外れスキル《コピー》を授かったけど「無能」と言われて家を追放された~ だけど発動条件を満たせば"魔族のスキル"を発動することができるようだ~

空月そらら

文字の大きさ
81 / 93

第81話 僕はどうしたらいいんだ......(クルス視点)

しおりを挟む
 「ち、父上、どうしたのですか?」
 
 僕は巨大蛇にやられた後、何とか屋敷に戻ってくることが出来た。しかし父は怪我だらけの僕を見るとすぐに部屋に来させ、僕を見下してくる。
 
 「貴様には失望した。もうスキルを使いこなす事が出来ないということが証明されたからだ」
 「どうゆうことですか?」
 
 理解ができていなかった僕が父に聞き返すと、怒声が聞こえてくる。
 
 「お前が何一つ努力をしないからだ!」
 「そ、それは......」
 
 確かに僕は訓練を一切していなかった。
 何故なら僕には剣聖のスキルがあるのだから、剣術なんて必要ないと思っていたからだ。
 
 「まともに修行もしないのか貴様は、弱い魔物すら倒せないのならお前をレスト家から追放するぞ」
 
 父からそんな言葉を受け、初めて自分がここまで追い込まれているのを理解した。
 追放……レスト家から追放ってどうゆうことだ?屋敷を追い出されることか?なら僕は死ぬのか?姉さんのように追放されては生きていけないのだから。
 
 「どうした、答えられないのか」
 
 僕の目から涙が溢れ出して言葉を漏らす。
 
 「ぼ、僕はただ強くなる方法が分からなくて……」
 
 泣きじゃくりながら言うと父は冷たい目をこちらに向けてくる。そして大きなため息をつくと再度告げてくる。
 
 「ラゼルは上手くやっているようだぞ」
 「は......え?」
 
 なんで姉さんの名前が今でてくるんだ? どうしてだ、姉さんは追放されたはず。
 どうして姉さんの名前が出てくるんだ?どうして?姉さんは追放されたのになんで父から姉の名前が出てくるんだよ! 

 いや、考えられる事は一つしかない。頭が回らない中、父さんがまたため息を漏らす。
 
 「ラゼルは家を出た後、冒険者となりパーティーを組み、数々の功績を残しているようだ。それどころか陛下ともお会いになっているようだぞ!」
 
 ま、待ってくれ、どういうことなんだ。一体姉さんは何をしているんだ?理解できないが嫌な汗が体を伝う。姉さんが国王と会っている?あり得ない、何かの間違いだ……。
 僕だけがまた分かっていないこの状況の中、再び父が言ってくる。
 
 「ラゼルを追放した私は世間的にもマズイ状況になってしまった。お前には期待していたが、残念だ」
 
 父の失望した目は僕を絶望に導いていた。
 この日から僕は自分の無力さに悔しさを隠しきれなくなってしまっていた。もう僕には何もなかった……。

 父上からは失望され、召使いからは蔑まれ、はもう僕はもう無能なのだと判断を下されてしまっている。
 
 心は憎しみで溢れかえっていた……。こんな世界なんて僕は消えてしまえばいいと思ってしまうほどに……。そうして僕は屋敷から出てどこにも行く当てがなく、ただ歩き続ける。
 どうして僕がこんな思いをしないといけないんだ。ずっと考えていたのはそればかりで僕の表情は限界が近いと言えた。
 
 もう嫌だよ……。何で僕だけがこんな惨めな思いをしなくちゃいけないんだよ!本当に……この世界はもう僕に優しくしてくれないのか?いっその事死んでしまった方が楽じゃないのか?そんな考えを至っていると雨が降ってくる。

 雨なんて良い思い出がないし、気持ち良いとは今まで思ったことがない。それなのに僕は今こうして雨にうたれていても悪い気はしなかった。少しずつ気持ちが和らいでいくのが分かる。それどころか心にゆとりが生まれたような気がしていた。
 
 「僕はどうしたらいいんだ? 誰か教えてよ……もうこんな人生嫌だよ……」
 
 思わず涙を流してしまう。僕は雨に濡れながら泣き叫ぶ。
 もううんざりだよ……なんでこんな苦しい思いばかりをしなくちゃいけないんだよ!何でこうなったんだよ!そう思いながら雨の中にいると誰かが近付いてきた。
 
 目頭が再び熱くなるのが分かるが、泣いても仕方ないと思い顔を上げたのだ。するとそこに立っていたのは濃い赤髪の少女だった。
 
 「あれれ? 何で泣いてるの?」
 「だ、誰だ?」
 
 目の前にいるのは僕を見つめてくる1人の少女だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

隠して忘れていたギフト『ステータスカスタム』で能力を魔改造 〜自由自在にカスタマイズしたら有り得ないほど最強になった俺〜

桜井正宗
ファンタジー
 能力(スキル)を隠して、その事を忘れていた帝国出身の錬金術師スローンは、無能扱いで大手ギルド『クレセントムーン』を追放された。追放後、隠していた能力を思い出しスキルを習得すると『ステータスカスタム』が発現する。これは、自身や相手のステータスを魔改造【カスタム】できる最強の能力だった。  スローンは、偶然出会った『大聖女フィラ』と共にステータスをいじりまくって最強のステータスを手に入れる。その後、超高難易度のクエストを難なくクリア、無双しまくっていく。その噂が広がると元ギルドから戻って来いと頭を下げられるが、もう遅い。  真の仲間と共にスローンは、各地で暴れ回る。究極のスローライフを手に入れる為に。

あなたのレベル買い取ります! 無能と罵られ最強ギルドを追放されたので、世界で唯一の店を出した ~俺だけの【レベル売買】スキルで稼ぎまくり~

桜井正宗
ファンタジー
 異世界で暮らすただの商人・カイトは『レベル売買』という通常では絶対にありえない、世界で唯一のスキルを所持していた事に気付く。ゆえに最強ギルドに目をつけられ、直ぐにスカウトされ所属していた。  その万能スキルを使いギルドメンバーのレベルを底上げしていき、やがてギルドは世界最強に。しかし、そうなる一方でレベルの十分に上がったメンバーはカイトを必要としなくなった。もともと、カイトは戦闘には不向きなタイプ。やがてギルドマスターから『追放』を言い渡された。  途方に暮れたカイトは彷徨った。  そんな絶望的で理不尽な状況ではあったが、月光のように美しいメイド『ルナ』が救ってくれた。それから程なくし、共に世界で唯一の『レベル売買』店を展開。更に帝国の女騎士と魔法使いのエルフを迎える。  元から商売センスのあったカイトはその才能を遺憾なく発揮していく。すると驚くほど経営が上手くいき、一躍有名人となる。その風の噂を聞いた最強ギルドも「戻ってこい」と必死になるが、もう遅い。  見返すと心に決めたカイトは最強ギルドへの逆襲を開始する――。 【登場人物】(メインキャラ) 主人公 :カイト   / 男 / 商人 ヒロイン:ルナ    / 女 / メイド ヒロイン:ソレイユ  / 女 / 聖騎士 ヒロイン:ミーティア / 女 / ダークエルフ ***忙しい人向けの簡単な流れ*** ◇ギルドを追放されますが、実は最強のスキル持ち ◇メイドと出会い、新しい仲間も増えます ◇自分たちだけのお店を開きます ◇みんな優しいです ◇大儲けしていきます ◇元ギルドへの反撃もしていきます ◇世界一の帝国へ移住します ◇もっと稼ぎまくります

チートスキル【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得&スローライフ!?

桜井正宗
ファンタジー
「アウルム・キルクルスお前は勇者ではない、追放だ!!」  その後、第二勇者・セクンドスが召喚され、彼が魔王を倒した。俺はその日に聖女フルクと出会い、レベル0ながらも【レベル投げ】を習得した。レベル0だから投げても魔力(MP)が減らないし、無限なのだ。  影響するステータスは『運』。  聖女フルクさえいれば運が向上され、俺は幸運に恵まれ、スキルの威力も倍増した。  第二勇者が魔王を倒すとエンディングと共に『EXダンジョン』が出現する。その隙を狙い、フルクと共にダンジョンの所有権をゲット、独占する。ダンジョンのレアアイテムを入手しまくり売却、やがて莫大な富を手に入れ、最強にもなる。  すると、第二勇者がEXダンジョンを返せとやって来る。しかし、先に侵入した者が所有権を持つため譲渡は不可能。第二勇者を拒絶する。  より強くなった俺は元ギルドメンバーや世界の国中から戻ってこいとせがまれるが、もう遅い!!  真の仲間と共にダンジョン攻略スローライフを送る。 【簡単な流れ】 勇者がボコボコにされます→元勇者として活動→聖女と出会います→レベル投げを習得→EXダンジョンゲット→レア装備ゲットしまくり→元パーティざまぁ 【原題】 『お前は勇者ではないとギルドを追放され、第二勇者が魔王を倒しエンディングの最中レベル0の俺は出現したEXダンジョンを独占~【レベル投げ】でレアアイテム大量獲得~戻って来いと言われても、もう遅いんだが』

金貨増殖バグが止まらないので、そのまま快適なスローライフを送ります

桜井正宗
ファンタジー
 無能の落ちこぼれと認定された『ギルド職員』兼『ぷちドラゴン』使いの『ぷちテイマー』のヘンリーは、職員をクビとなり、国さえも追放されてしまう。  突然、空から女の子が降ってくると、キャッチしきれず女の子を地面へ激突させてしまう。それが聖女との出会いだった。  銀髪の自称聖女から『ギフト』を貰い、ヘンリーは、両手に持てない程の金貨を大量に手に入れた。これで一生遊んで暮らせると思いきや、金貨はどんどん増えていく。増殖が止まらない金貨。どんどん増えていってしまった。  聖女によれば“金貨増殖バグ”だという。幸い、元ギルド職員の権限でアイテムボックス量は無駄に多く持っていたので、そこへ保管しまくった。  大金持ちになったヘンリーは、とりあえず念願だった屋敷を買い……スローライフを始めていく!?

【収納∞】スキルがゴミだと追放された俺、実は次元収納に加えて“経験値貯蓄”も可能でした~追放先で出会ったもふもふスライムと伝説の竜を育成〜

あーる
ファンタジー
「役立たずの荷物持ちはもういらない」 貢献してきた勇者パーティーから、スキル【収納∞】を「大した量も入らないゴミスキル」だと誤解されたまま追放されたレント。 しかし、彼のスキルは文字通り『無限』の容量を持つ次元収納に加え、得た経験値を貯蓄し、仲間へ『分配』できる超チート能力だった! 失意の中、追放先の森で出会ったのは、もふもふで可愛いスライムの「プル」と、古代の祭壇で孵化した伝説の竜の幼体「リンド」。レントは隠していたスキルを解放し、唯一無二の仲間たちを最強へと育成することを決意する! 辺境の村を拠点に、薬草採取から魔物討伐まで、スキルを駆使して依頼をこなし、着実に経験値と信頼を稼いでいくレントたち。プルは多彩なスキルを覚え、リンドは驚異的な速度で成長を遂げる。 これは、ゴミスキルだと蔑まれた少年が、最強の仲間たちと共にどん底から成り上がり、やがて自分を捨てたパーティーや国に「もう遅い」と告げることになる、追放から始まる育成&ざまぁファンタジー!

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

荷物持ちを追放したら、酷い目にあった件について。

しばたろう
ファンタジー
無能だと思い込み、荷物持ちのレンジャーを追放した戦士アレクス。 しかし―― 彼が切り捨てた仲間こそが、 実はパーティを陰で支えていたレアスキル持ちだった。 事実に気づいた時にはもう遅い。 道に迷い、魔獣に襲われ、些細な任務すらまともにこなせない。 “荷物持ちがいなくなった瞬間”から、 アレクスの日常は静かに崩壊していく。 短絡的な判断で、かけがえのない存在を手放した戦士。 そんな彼と再び肩を並べることになったのは―― 美しいのに中二が暴走する魔法使い ノー天気で鈍感な僧侶 そして天性の才を秘めた愛くるしい弟子レンジャー かつての仲間たちと共に、アレクスはもう一度歩き出す。 自らの愚かさと向き合い、後悔し、懺悔し、それでも進むために。 これは、 “間違いを犯した男が、仲間と共に再び立ち上がる” 再生の物語である。 《小説家になろうにも投稿しています》

さんざん馬鹿にされてきた最弱精霊使いですが、剣一本で魔物を倒し続けたらパートナーが最強の『大精霊』に進化したので逆襲を始めます。

ヒツキノドカ
ファンタジー
 誰もがパートナーの精霊を持つウィスティリア王国。  そこでは精霊によって人生が決まり、また身分の高いものほど強い精霊を宿すといわれている。  しかし第二王子シグは最弱の精霊を宿して生まれたために王家を追放されてしまう。  身分を剥奪されたシグは冒険者になり、剣一本で魔物を倒して生計を立てるようになる。しかしそこでも精霊の弱さから見下された。ひどい時は他の冒険者に襲われこともあった。  そんな生活がしばらく続いたある日――今までの苦労が報われ精霊が進化。  姿は美しい白髪の少女に。  伝説の大精霊となり、『天候にまつわる全属性使用可』という規格外の能力を得たクゥは、「今まで育ててくれた恩返しがしたい!」と懐きまくってくる。  最強の相棒を手に入れたシグは、今まで自分を見下してきた人間たちを見返すことを決意するのだった。 ーーーーーー ーーー 閲覧、お気に入り登録、感想等いつもありがとうございます。とても励みになります! ※2020.6.8お陰様でHOTランキングに載ることができました。ご愛読感謝!

処理中です...