異世界転移したら~彼女の"王位争い"を手助けすることになった件~最強スキル《精霊使い》を駆使して無双します~

空月そらら

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2章

第33話 城塞都市

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 「タツキ、ここから公爵領までは約3日はかかるわ」
 
 「結構遠いんだな、まあ公爵となると結構な領土を持ってるもんな」
 
 なんでも公爵領はかなり自然豊かで魔物の生息数も多いらしく、よく魔物討伐の依頼も出るという。
 
 公爵領を治めている領主は優秀な人で住民のことを考えるとても良い人だそうだ。
 
 俺はしばらくソフィアと喋っているとリーザが食事を運んでくる。
 
 運ばれた食事は高級食材ばかりだったのでどれから食べるか迷ってしまう。
 
 最初はスープや魚料理、サラダにパンなどシンプルなものから手をつけていた。
 
 俺がとりあえずトマト系のスープを飲んだりしているとソフィアが口を開く。
 
 「凄い食欲ね……お腹空いてたの?」
 
 「ああ、戦闘なんかをしてると空腹でな」
 
 俺はそう言いながらパンをスープにつけて食べる。
 
 うん!やっぱりこの組み合わせは美味しすぎるな!
 
 そして数十分が経ち、朝食を済ませてから俺たちは屋敷を出て馬車に乗り込むと出発をする。
 
 3日も馬車旅とか暇すぎるな……まあ景色を見るのも悪くないけど流石に飽きてくるぞ?

 そんなことを思っているうちに馬車が進みだす。

 今日は天気が良くて結構いい気分だな。

 俺とソフィアは会話を交わしたり窓から景色を見たりしているとようやく最初の街が見えてくる。

 かなり遠目から見てもいくつか町が見えるような……。

 そんなに公爵領からは遠いのか?

 俺が不思議に思っているとその訳をソフィアが説明してくれる。

 なんでも公爵領に行くのにはでも2つの街を経由しないと辿り着けないらしい。

 2つの街もかなり離れており、それなりの時間が掛かるらしいのだ。

 俺が考え事をしながら景色を見ていると最初の目的地が見えてくる。
 
 「なあ、あそこって一つ目の街か? ってなんだあれ!?」
 
 目の前に広がるのは城塞都市だ。

 巨大な壁があり、人や馬車などが沢山行き来している。

 正方形のような形をしてて上から見ると完璧な壁だ。

 俺がそんなことを考えているとリーザが口を開く。
 
 どうやらこの城塞都市には商人や旅人が必ず立ち寄るのでかなり栄えているらしい。

 そして商人はこの街で商売をすることが一種のステータスになっているという。

 俺は馬車の中でその話を聞いていると城門にたどり着く。

 すると門番が俺らを見ると慌てて駆け寄ってくる。

 リーザが兵士に何かを伝えると兵士たちは慌ただしくなり馬車の中に乗っているソフィアに対して跪く。

 そして兵士たちは顔あげないまま口を開く。
 
 「ソフィア殿下! ここ『豪隆』に来てくださり誠に感謝いたします。今城門を開けますので少々お待ちください!」
 
 兵士がそう言うと門がゆっくりと開いていく。

 ここって『豪隆』って言うんだ、しかもなんか賑わってるっぽいな。

 俺は馬車から顔を覗かせて周りを見ると大勢の人が行き来していて街の中はとても賑やかだ。

 それに城中ではレストランや飲み屋のようなものも建っていて賑わっている。

 それから再び扉が閉まると俺は座席に座りながら呟いた。
 
 「こんなでかい城塞都市があったのか……? 信じられねえな」
 
 「ここだけじゃないですよタツ、王国全土にこのような城塞都市があります」
 
 え……?まじかよ、こんな凄いもん王国全土にあるってすげえな。

 てかサラッとリーザ俺の事タツって呼びになってなかった?気のせいかな……? 

 まあそれよりめちゃくちゃ広そうだな……あとでレストランとか見てみたいんだけどソフィアに言ってみようかな。

 そう思った矢先に兵士が口を開いた。
 
 「ソフィア殿下! こちらに城主が来ております!」
 
 「分かったわ、私たちを連れて行って頂戴」
 
 なに……?城主ってことはこの街を統治している奴だよな……つまりお偉いさんってことだ。
 
 てかなんで城主と会うんだ、公爵と会うんじゃなかったのか!? 

 そんな俺の心配など気にも止めないようにソフィアは言葉を返す。
 
 「公爵領まで行くのに二つの城塞都市があるって言ったでしょ? それなら都市の城主も私の勢力に入ってもらえたらなーってね」
 
 「ま、まじですか」
 
 なるほどね……まあとりあえず偉い人たちと会うわけか、最低限のマナーは本で読んだから問題は無いだろうけど緊張してきたぞ。

 俺は表情を固めて少しばかり馬車の中で待たされること10分ほどすると門を潜り抜けていき大きな屋敷の前で馬車が止まる。

 ソフィアが降りるとリーザも降りたので俺も急いで後に続く。
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