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2章
第34話 城塞都市の近くにいる盗賊団
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すると屋敷の扉が開き、中から執事のような人が出てくる。
執事は俺たちを見ると口を開く。
「お待ちしておりましたソフィア殿下、城主がこちらでお待ちです」
そして俺たちは執事の案内で大部屋まで通されるのだった。
俺たちは大部屋に通され中に入ると一人の男性が椅子に座っている。
その男性は40歳くらいだろうか、少し小太りで優しそうな顔をしている。
どうやらこの人がこの街を統治している領主らしい。
俺は軽く自己紹介をすると領主もそれに続いて自己紹介をする。
「『豪隆』の城主をしているアダムです。よろしくお願いします」
うん、なるほどかなり紳士的な感じだな。
とりあえず俺は恭しくお辞儀するのを忘れてなかった!
よしっ偉い人の前だと自然と頭下げるんだなってリーザから教わっておいてよかったぜ。
するとソフィアが口を開く。
「最近何か困った事は無い? アダム」
「それは……」
領主に突然の質問をぶつける。
いきなりの質問で狼狽えていた領主だったが、気を取り直して喋り始める。
どうやらここ最近街では盗賊が横行しており、商人たちが襲われているらしい。
その話を聞いていた俺はある疑問が浮かぶ。
なんでこの王国はこんなに賑わっているのに盗賊なんて出るんだよ。
俺がそんな事を考えている間にも話は進んでいく。
「なるほどね、盗賊団はどんな奴らかわかるかしら?」
ソフィアがそう聞くと領主は口を開く。
最近この城塞都市の近くに盗賊団が現れ、商人や旅人を襲い金品を奪っているらしい。
しかもかなり強いらしく騎士団でも手を焼いているそうだ。
どうやら盗賊団のアジトの場所はある程度分かっているらしいのだが騎士団も魔物討伐に忙しいらしく困っていたところだったらしい。
そしてソフィアは何かを思いついたように言葉を発する。
「だったらその盗賊、私たちが捕まえましょう」
「ほ、本当ですかソフィア殿下! で、ですがいつも協力してもらっているのでこれ以上迷惑を掛けるわけには……」
おいまじかよソフィアさん。
まあ助け合いってことならいいのかもしれないが普通に危ない気もするんだけどな。
どうやらソフィアは公爵領に行くときに近くの城塞都市に寄ったりしているらしい。
相変わらずお人好しだな。
「『豪隆』は王都を守る為の要だもの、もしこの街で何か事件が起こると困っちゃうわ。だから王族として協力します」
「あ、ありがとうございますソファア殿下!」
おお……中々の熱弁。こうやって少しずつ勢力を増やしていくわけか。
そして話を終えると俺たちは会議室に移動するのだった。
俺は領主から渡された城塞都市周辺の地図を見ていた。
結構な城壁で囲まれているな、まあ魔物とかいるし当然っちゃ当然か……。
盗賊に狙われるのは商人や旅人だからなんとかしないとな。
俺がそう考えているとソフィアが口を開く。
「タツキ、ここを見てちょうだい」
そう言ってソフィアは地図に指を指す。
そこは城塞都市の南に位置する森だった、どうやらこの森は魔物の住処になっていて騎士団もあまり立ち寄らないらしい。
なるほどな、確かにここなら盗賊が拠点にしてもおかしくないな。
俺は地図をもう一度よく見る。
「この森の先には何かあるのかな」
「行ってみないと分からないですが可能性は高いかと」
リーザが俺にそう返事をするとソフィアが地図をしまう。
まあ何にせよ行ってみないと何も始まらないな。
それから俺らは一泊して城塞都市を出ることにする。
アダムが用意してくれた馬車で森へ向かうのだった。
それから2時間ほど移動しているとソフィアが口を開く。
「この辺で馬車を降りましょう」
「ソフィア様、危険ですので私の後ろにいてください」
リーザはソフィアにそう言うと俺らは馬車から降り森の中を歩いていく。
少しだけ警戒しながらも中に入って行くと少し広めの空間に出たので少し休憩を取ることにした。
するとソフィアが俺の隣に腰を落とし喋りだす。
「盗賊は魔物と違うから気を付けなさいよタツキ」
「おう」
そう言われ俺は改めて盗賊たちについて考える。
盗賊は手段を問わないことが多く、状況によってかなり手が混む。
こんな森の中を移動すること自体かなり面倒なはずなんだよな。
そんなことを考えているとリーザが口を開く。
「タツ、ソフィア様の近くにいなさい」
リーザの言う通り、何か気配を感じる気がするので俺は立ち上がって腰の剣に手を添える。
俺は剣を抜いて戦闘態勢を取る。
ソフィアは王族だし戦場に立たせるわけにはいかない……。
俺が守らないと。
そんな事を考えていると上から誰かが降りてくる。
1人は銀髪の男性でもう1人は大柄な髭面でいかにも悪そうな雰囲気を醸し出している2人がこちらを見ていた。
どうやらこちらの存在に気づいているようだ。
まあ油断はしない方がよさそうだな。
そう俺が考えている間にも2人の男たちが口を開く。
「お前ら騎士団じゃなさそうだが? 一体どこから来やがった?」
執事は俺たちを見ると口を開く。
「お待ちしておりましたソフィア殿下、城主がこちらでお待ちです」
そして俺たちは執事の案内で大部屋まで通されるのだった。
俺たちは大部屋に通され中に入ると一人の男性が椅子に座っている。
その男性は40歳くらいだろうか、少し小太りで優しそうな顔をしている。
どうやらこの人がこの街を統治している領主らしい。
俺は軽く自己紹介をすると領主もそれに続いて自己紹介をする。
「『豪隆』の城主をしているアダムです。よろしくお願いします」
うん、なるほどかなり紳士的な感じだな。
とりあえず俺は恭しくお辞儀するのを忘れてなかった!
よしっ偉い人の前だと自然と頭下げるんだなってリーザから教わっておいてよかったぜ。
するとソフィアが口を開く。
「最近何か困った事は無い? アダム」
「それは……」
領主に突然の質問をぶつける。
いきなりの質問で狼狽えていた領主だったが、気を取り直して喋り始める。
どうやらここ最近街では盗賊が横行しており、商人たちが襲われているらしい。
その話を聞いていた俺はある疑問が浮かぶ。
なんでこの王国はこんなに賑わっているのに盗賊なんて出るんだよ。
俺がそんな事を考えている間にも話は進んでいく。
「なるほどね、盗賊団はどんな奴らかわかるかしら?」
ソフィアがそう聞くと領主は口を開く。
最近この城塞都市の近くに盗賊団が現れ、商人や旅人を襲い金品を奪っているらしい。
しかもかなり強いらしく騎士団でも手を焼いているそうだ。
どうやら盗賊団のアジトの場所はある程度分かっているらしいのだが騎士団も魔物討伐に忙しいらしく困っていたところだったらしい。
そしてソフィアは何かを思いついたように言葉を発する。
「だったらその盗賊、私たちが捕まえましょう」
「ほ、本当ですかソフィア殿下! で、ですがいつも協力してもらっているのでこれ以上迷惑を掛けるわけには……」
おいまじかよソフィアさん。
まあ助け合いってことならいいのかもしれないが普通に危ない気もするんだけどな。
どうやらソフィアは公爵領に行くときに近くの城塞都市に寄ったりしているらしい。
相変わらずお人好しだな。
「『豪隆』は王都を守る為の要だもの、もしこの街で何か事件が起こると困っちゃうわ。だから王族として協力します」
「あ、ありがとうございますソファア殿下!」
おお……中々の熱弁。こうやって少しずつ勢力を増やしていくわけか。
そして話を終えると俺たちは会議室に移動するのだった。
俺は領主から渡された城塞都市周辺の地図を見ていた。
結構な城壁で囲まれているな、まあ魔物とかいるし当然っちゃ当然か……。
盗賊に狙われるのは商人や旅人だからなんとかしないとな。
俺がそう考えているとソフィアが口を開く。
「タツキ、ここを見てちょうだい」
そう言ってソフィアは地図に指を指す。
そこは城塞都市の南に位置する森だった、どうやらこの森は魔物の住処になっていて騎士団もあまり立ち寄らないらしい。
なるほどな、確かにここなら盗賊が拠点にしてもおかしくないな。
俺は地図をもう一度よく見る。
「この森の先には何かあるのかな」
「行ってみないと分からないですが可能性は高いかと」
リーザが俺にそう返事をするとソフィアが地図をしまう。
まあ何にせよ行ってみないと何も始まらないな。
それから俺らは一泊して城塞都市を出ることにする。
アダムが用意してくれた馬車で森へ向かうのだった。
それから2時間ほど移動しているとソフィアが口を開く。
「この辺で馬車を降りましょう」
「ソフィア様、危険ですので私の後ろにいてください」
リーザはソフィアにそう言うと俺らは馬車から降り森の中を歩いていく。
少しだけ警戒しながらも中に入って行くと少し広めの空間に出たので少し休憩を取ることにした。
するとソフィアが俺の隣に腰を落とし喋りだす。
「盗賊は魔物と違うから気を付けなさいよタツキ」
「おう」
そう言われ俺は改めて盗賊たちについて考える。
盗賊は手段を問わないことが多く、状況によってかなり手が混む。
こんな森の中を移動すること自体かなり面倒なはずなんだよな。
そんなことを考えているとリーザが口を開く。
「タツ、ソフィア様の近くにいなさい」
リーザの言う通り、何か気配を感じる気がするので俺は立ち上がって腰の剣に手を添える。
俺は剣を抜いて戦闘態勢を取る。
ソフィアは王族だし戦場に立たせるわけにはいかない……。
俺が守らないと。
そんな事を考えていると上から誰かが降りてくる。
1人は銀髪の男性でもう1人は大柄な髭面でいかにも悪そうな雰囲気を醸し出している2人がこちらを見ていた。
どうやらこちらの存在に気づいているようだ。
まあ油断はしない方がよさそうだな。
そう俺が考えている間にも2人の男たちが口を開く。
「お前ら騎士団じゃなさそうだが? 一体どこから来やがった?」
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