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2章
第30話 火の精霊! 契約に基づいて俺に力を貸してくれ!!
しおりを挟むそして審判の合図が響き渡ると同時に俺は剣を構えて一気に走る。
「喰らいやがれ!」
俺の声と同時に地面を蹴って加速する。
このスピードならいける!
そして俺はリーザに向けて剣を振り下ろす。
しかし俺の剣は空を切った。
リーザは俺が攻撃するのと同時に後ろに飛び、攻撃を躱す。
「意外と遅いんですね」
リーザはそう言うと凄まじい速さで俺の方へ向かってきた。
そして空中の地面を蹴って体を回転させながら足蹴りをしてくる。
俺の体は地面から離れて宙を舞い、そして地面に叩きつけられた。
俺の頬に衝撃と痛みが響く。
どうやら体が回転したことによって骨は折れてはいないらしいが頬が少し腫れている。
おいまじで強いじゃねえかこのメイド。
でもこんなんでやられてちゃ護衛なんて務まらないよな!
俺は立ち上がると《精霊使い》のスキルを発動する。
すると俺の前に赤色の魔法陣が浮かび上がる。俺はそれに向かって叫んだ。
《火の精霊! 契約に基づいて俺に力を貸してくれ!!》
すると魔法陣が光ると同時に突然周りから魔力が集まり俺を包み込むように渦巻く。
俺は体に力が湧いてきて体が軽くなったように感じる、これで準備は整った……!
《ファイアッッッッ!》
俺の手から放たれた火の玉は一直線に飛んでいきリーザを襲う。
俺の魔法に驚きつつもリーザは直ぐに動くと空中を蹴り回避する。
だが回避した火の玉はさらにその速度を増し、方向転換をするとリーザの方へと飛んでいく。
「ずいぶんと器用なのね」
リーザはそれをガードしようと咄嗟に腕で顔を庇う。
すると鈍い音がしてガードしている腕に火の玉が当たる。
火に包まれたリーザだったが全くの無傷で火の玉をガードしていた。
まじかよ……俺の魔法が効かないのか?
でもリーザは俺の魔法を見て少し驚いている。
もしかして少し効いたのか? 俺は再び《火の精霊》のスキルを使う。
《炎剣》
俺は自分の剣に炎を纏わせる。
俺の剣が炎に包まれていてまるで炎の剣のようになっている。
するとリーザもポケットから小型の剣を2本取り出した。
リーザは剣を手の後ろに回して構えを取る。
どうやら小型の剣を使った格闘技が得意なんだろう。
まあそっちがその気なら俺は魔法と剣で行かせてもらう!
するとリーザも地面を蹴って加速した俺に向かってくる。
リーザの小型剣と俺の剣がぶつかり鈍い音がするのだった。
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