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第二章 恋愛相談
第13話 魔法少女の友人
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「さあどうぞカナちゃん、入って入って」
部屋の扉が開かれ、相澤が友人を招き入れる。
俺はそんな、カナと呼ばれた少女に見覚えがあった。
相澤が連れてきたのは、メガネが良く似合っている彼女と同じ高校一年、鈴木叶。
野球部三人のマネージャー、その一人だったのだ。
「澪ちゃんのお家来るの久しぶりだね──あっ!?」
鈴木は室内を覗くなり、急に驚きの声を上げ目を輝かせた。
そして、
「猫ちゃんが二匹もいる!?」
不本意ながら、愛らしい姿の俺らは、図らずとも乙女の標的になってしまったのだ。
これは不味い、非常ーに不味い……。
持ち上げて抱きしめられてみろ、足元にあるスマフォが丸見えだ。
で、でもまぁ、発見されたとしてもパスワードもあるし、誰の物かまでは特定されないはず……。
──いや駄目だ! 相澤なら俺の物だと、まず気付く。
それにパスワードはあるものの、彼女が時折見せる謎スキルを持って突破してしまうかもしれない。
いや、きっとする。絶対する、そんな予感がする!
玉のような汗が肉球を伝う。
猫ってここは汗をかけるのな。って言ってる場合か! やめろ鈴木、そんな卑猥な手つきでこっちに向って来るな!?
「──にゃぁ~お」
最後の抵抗、目を合わさないを実施していると、突然目の前に救世主が現れた。
白い毛並みのあざとい鳴き声、そして千鳥足の酔いどれシロル先輩が、俺と鈴木の間に立ち塞がったのだ。
「えー何この子、凄く人懐っこくて可愛い!」
シロルはしたり顔でコチラを振り向いた後、鈴木に抱き抱えられる。
助かったシロル、本気でありがとう。
例えそれが、ただ単にチヤホヤされただけだとしても、今日だけは素直に感謝する。ありがとう!!
そして俺はそそくさと、その場で丸まって寝たフリを決め込んだ。
流石に寝ている猫を起こしてまでも、抱き上げたりしないだろうと思った次第だ。
案の定、シロルを抱き上げ満足している鈴木の目的はすり替わる。
「あ、これ。日輪先輩との写真?」
「う、うん」
聞き耳を立てていると、どうやら机の上に残された一枚の写真立てに気付いたらしい。
だからあの時言ったのに……。
「ふふっ、日輪先輩照れ屋さんっていってたもんね」
「そ、そうなの! 彼テレ屋さんで、並んで写真撮ってくれなくて……」
相澤、いつ一緒に写真を撮ろうとか言ったよ。
それにこれ、なーんか雲行きが怪しいぞ?
「あ、彼とか言っちゃって。羨ましいな、彼氏持ちは」
「えへ……」
か、彼氏持ち!?
なるほど、写真をわざと残した意味、なんとなく理解したぞ。
「……おい、誰と誰がいつ付き合ったって?」
「えへへへへ……」
俺の小声の問いかけに、相澤から渇いた笑い声が響く。
どうやら俺と自分が付き合ってるとか、鈴木に嘘付いてるらしい。
「あれ、気のせいかな。今誰かの声が聞こえなかった?」
しまった、ツッコミが聞こえてしまった!?
相澤と契約をしたせいなのか、猫の姿でも俺の言葉は一般人にも聞こえてしまうらしい。
慌ててその場に伏せ、口を噤ぐ。
日輪だとバレないとしても、喋る猫が居るなんて知れ渡ったら大騒ぎになる。
何とか、何とかしないと……。
「そ、そうだ、カナちゃん! それより相談したい事があるって言ってなかった!?」
「え? あ、うん。そのことなんだけど……」
ふぅ、相澤の機転で何とか話は反れたようだ。
鈴木は俺が居るとはつゆ知らず、自分の悩みを赤裸々に相澤に話し始めた。
聞いては駄目なんだろうけど、ここにいる以上どうしても聞こえちゃうよな。
なんて誰になく言い訳をしつつも、好奇心に抗えない俺は耳だけを立て、可愛い後輩の悩みに結局聞き耳を立ててしまうのだった。
部屋の扉が開かれ、相澤が友人を招き入れる。
俺はそんな、カナと呼ばれた少女に見覚えがあった。
相澤が連れてきたのは、メガネが良く似合っている彼女と同じ高校一年、鈴木叶。
野球部三人のマネージャー、その一人だったのだ。
「澪ちゃんのお家来るの久しぶりだね──あっ!?」
鈴木は室内を覗くなり、急に驚きの声を上げ目を輝かせた。
そして、
「猫ちゃんが二匹もいる!?」
不本意ながら、愛らしい姿の俺らは、図らずとも乙女の標的になってしまったのだ。
これは不味い、非常ーに不味い……。
持ち上げて抱きしめられてみろ、足元にあるスマフォが丸見えだ。
で、でもまぁ、発見されたとしてもパスワードもあるし、誰の物かまでは特定されないはず……。
──いや駄目だ! 相澤なら俺の物だと、まず気付く。
それにパスワードはあるものの、彼女が時折見せる謎スキルを持って突破してしまうかもしれない。
いや、きっとする。絶対する、そんな予感がする!
玉のような汗が肉球を伝う。
猫ってここは汗をかけるのな。って言ってる場合か! やめろ鈴木、そんな卑猥な手つきでこっちに向って来るな!?
「──にゃぁ~お」
最後の抵抗、目を合わさないを実施していると、突然目の前に救世主が現れた。
白い毛並みのあざとい鳴き声、そして千鳥足の酔いどれシロル先輩が、俺と鈴木の間に立ち塞がったのだ。
「えー何この子、凄く人懐っこくて可愛い!」
シロルはしたり顔でコチラを振り向いた後、鈴木に抱き抱えられる。
助かったシロル、本気でありがとう。
例えそれが、ただ単にチヤホヤされただけだとしても、今日だけは素直に感謝する。ありがとう!!
そして俺はそそくさと、その場で丸まって寝たフリを決め込んだ。
流石に寝ている猫を起こしてまでも、抱き上げたりしないだろうと思った次第だ。
案の定、シロルを抱き上げ満足している鈴木の目的はすり替わる。
「あ、これ。日輪先輩との写真?」
「う、うん」
聞き耳を立てていると、どうやら机の上に残された一枚の写真立てに気付いたらしい。
だからあの時言ったのに……。
「ふふっ、日輪先輩照れ屋さんっていってたもんね」
「そ、そうなの! 彼テレ屋さんで、並んで写真撮ってくれなくて……」
相澤、いつ一緒に写真を撮ろうとか言ったよ。
それにこれ、なーんか雲行きが怪しいぞ?
「あ、彼とか言っちゃって。羨ましいな、彼氏持ちは」
「えへ……」
か、彼氏持ち!?
なるほど、写真をわざと残した意味、なんとなく理解したぞ。
「……おい、誰と誰がいつ付き合ったって?」
「えへへへへ……」
俺の小声の問いかけに、相澤から渇いた笑い声が響く。
どうやら俺と自分が付き合ってるとか、鈴木に嘘付いてるらしい。
「あれ、気のせいかな。今誰かの声が聞こえなかった?」
しまった、ツッコミが聞こえてしまった!?
相澤と契約をしたせいなのか、猫の姿でも俺の言葉は一般人にも聞こえてしまうらしい。
慌ててその場に伏せ、口を噤ぐ。
日輪だとバレないとしても、喋る猫が居るなんて知れ渡ったら大騒ぎになる。
何とか、何とかしないと……。
「そ、そうだ、カナちゃん! それより相談したい事があるって言ってなかった!?」
「え? あ、うん。そのことなんだけど……」
ふぅ、相澤の機転で何とか話は反れたようだ。
鈴木は俺が居るとはつゆ知らず、自分の悩みを赤裸々に相澤に話し始めた。
聞いては駄目なんだろうけど、ここにいる以上どうしても聞こえちゃうよな。
なんて誰になく言い訳をしつつも、好奇心に抗えない俺は耳だけを立て、可愛い後輩の悩みに結局聞き耳を立ててしまうのだった。
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