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1章
第42話 アルバラン王国
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「えっ?」
その言葉に俺は思わず声を上げる。
同様にアデル達も驚いた表情を見せる。
「ロラン、お主は最近活躍をしていると聞く。どうじゃ、アルバラン王国に行かぬか?」
その言葉を聞き俺は唖然としてしまう。
ここで俺に振られるとは思わなかったのだ。
だが、俺にはとある考えがあった。
それは、俺が冒険者としてアルバラン王国に向かえば、自由に動き回れるということだ。
軍を率いるのも悪くないが、自由に動き回れる冒険者の方が、俺は性に合っている。
俺は少し考えた後、陛下に向かって口を開く。
「やはり私はアデルを行かせるべきだと思います」
「ほう? それは何故じゃ?」
俺はその問いに対し、ゆっくりと答える。
「やはり剣を使える者が行くべきです。剣の腕も確かですし、魔法もある程度使えます。軍の士気を上げるためにもアデルが良いかと」
すると陛下は少し考え込んだ後、口を開く。
「うむ、確かにそれもそうだな。分かった、アデルをアルバラン王国に向かわせよう」
その言葉を聞いた瞬間、俺は安堵したような表情を浮かべる。
「アデル、お主に一万の軍を預ける。アルバラン王国を救ってこい」
「わ、分かりました……!」
そう言ってアデルは深く頭を下げる。
すると横にいたアリスが焦ったような表情を浮かべながら、口を開く。
「待ってください父上! 私をアデルの軍の副官として一緒に行かせてください!」
「別に構わんが、喧嘩はするんじゃないぞ」
陛下がそう言って釘を刺すとアリスはムスッとした顔になりながらも、小さく頷く。
そして緊急会議が終わり、俺は王の間から出るのだった。
★
「ロランお兄様! 何でアデルお兄様に譲ったんですか!?」
王の間から出た後、俺はリアにそう問い詰められる。
「軍を率いると自由が効かないしな、それに俺が指揮を執ると士気が下がる」
俺はそう言って、リアの頭を優しく撫でる。
するとリアは頬を膨らませて不満そうな表情を浮かべた。
「ムムム、ではロランお兄様はどうするんですか?」
リアは俺にそう尋ねる。
俺は少し考えるような仕草をした後、口を開いた。
「俺は一人で行動したいことがある。だからアデルの軍と一緒に行くことは出来ない」
俺はそう言って、リアの頭から手を離そうとする。
だが、その手はリアによって掴まれてしまった。
「ロランお兄様はずるいです。いつも一人で考えて、行動して……」
そう言ってリアは俺の手を強く握りしめる。
そして上目遣いで俺の顔を見てきた。
俺はそんなリアの仕草に思わずドキッとしてしまう。
だが、すぐに心を落ち着かせて、口を開く。
「この王国の為なんだ、分かってくれ」
俺がそう言うと、リアが握りしめていた手をそっと離す。
そして俺はリアに一つ声かける。
「俺はアルバラン王国にいると、クレハに伝えておいてくれ」
そう言うとリアは無言で頷く。
俺はそんなリアの頭を撫でて、その場を後にしようと歩き出す。
すると後ろでリアが小さい声で呟く。
「ロランお兄様、生きて帰って来てください……」
俺は思わず足を止めてしまう。
だがすぐに前を向いて、再び歩き出すのだった。
その言葉に俺は思わず声を上げる。
同様にアデル達も驚いた表情を見せる。
「ロラン、お主は最近活躍をしていると聞く。どうじゃ、アルバラン王国に行かぬか?」
その言葉を聞き俺は唖然としてしまう。
ここで俺に振られるとは思わなかったのだ。
だが、俺にはとある考えがあった。
それは、俺が冒険者としてアルバラン王国に向かえば、自由に動き回れるということだ。
軍を率いるのも悪くないが、自由に動き回れる冒険者の方が、俺は性に合っている。
俺は少し考えた後、陛下に向かって口を開く。
「やはり私はアデルを行かせるべきだと思います」
「ほう? それは何故じゃ?」
俺はその問いに対し、ゆっくりと答える。
「やはり剣を使える者が行くべきです。剣の腕も確かですし、魔法もある程度使えます。軍の士気を上げるためにもアデルが良いかと」
すると陛下は少し考え込んだ後、口を開く。
「うむ、確かにそれもそうだな。分かった、アデルをアルバラン王国に向かわせよう」
その言葉を聞いた瞬間、俺は安堵したような表情を浮かべる。
「アデル、お主に一万の軍を預ける。アルバラン王国を救ってこい」
「わ、分かりました……!」
そう言ってアデルは深く頭を下げる。
すると横にいたアリスが焦ったような表情を浮かべながら、口を開く。
「待ってください父上! 私をアデルの軍の副官として一緒に行かせてください!」
「別に構わんが、喧嘩はするんじゃないぞ」
陛下がそう言って釘を刺すとアリスはムスッとした顔になりながらも、小さく頷く。
そして緊急会議が終わり、俺は王の間から出るのだった。
★
「ロランお兄様! 何でアデルお兄様に譲ったんですか!?」
王の間から出た後、俺はリアにそう問い詰められる。
「軍を率いると自由が効かないしな、それに俺が指揮を執ると士気が下がる」
俺はそう言って、リアの頭を優しく撫でる。
するとリアは頬を膨らませて不満そうな表情を浮かべた。
「ムムム、ではロランお兄様はどうするんですか?」
リアは俺にそう尋ねる。
俺は少し考えるような仕草をした後、口を開いた。
「俺は一人で行動したいことがある。だからアデルの軍と一緒に行くことは出来ない」
俺はそう言って、リアの頭から手を離そうとする。
だが、その手はリアによって掴まれてしまった。
「ロランお兄様はずるいです。いつも一人で考えて、行動して……」
そう言ってリアは俺の手を強く握りしめる。
そして上目遣いで俺の顔を見てきた。
俺はそんなリアの仕草に思わずドキッとしてしまう。
だが、すぐに心を落ち着かせて、口を開く。
「この王国の為なんだ、分かってくれ」
俺がそう言うと、リアが握りしめていた手をそっと離す。
そして俺はリアに一つ声かける。
「俺はアルバラン王国にいると、クレハに伝えておいてくれ」
そう言うとリアは無言で頷く。
俺はそんなリアの頭を撫でて、その場を後にしようと歩き出す。
すると後ろでリアが小さい声で呟く。
「ロランお兄様、生きて帰って来てください……」
俺は思わず足を止めてしまう。
だがすぐに前を向いて、再び歩き出すのだった。
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