性愛 ---母であり、恋人であったあの人---

来夢モロラン

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第13章 静香への性的思い膨らみ、乳房を触る

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 鉄男から手紙が届いたのは、新潟港から北朝鮮の清津に向けて出発してから半年後であった。差し出した日付からみると、届くまで一か月半もかかっている。新潟・清津間は船で二日もあればつく距離なのに、どうしてこんなに時間がかかるのかと不思議だった。
 手紙には、今は平壌(ピョンヤン)に居ること、平壌は落ち着き先としては一番恵まれていること、共和国が用意してくれた高層集合住宅に住んでいること、土地と家を処分して出来るだけ早くこちらに来てほしいこと、すぐに来れないようなら衣類や日用品を送ってほしいことが書かれてあったが、どこに勤めていて、どのような暮らしぶりなのかについては何も書かれていなかった。
 静香は北朝鮮に行くことに迷いが生じていた。静香の父と母は一九一〇年の日本による朝鮮併合の直後に日本に渡ってきた。両親は日本で出会い、結婚し、静香は一九一九年に日本で生まれ、育った。両親は朝鮮語が達者であったが、日本社会で成長した静香は朝鮮語を勉強したことがなく、片言の言葉しか喋れなかった。言葉の分からない国に行くのは不安だった。静香の両親は南朝鮮の農村の出身者で、北朝鮮には親戚も知り合いもいなかった。長年住み慣れた土地を離れ、見たこともない、友人も縁者もいない土地に行くことの不安が段々高まっていた。
 静香の世代の女性は、夫からDVを受けても、夫が飲んだくれで家にお金を入れなくとも、じっと耐え、離婚など決して考えないのが女の道と教育され、躾けられて育った世代である。だから、静香も夫に従うしか道がないと考えていたが、本当は行きたくないのに、夫の一方的な命令に従わなければいけないことに疑問が生じていた。北朝鮮に帰るという重大な決断を静香に相談することなく決め、夫に服従することを当然のように求める鉄男に反発を感じ、芽吹いた疑問は静香の中で、徐々に広がっていた。
 鉄男と結婚して経済的には恵まれた生活をおくってきたが、鉄男の浮気には何度も悩まされ、じっと耐える結婚生活であった。女にだらしない鉄男はいつまた浮気の虫を出すかもしれないのに、遠い知らない国での鉄男と二人の生活を考えると、胸の中に将来への不安が湧き上がり、高まるばかりだった。
 静香が北朝鮮に行くことの不安を僕に漏らしたとき、僕は即座に「すぐには行かない方が良いと思う。もう少し様子を見た方が良いよ。税金もなく、医療費も無償だと言っているが、話がうますぎるように思う。地上の楽園だと宣伝しているけど、北では、朝鮮戦争で二百五十万人の一般市民が死に、激しい地上戦で国土は廃墟と化したと言われている。その戦争が終わってからまだ六年だよ。国を挙げて建設と生産に取り組んでいるという話だが、まだゆとりはないと思う。まだ生活水準は日本より低くい可能性が高いように思うよ。今は、一旦北鮮に行くと日本に戻るのは難しいけれど、二,三年経てば自由に往来できるようになるかもしれない。出来ればそれまで日本に居た方が良いよ。少なくとも僕が高校を卒業するまでは日本に居てほしい」と言った。
 静香は「葵ちゃんが高校を卒業するのは見届けるわ。本当はお医者様になった葵ちゃんを見たいわ」と言った。僕は「それじゃー、ずっと日本に居れば。お母さんの老後は僕が責任をもってみるから」と言った。それを聞いて「うれしいわ。葵ちゃんといつまでも一緒に居られたら最高に幸せよ」と言い、口ごもりながら「でも、そうなるとお父さんとは別れ離れになるわ」と言った。本当は「この際、別れても良いんじゃない」と言いたかったが、この時は静香が鉄男と離婚することも選択肢の一つと考え始めていたことを僕は知らなかったので、僕は返答に窮して口をつぐんだ。
 
 静香は鉄男が北朝鮮に帰国してから、飲食店で働き始めていた。静香と僕が一年位食べていく蓄えはあったが、収入が途絶え、蓄えは減る一方だったので、働きにでたのだった。飲食店と言ってもいわゆる飲み屋である。食事よりお酒を飲むのがメインの大衆酒場で、静香は料理の手伝いと料理を運ぶのが主だが、時にはお酌したり、客と談笑したりすることもある仕事だと僕は聞かされていた。美智子も静香が外で働き始めたことは知っていた。
 ある日、美智子が眉をひそめて「うちのお母さんの話では、葵君のおばさんは、飲み屋で女給(当時、飲食店で男性客をもてなす女性従業員のことを「女給」と呼んでいた。現在の「ホステス」の呼称に相当する。)しているそうよ。近所中で噂になっているらしいわ。美人の女給がいる店という評判がたって、おばさんを目当てに、近所のおじさん達が店におしかけているらしいわ」と僕に伝えた。
「そんなはずはないよ。お皿を洗ったり、料理を運んだりする仕事だと聞いているよ。そんなの嘘だ」と僕は顔をしかめて反論した。
「そうじゃないらしいわ。お客さんの隣にすわってお酒を注いだり、自分も飲んだりしているそうよ」と美智子は言う。
 最近、静香がほろ酔い加減で帰宅することが多いことを気に病んでいたので、僕は美智子の言葉を否定できなかった。美智子は「酔っぱらったお客は、女給さんの身体に触ったり、女給さんに抱きついたりするらしいわ。いやらしい」と非難がましく言い、さらに「水商売は葵ちゃんのおばさんにふさわしくない。すぐやめてほしいわ。堅気の仕事に就いてほしい」と咎め立てる。
 僕も夜の仕事ではなく、できたらもっとまじめな仕事に就いてほしいと思っていたので、美智子の言うことはもっともだと思ったが、美智子が静香をみだらでよごれていると言っているように感じて、少し不愉快になった。
 
 美智子から近所の噂話を聞いた夜も静香は酔って帰ってきた。僕は美智子から聞いた話を静香に伝えた。そして、水商売は出来ればやめてほしいとお願いした。静香は「葵ちゃんに不愉快な思いをさせて、ごめんなさいね。お母さんは、人に後ろ指を指されるようなことはしていないわ。そのことは信じてね。
 私は何の特技も資格もなく、主婦業しかやったことがないでしょう。手っ取り早くお金を稼ぐのには、今の仕事が一番簡単なの。辞めて出面取り(でめんとり、日雇い労働を意味する北海道方言。元々は、貧農の農婦などが、農繁期に頼まれて近隣の農作業を手伝うこと指していたようだが、ここでは母親が女土方とし土木工事で働くことを指している。)でもしましょうか」と寂しげに言う。
「肉体労働しかないのかな。出面取りは大変だよ。給料は安いかもしれないけれど、探せば他にもあるのではないの。僕はぜいたくしたいとは思わない。貧しくてもちっとも構わないよ。お酒を飲みすぎると身体にも悪いし、今の仕事は辞めた方が良いよ」と僕が言うと、静香は僕の気持ちを汲んで「分かったわ。新しい仕事を探してみるわ」と約束した。
 お酒を飲みながら男性客を接待する女給の仕事を、静香は好き好んでしていたわけではなく、僕のため少しでも多くの給料を得ようと頑張って働いていたのに、僕に水商売はすぐ辞めてと言われショックだったと思う。静香は男好きな女なんかではない。馬鹿話にも感心して見せてお客の機嫌を取り、お客の無体な要求に耐え、酔客に身体を触られても笑って受け流したりして頑張っているのにどうして責めることが出来よう。
 飲酒は身体に悪いから止めてと言ったが、本当は静香がお金を稼ぐために、お客の男達に媚を売っていることが許せなかったのだ。知らない男達を楽しませているのが嫌なんだ。静香は僕だけのものであってほしかった。ほかの男を近づけさせたくなかった。僕が独占したかった。だからどうしても水商売は辞めてほしいと強く言ったのだが、しょんぼりした様子の姿の静香をみて、慰めないといけないと思った。感謝の気持ちを示そうと思った。静香が元気を取り戻すように何かしてあげようと思った。
 「僕はもうお風呂に入ったから、お母さんも早く入りなさいよ。疲れているようだから、出てきたらマッサージをしてあげるから」と言うと、静香は「あら、優しいのね」と嬉しそうに言った。風呂からあがった静香は「葵ちゃんにマッサージしてもらうのは、初めてじゃないかしら」と言いながら、寝巻きに着替えた身体を布団の上にうつ伏せに横たえた。
 僕はまず静香の肩を軽くたたいてから肩を揉んだ。疲れがたまっているのであろう、静香の肩はかなりこっていた。静香は心地良さそうだった。首のまわりもほぐし、それから背中を指圧した。
「そこが効く。ああ、そこそこ。そこはもう一度」などの静香からの反応に応じ、僕は静香の太もものあたりに馬乗りになり指圧を繰り返した。その後、肩から腰の間を両手で上下にさすってあげた。
「ああ、とても気持ちいいわ。極楽極楽」と静香が何度も言うのを聞きながら、さらに寝巻きをめくって、静香のふくらはぎ露出させ、ふくろはぎもマッサージしてあげた。
 それから、静香を仰向けにし、脚を揉み、次に静香の横に座り、耳周りや首の周りに手を当ててさすってあげた。静香は心地よさそうに目をつぶっていた。静香の胸元の寝巻きが少しめくれ、上からのぞくと乳房の谷間が見えた。僕は谷間に右手を滑り込ませた。
 右手の両端が乳房に触れた。「そんなところは、マッサージしなくても良いのよ」と怒られるかと思って静香を見たが、静香は黙って目をつぶっていたので、僕は手を差し入れたまま暫くじっとしていた。
 僕は静香のおっぱいに触ってみたいと思った。がまんできずに静香の寝巻きをめくると、パンティー以外の下着はつけていなかった。僕はお椀のように盛り上がった乳房を右手で握ってみた。想像していたより固くて弾力があった。静香は寝入ってしまったのか、身動き一つしない。もう一つの乳房も右手で握ってみた。
 僕はおっぱいを吸ってみたいと思った。乳房を両手で握り、せり上がった乳房の先端の突起に口をつけ吸ってみた。吸い続けていると、突起は硬くなり、ツンと上に隆起した。僕はもう一方の乳房も吸って満足したので、静香が目を覚まさないうちに、寝巻きをもとに戻すことにした。
 胸元の寝巻きをもとに戻し、腰のあたりも直そうとしたとき、パンティーの下のアンダーヘアーが透けて見えるのに気がついいた。僕はヘアーを触ってみたいという誘惑にかられた。耐えられずパンティーの下に手を滑らせた。その時、静香が寝返りを打つため身体をひねった。僕はあわてて、脇にあった毛布を静香に掛けて自分の部屋に逃げ帰った。
 時々、あの時静香は本当に眠っていたのだろうかと考える。起きていたのに、眠ったふりをして、僕の自由にさせてくれたようにも思う。僕はその頃眠る前にオナニーで自分を毎夜慰めていた。手淫するときは、それまで美智子のことを思い浮かべてしていた。ところが、あの時以来想像の対象が美智子ではなく静香に代わってしまうことがあるようになった。
 静香とは血がつながっていないけれども、養母である。静香の裸体を思い浮かべるなどあってはいけないことである。幼児に帰って子供のように甘えてみたくなり、好奇心もあり、静香のおっぱいに触ったり、吸ったりしたはずなのに、その時の乳房やヘアーの手触りがエロチックの妄想を引き起こし、振り払っても、振り払ってもまとわりつき、悩ませるようになった。
 
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