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第三章 リベラティオへの旅路
第135話 浮気調査─ハーモニー視点─
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最近の私は、朝日が顔を出す少し前に決まって目を覚まします~。
眠い目を擦りながら、自分ベットのすぐ隣に置いてあるロウソクにマッチで火を灯す、これが最近の日課なのです~。
「うぅ、まだ少し眠たいですね~……」
眠気を我慢し水差しの水を桶に汲む、それを使い顔を洗ました~。
姿鏡を、持ち歩くわけにもいかないので、小さい手鏡に何とか自分の姿を写し、櫛を使い念入りに髪をとぐのです。──こんな時は体も顔も小さいから、鏡の中になんとか収るんですよね~。
「──って、誰が小さいんですか!」と、自分に突っ込みを入れるのも、いつしか日課になってきました~……。
普段なら、今ぐらいのタイミングでお日様も顔を出すのですが、今日は早く起きすぎてしまったようですね~……。
昨晩嬉しい事がありはしゃいでたら、疲れて何時もより早く寝ていたのが理由でしょうか~?
年甲斐もなくはしゃぐなど、大人のレディーとして恥ずかしい限りです~……。
「でも、カナデさんが私のためだけに武器を作ってくれるんですよね~……」
それを思い出すだけで、顔がほころんでしまいますね。──私は単純なのでしょうか~?
しかしその後すぐ、昨日自分達の仕事が無事に達成出来なかったことも思いだし、しゅんと耳が垂れ下がってしまった……。
昨日、私と仲間のティアさんは、ギルドへの報告と馬車の受け取りのため、カナデさんとトゥナさんとは別行動を取っていたのですが~……。
マールのギルドに到着後、早速各種手続きを終え荷馬車の状況を確認しようと職員の方に話しかけました。
その時の事でした。──マールのギルド職員が一斉に私達に頭を下げたのです……。
職員の方の話だと、どうやら馬車の方は準備できたのだが、それを引くお馬さんの準備が出来なかったらしいのですよ……。
仕方なく、私とティアさんは町中を日がくれるまで歩き、馬車が引けそうなお馬さんを探すことにしたのですが……残念ながら見つけることができなかったのです~。
昨日の、ふがいない自分達を思い出しながらも、自分のポーチから小瓶を出しその蓋を開けました。
すると、中にはうっすらと赤みがかった液体が入っているのです。
小指にその液を少しつけ、唇にそって塗っていく……。
自分の唇が、うっすらと赤みとツヤを帯びたのを手鏡で確認して、瓶の蓋を閉じました~。──ただの大人のマナーですし~? 別にカナデさんに見せるためとかじゃないんですからね……そもそも彼じゃ、そんな変化に気づきませんよね~?
期待するなと自分に言い聞かせ、心に言い訳をしました。でも内心、少しだけの期待を抱き服を着替え、朝練の為に部屋の外に出たのです~。
「あら? ハーモニーおはよう。今日は何時もより早いのね?」
共に朝練を行っているトゥナさんも、すでに部屋の外にいました。彼女は朝が強いのでいつも起こしに来てくれているのです~。
「おはようございますトゥナさん、昨晩は早く寝たので。トゥナさんこそ今日はいつもにまして早いですね~?」
そう訪ねると「ふふっふ、ちょっとね?」と、素敵な笑顔を見せました。
ここ最近の彼女の笑顔は、女である私も、嫉妬してしまうぐらい可愛くなったと思います~……。
その後二人して、港の広場で朝練を始めた。
トゥナさんは素振りを、私は体力作りの為にランニングを行いました~。
一刻程、走ったでしようか? しかし、ウチのリーダーは今日も姿を見せることは無かったのです~……。
「まったく……はぁはぁ、カナデさんときたら。はぁはぁ……三日坊どころか、一日だけですか~?」
折角念入りに髪をとかし、慣れない化粧までしたのに……見て気づかない所か、この場に来ることさえ無いとは。──本当に困った人ですね~!
「あら? ハーモニーはカナデ君を待ってたの? 今日は……今日も朝練は来ないわよ?」
「──っは! なんでトゥナさんがそんなこと知ってるんですか~?」
おかしいです! 私はそんなこと聞いてませんよ~? あれですか? トゥナさんには自分の予定を報告するのに、私にはなん~~にも言わないのですか~!
「えっとね? 今日起こしに行ったときに"ありがとう、身支度して鍛冶屋に行ってくる"って、出掛けたからよ」
なるほど、わざわざトゥナさんだけに報告と言うわけではなく、ただの日常会話じゃないですか。
私が知らなかったのは、その場に居合わせなかった……ただそれだけですよね?
「──って、本当に起こしに行ってるんですか!」
「え、えぇ……何か不味かったかしら?」
ズルいです! なんかズルいです! しかし、思うことはありますが「べ、別に何でもないです……」と、必死にポーカーフェイスを作っておきます。
落ち着きなさい、私! トゥナさんに上手いこと頼んで交代制ってことにしてもらえば、明日の朝は何食わぬ顔で私が起こしに行けるのですから……。いけます! 私賢いです~!
「それにしても、余程ルームちゃんとの武器作りが楽しみだったのね? あんなにすんなり起きるとは思わなかったわ」
そうなんですか~、カナデさんは寝起きがいいんですね? 寝ぼけてる姿とかも見たかったんですが……。
──んっ?
「トゥナさん。鍛冶屋の方って……昨日言っていた、新メンバーに向かい入れたい方ですよね? もしかして、女性なんですか~?」
「えぇ、そうよ? あぁ、昨日鍛冶屋の子を新メンバーにってカナデ君が説明してたわ。言われてみたら勘違いしちゃうかもね?」
勘違いしますよ! 鍛冶屋に行って女の子捕まえてくると思わないじゃないですか~!
「トゥナさん。私少々用事ができたので、今日の朝練はここまでにしますね~!」
それだけ言うと、カナデさんが入ると思われる鍛冶屋に向かい、走っていきました……後ろから聞こえるトゥナさんの「ハ、ハーモニー?」の、疑問の様な言葉は私に届くことは無かったのです~。
眠い目を擦りながら、自分ベットのすぐ隣に置いてあるロウソクにマッチで火を灯す、これが最近の日課なのです~。
「うぅ、まだ少し眠たいですね~……」
眠気を我慢し水差しの水を桶に汲む、それを使い顔を洗ました~。
姿鏡を、持ち歩くわけにもいかないので、小さい手鏡に何とか自分の姿を写し、櫛を使い念入りに髪をとぐのです。──こんな時は体も顔も小さいから、鏡の中になんとか収るんですよね~。
「──って、誰が小さいんですか!」と、自分に突っ込みを入れるのも、いつしか日課になってきました~……。
普段なら、今ぐらいのタイミングでお日様も顔を出すのですが、今日は早く起きすぎてしまったようですね~……。
昨晩嬉しい事がありはしゃいでたら、疲れて何時もより早く寝ていたのが理由でしょうか~?
年甲斐もなくはしゃぐなど、大人のレディーとして恥ずかしい限りです~……。
「でも、カナデさんが私のためだけに武器を作ってくれるんですよね~……」
それを思い出すだけで、顔がほころんでしまいますね。──私は単純なのでしょうか~?
しかしその後すぐ、昨日自分達の仕事が無事に達成出来なかったことも思いだし、しゅんと耳が垂れ下がってしまった……。
昨日、私と仲間のティアさんは、ギルドへの報告と馬車の受け取りのため、カナデさんとトゥナさんとは別行動を取っていたのですが~……。
マールのギルドに到着後、早速各種手続きを終え荷馬車の状況を確認しようと職員の方に話しかけました。
その時の事でした。──マールのギルド職員が一斉に私達に頭を下げたのです……。
職員の方の話だと、どうやら馬車の方は準備できたのだが、それを引くお馬さんの準備が出来なかったらしいのですよ……。
仕方なく、私とティアさんは町中を日がくれるまで歩き、馬車が引けそうなお馬さんを探すことにしたのですが……残念ながら見つけることができなかったのです~。
昨日の、ふがいない自分達を思い出しながらも、自分のポーチから小瓶を出しその蓋を開けました。
すると、中にはうっすらと赤みがかった液体が入っているのです。
小指にその液を少しつけ、唇にそって塗っていく……。
自分の唇が、うっすらと赤みとツヤを帯びたのを手鏡で確認して、瓶の蓋を閉じました~。──ただの大人のマナーですし~? 別にカナデさんに見せるためとかじゃないんですからね……そもそも彼じゃ、そんな変化に気づきませんよね~?
期待するなと自分に言い聞かせ、心に言い訳をしました。でも内心、少しだけの期待を抱き服を着替え、朝練の為に部屋の外に出たのです~。
「あら? ハーモニーおはよう。今日は何時もより早いのね?」
共に朝練を行っているトゥナさんも、すでに部屋の外にいました。彼女は朝が強いのでいつも起こしに来てくれているのです~。
「おはようございますトゥナさん、昨晩は早く寝たので。トゥナさんこそ今日はいつもにまして早いですね~?」
そう訪ねると「ふふっふ、ちょっとね?」と、素敵な笑顔を見せました。
ここ最近の彼女の笑顔は、女である私も、嫉妬してしまうぐらい可愛くなったと思います~……。
その後二人して、港の広場で朝練を始めた。
トゥナさんは素振りを、私は体力作りの為にランニングを行いました~。
一刻程、走ったでしようか? しかし、ウチのリーダーは今日も姿を見せることは無かったのです~……。
「まったく……はぁはぁ、カナデさんときたら。はぁはぁ……三日坊どころか、一日だけですか~?」
折角念入りに髪をとかし、慣れない化粧までしたのに……見て気づかない所か、この場に来ることさえ無いとは。──本当に困った人ですね~!
「あら? ハーモニーはカナデ君を待ってたの? 今日は……今日も朝練は来ないわよ?」
「──っは! なんでトゥナさんがそんなこと知ってるんですか~?」
おかしいです! 私はそんなこと聞いてませんよ~? あれですか? トゥナさんには自分の予定を報告するのに、私にはなん~~にも言わないのですか~!
「えっとね? 今日起こしに行ったときに"ありがとう、身支度して鍛冶屋に行ってくる"って、出掛けたからよ」
なるほど、わざわざトゥナさんだけに報告と言うわけではなく、ただの日常会話じゃないですか。
私が知らなかったのは、その場に居合わせなかった……ただそれだけですよね?
「──って、本当に起こしに行ってるんですか!」
「え、えぇ……何か不味かったかしら?」
ズルいです! なんかズルいです! しかし、思うことはありますが「べ、別に何でもないです……」と、必死にポーカーフェイスを作っておきます。
落ち着きなさい、私! トゥナさんに上手いこと頼んで交代制ってことにしてもらえば、明日の朝は何食わぬ顔で私が起こしに行けるのですから……。いけます! 私賢いです~!
「それにしても、余程ルームちゃんとの武器作りが楽しみだったのね? あんなにすんなり起きるとは思わなかったわ」
そうなんですか~、カナデさんは寝起きがいいんですね? 寝ぼけてる姿とかも見たかったんですが……。
──んっ?
「トゥナさん。鍛冶屋の方って……昨日言っていた、新メンバーに向かい入れたい方ですよね? もしかして、女性なんですか~?」
「えぇ、そうよ? あぁ、昨日鍛冶屋の子を新メンバーにってカナデ君が説明してたわ。言われてみたら勘違いしちゃうかもね?」
勘違いしますよ! 鍛冶屋に行って女の子捕まえてくると思わないじゃないですか~!
「トゥナさん。私少々用事ができたので、今日の朝練はここまでにしますね~!」
それだけ言うと、カナデさんが入ると思われる鍛冶屋に向かい、走っていきました……後ろから聞こえるトゥナさんの「ハ、ハーモニー?」の、疑問の様な言葉は私に届くことは無かったのです~。
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