

バタバタと慌てて部屋を出た2人は受付カウンターで一言伝えてから宿の外へと出る

バーンと宿屋のドアを開けて、待っているポセイラスを探す

「・・・こっち、こっち!」

宿屋から出た目と鼻の先にある蔓で編み込んだ日除の傘の下で椅子にかけて座っていた

「懐かしいですね!」

「ちょっと待つにゃ~」

喜び勇んで向かったエメレッタに後を追うぎんた

「ハハハハッ久しぶり?かな。」

前回会った鎧ではなく外装に包まれチラッと見えた装備は軽装で淡い蒼い布をベースに白の装飾が付いた革鎧を着ていた

「良かったぁ~探していたんですよぉ!」

「そうにゃ。ポセイラスさんを探していたにゃ。」

安堵するエメレッタにうんうんと頷くぎんた

「・・・私に?」

疑問符を浮かべる

「そうにゃ。こっちに何か飛んで見なかったかにゃ??」

「何か??よくわからないが、俺は少し前まで依頼をこなしていたからな。分からない。」

唐突の理解出来ない質問にポセイラスなりに考え目を細め答える

「ぎんたさん。そりゃそうですよ。説明しないと!」

「あっそうだったにゃ。気が少し焦ってたにゃ。」

エメレッタの言葉に気づき失念する

「実は・・・」

「・・・なるほど、通りでエメレッタさんから違和感を覚えるわけだ。」

ぎんたから以前会った時からこれまでの事を全て説明され改めて理解する

「そうですよ!私一回殺されましたからね!?」

エメレッタは手を前に突き出し理不尽だったことをポセイラスにアピールする

「ニャハハハ、あれは不可抗力って奴にゃ!」

笑いながらエメレッタの言葉を一蹴する

「・・・しかし、不死鳥様が再びエメレッタの身体を再構築して眷属にされる・・・それにラクシスと呼ばれる存在・・・」

ブツブツと独り言をこぼすポセイラス

「そんにゃことより、原因を探りに来たにゃ。」

ぎんたは本題を投げかけ、思考の海に入るポセイラスを引き上げる

「ハッ、そうだ。今はそうだな。」

左右に頭をブンブンと振り正気になる

「それで、原因を探すためにここへ来たんですが、ポセイラスさんに心当たりが無いみたいなので、ぎんたさん。また探って下さい。」

エメレッタは淡々とぎんたに振る

「にゃ?わ、分かったにゃ。ここだと目立つから一度、宿屋に戻って部屋でサーチするにゃ」

宿屋を指差し2人に意思を伝える

「そうだな。分かった。ではぎんたに言われたように行こうではないか。」

ポセイラスはウンと頷き、ぎんたが指差す宿屋へと足を向ける

「それでは、行きましょう。」

ぎんた、ポセイラスの後をついて行く





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