異世界転移したら～彼女の"王位争い"を手助けすることになった件～最強スキル《精霊使い》を駆使して無双します～

2章

第27話 死なないでくださいよ！

　ソフィアはそう言うと俺に微笑みかけてくる。

　そして俺は今日からソフィアの護衛として働くことになったのだ。

　まあ冒険者になったばっかりだし戦闘経験はあまりないから少し不安だけども……。
　
　「本気なのですタツキ！？　タツキは冒険者になったばっかりなのです！」
　
　俺がソフィアの護衛になると言った時、キリアンは驚きを隠せずにいるようだった。
　
　確かに冒険者になってすぐの人間が護衛なんて不安だろう。

　だけど俺はソフィアに恩があるし、何よりソフィアが困っているなら助けたい。
　
　「大丈夫だキリアン、王位争いが無事解決したらまた冒険者として活動していくからさ」
　
　もちろんキリアンの言っていることは分かっているがそれでも俺はソフィアを助けたいと思った。
　
　俺の言葉を受けてキリアンは少し複雑な表情をしながらも口を開く。
　
　「分かったのです……まあタツキなら大丈夫なのです！」
　
　キリアンは笑顔でそう言うと俺を元気づけるように話しかけてきた。

　キリアンってまじて良いやつだな……。
　
　俺に笑いかけてくれるキリアンを見て感謝しつつ、俺はこれから起こるであろう問題に立ち向かえるように準備をするのであった。

　それから数日間、俺とキリアンは伯爵の屋敷で体の回復に集中した。

　俺も久しぶりに体を動かしていたので筋肉痛が酷くてな、あまり動くことが出来なかった。
　
　ちなみに俺らが休んでいる間にソフィアのメイドであるリーザは本当に三日で伯爵の領土にいる魔物を討伐してしまった。

　どうやらリーザは相当強いらしく、冒険者が苦戦していた魔物を簡単に倒してしまったそうだ。

　そしてアトール伯爵の領土の魔物も全て倒し終わりアトール伯爵の領土は平和になった。

　アトール伯爵はソフィア陣営に加担することを決まり。

　ソフィアの勢力は更に増えた。
　
　「そんで今日が出発日かあ、うまく立ち回れると良いけど」
　
　ソフィア達の話を聞いていると中立貴族を吸収するために色んな場所に行っているみたいだ。
　
　「そろそろ動くか」
　
　そう呟き俺は出発準備をするのだった。
　
　準備が終えたあと俺は一階に降りる。

　するとちょうどソフィア達やアトール伯爵もいた。
　
　ここから俺はソフィアと協力して他の王たちの勢力を出来るだけ削らなければ行けないからだ。

　ちなみにキリアンは冒険者として活動していくらしく、俺とはここでお別れだ。
　
　キリアンと話す時間は楽しかったし少し寂しくなるがまた会えるから大丈夫だろ。
　
　「そろそろ行くわよ」
　
　ソフィアがそう言うと俺らは屋敷から出る。
　
　そんで馬車に荷物を置いてキリアンに向け口を開く。
　
　「また会おうなキリアン！」
　
　「もちろんなのです！　死なないでくださいよ！」
　
　俺はキリアンにそう言うと馬車は出発するのだった。