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2章
第26話 俺はソフィアにあの時の礼がしたい
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まあ今後の動きはそういう形になるだろうな。
食堂でソフィアたちが打ち合わせしている間、俺たちは客室に戻る。
「王女様も大変なのですぅ……」
「ああ、結構勢力にも差があるっぽいし大変なんだな」
部屋に戻ったキリアンは少し暗くなっていた。
それもそうだ、王位争いってのはどす黒い貴族社会で行われ、その争いに王女であるソフィアも参加している。
もし王位につけなかったらどうなるかなんて想像もしたくないだろう。
すると急に扉が開いたかと思うとそこにはソフィアの姿があった。
「ソ、ソフィア殿下!? どうかしましたのです!?」
「ええ、ちょっとあなた達に聞きたいことがあってね」
話を聞いてみるとどうやらアトール伯爵の領土にいた魔物の特徴を知りたいらしい。
俺とキリアンは顔を見合わせると説明を始める。
今回出会った魔物はゴブリンとオークだ。
ゴブリンはそこまで強くないらしいがオークはそこそこ強いらしくパワーに特化しているらしい。
それに比べてゴブリンは総合的に能力は低いが数が多く、アトール伯爵の領土に被害を与えているそうだ。
「至って普通の魔物みたいね。教えてくれてありがとう」
そう言ってソフィアは部屋から出ようと足を進めようとするので俺は慌てて声をかける。
するとソフィアは足を止めて俺の方を振り向く。
どうしたのかという表情だった。
俺はソフィアにあの時の礼がしたい。
「俺に出来ることがあったらなんでも言ってくれ! 護衛でもなんでもするから!」
つい反射的に言ってしまったが、ソフィアは俺の発言に微笑む。
すると俺の方へ歩み寄り俺の頭を撫でる。
一瞬だが俺はドキッとした。
そしてソフィアは口を開く。
どうやらこのローレスト王国には《精霊使い》のスキルを持つ者はあまり居ないらしく、俺のスキルはかなり珍しいものらしい。
「精霊使いは冒険者にとって貴重な人材なのよ、だから王位争いに巻き込む訳には行かないの、だから無理しないで」
どうやらソフィアは俺のことを気遣ってくれたらしい。
やっぱりこういう優しいところが俺の心を狂わせるんだよな……。
だけどどうしても俺はソフィアを助けたいと思った。
こんなに優しい少女が権力争いなんかに巻き込まれるなんてよくないに決まってる!
俺はソフィアに向かって口を開いた。
「俺を護衛として雇って下さい! 魔物討伐にも協力するし、戦力として入れるように努力するから!」
ソフィアは俺の発言を聞くと少し悩んでいる様子。
ソフィアはどうしても俺を王位争いに巻き込みたくないらしい。
だけどあの時俺はソフィアに助けられたから今が恩返し出来る絶好のタイミングだ。
そう思っているとソフィアが真面目な顔をして口を開く。
「私に加担するって事は命を狙われるかもしれない、それでも貴方は私について来てくれるの?」
「おう! 俺はソフィアに助けられて冒険者になれた。あの時ソフィアに助けてもらえてなかったら命は無かったしな」
俺がそう言うとソフィアは少し嬉しそうな表情をする。
そして少し考えたあと口を開く。
「良いわよタツキ、それならよろしくね」
食堂でソフィアたちが打ち合わせしている間、俺たちは客室に戻る。
「王女様も大変なのですぅ……」
「ああ、結構勢力にも差があるっぽいし大変なんだな」
部屋に戻ったキリアンは少し暗くなっていた。
それもそうだ、王位争いってのはどす黒い貴族社会で行われ、その争いに王女であるソフィアも参加している。
もし王位につけなかったらどうなるかなんて想像もしたくないだろう。
すると急に扉が開いたかと思うとそこにはソフィアの姿があった。
「ソ、ソフィア殿下!? どうかしましたのです!?」
「ええ、ちょっとあなた達に聞きたいことがあってね」
話を聞いてみるとどうやらアトール伯爵の領土にいた魔物の特徴を知りたいらしい。
俺とキリアンは顔を見合わせると説明を始める。
今回出会った魔物はゴブリンとオークだ。
ゴブリンはそこまで強くないらしいがオークはそこそこ強いらしくパワーに特化しているらしい。
それに比べてゴブリンは総合的に能力は低いが数が多く、アトール伯爵の領土に被害を与えているそうだ。
「至って普通の魔物みたいね。教えてくれてありがとう」
そう言ってソフィアは部屋から出ようと足を進めようとするので俺は慌てて声をかける。
するとソフィアは足を止めて俺の方を振り向く。
どうしたのかという表情だった。
俺はソフィアにあの時の礼がしたい。
「俺に出来ることがあったらなんでも言ってくれ! 護衛でもなんでもするから!」
つい反射的に言ってしまったが、ソフィアは俺の発言に微笑む。
すると俺の方へ歩み寄り俺の頭を撫でる。
一瞬だが俺はドキッとした。
そしてソフィアは口を開く。
どうやらこのローレスト王国には《精霊使い》のスキルを持つ者はあまり居ないらしく、俺のスキルはかなり珍しいものらしい。
「精霊使いは冒険者にとって貴重な人材なのよ、だから王位争いに巻き込む訳には行かないの、だから無理しないで」
どうやらソフィアは俺のことを気遣ってくれたらしい。
やっぱりこういう優しいところが俺の心を狂わせるんだよな……。
だけどどうしても俺はソフィアを助けたいと思った。
こんなに優しい少女が権力争いなんかに巻き込まれるなんてよくないに決まってる!
俺はソフィアに向かって口を開いた。
「俺を護衛として雇って下さい! 魔物討伐にも協力するし、戦力として入れるように努力するから!」
ソフィアは俺の発言を聞くと少し悩んでいる様子。
ソフィアはどうしても俺を王位争いに巻き込みたくないらしい。
だけどあの時俺はソフィアに助けられたから今が恩返し出来る絶好のタイミングだ。
そう思っているとソフィアが真面目な顔をして口を開く。
「私に加担するって事は命を狙われるかもしれない、それでも貴方は私について来てくれるの?」
「おう! 俺はソフィアに助けられて冒険者になれた。あの時ソフィアに助けてもらえてなかったら命は無かったしな」
俺がそう言うとソフィアは少し嬉しそうな表情をする。
そして少し考えたあと口を開く。
「良いわよタツキ、それならよろしくね」
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