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第四章 新天地
第387話 懐かしの面々2
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「いやぁー、戦友の登場で完全に忘れていたな」
豪快に笑い声を上げる船長。
ここまではっきり忘れていたと豪語すると、潔くすら感じる。
「私達の船からは救助出ているようだ。護衛する身で助力をこうのはおかしいかも知れぬが、貴殿にも協力を願いたい……」
「何を言っている御嬢さん。是非任せてもらおう」
その話を聞いて、何を思ったのか。
「あら? それなら家のウサギちゃん達も連れていって、助けになるはずよ」っと、おやびんから提案がなされる。
「そうか、では協力を頼もう!」
腕組みをしながら船長はニッコリと白い歯を見せた。
とんとん拍子に話が進むと、救助の準備だろう、乗組員達に指示を出しながら、船長は何処かに歩いて行った。
そして俺は、おやびんの言うウサギちゃん達が気になり、それについて聞き返す事に。
「ウサギちゃんって、もしかしてウサーズ達も居るのか──って事は、孤児院の皆も!?」
「えぇ、クルム村から逃げてきた子達が、いち早く危険を教えてくれたの。だから私達含め、フィーデスの女子供の大半は、無事に逃げ出せたはずよ」
クルム村から? まぁどちらにせよ、孤児院の皆が無事で良かった。
ハーモニーもきっと喜んで……。
「ただ聖母様だけは、自分の意思で町に残ったわ。戦場で傷つく人の手当てや、食事ぐらいなら作れるって……」
「──なっ!? そんな……なんて伝えれば良いんだ……」
母親のように慕っていた彼女の安否がわからない……。
連絡できるはずがない──そんなの落ち込ませるに決まってるだろ?
「ごめんなさいね、カナデちゃん。本来は私達も残るべきだったんだけど『何かあったときに、子供達は誰が守るのですか?』って、マザーにどやされちゃって……」
そうか……。
人の良い、あの人らしいって言えば、あの人らしいけど。
そうだ、ククルカンに頼んでフィーデスの上も飛んでもらおう。
状況次第で安否の確認もできるかもしれない。
それにトゥナが、困ってる人を見捨てるはずがない。知り合いならなおさらだろう。
だからこそ、上手く行けばフィーデスにいる可能性も……。
「そういえば、クルムの子供の中にファーマって子は居なかったか?」
「確か……居た気がしたわね。お父さんを助けに行くって、ギルドで暴れていた子供、その子がそんな名前だと思ったわ」
そうか、ってことはファーマは無事と見て良いだろう。でも──。
「ところでさっき、女子供って言ったけど、他の大人達はどうしたんだ……? 皆が皆、魔物と渡り合える訳じゃないだろ」
おやびんは目を伏せ、首を横に振った。
「残念だけど、馬車にも限りがあるの。矢面に立つのはギルドや冒険者だとは思うけど、逃げ切れないのが分かっている以上、戦わない訳にはいかないと思うわ」
その話を聞き、召喚されたての頃を思い出した。
理不尽で自由はなく、生きるためには必死に何かに抗い続けねばならない……甘えの許されないそんな日々を。
俺がそんな事を考えていると、何かが着水する音と共に、あいつの騒がしい声が聞こえた──。
「大船に乗ったつもりで、俺達に任せるッスよ! ウサーズ出陣っス」
この声は……もしかしてシータか?
きっと、救助の船が出たのだろう。
しかし、あいつの声が聞こえるだけで、不思議と不安にさせられる。
今となっては、ウサーズが特定の何かに秀でていることは理解してはいるのだが……。
俺は、泥舟にならないことを切に願うのであった。
豪快に笑い声を上げる船長。
ここまではっきり忘れていたと豪語すると、潔くすら感じる。
「私達の船からは救助出ているようだ。護衛する身で助力をこうのはおかしいかも知れぬが、貴殿にも協力を願いたい……」
「何を言っている御嬢さん。是非任せてもらおう」
その話を聞いて、何を思ったのか。
「あら? それなら家のウサギちゃん達も連れていって、助けになるはずよ」っと、おやびんから提案がなされる。
「そうか、では協力を頼もう!」
腕組みをしながら船長はニッコリと白い歯を見せた。
とんとん拍子に話が進むと、救助の準備だろう、乗組員達に指示を出しながら、船長は何処かに歩いて行った。
そして俺は、おやびんの言うウサギちゃん達が気になり、それについて聞き返す事に。
「ウサギちゃんって、もしかしてウサーズ達も居るのか──って事は、孤児院の皆も!?」
「えぇ、クルム村から逃げてきた子達が、いち早く危険を教えてくれたの。だから私達含め、フィーデスの女子供の大半は、無事に逃げ出せたはずよ」
クルム村から? まぁどちらにせよ、孤児院の皆が無事で良かった。
ハーモニーもきっと喜んで……。
「ただ聖母様だけは、自分の意思で町に残ったわ。戦場で傷つく人の手当てや、食事ぐらいなら作れるって……」
「──なっ!? そんな……なんて伝えれば良いんだ……」
母親のように慕っていた彼女の安否がわからない……。
連絡できるはずがない──そんなの落ち込ませるに決まってるだろ?
「ごめんなさいね、カナデちゃん。本来は私達も残るべきだったんだけど『何かあったときに、子供達は誰が守るのですか?』って、マザーにどやされちゃって……」
そうか……。
人の良い、あの人らしいって言えば、あの人らしいけど。
そうだ、ククルカンに頼んでフィーデスの上も飛んでもらおう。
状況次第で安否の確認もできるかもしれない。
それにトゥナが、困ってる人を見捨てるはずがない。知り合いならなおさらだろう。
だからこそ、上手く行けばフィーデスにいる可能性も……。
「そういえば、クルムの子供の中にファーマって子は居なかったか?」
「確か……居た気がしたわね。お父さんを助けに行くって、ギルドで暴れていた子供、その子がそんな名前だと思ったわ」
そうか、ってことはファーマは無事と見て良いだろう。でも──。
「ところでさっき、女子供って言ったけど、他の大人達はどうしたんだ……? 皆が皆、魔物と渡り合える訳じゃないだろ」
おやびんは目を伏せ、首を横に振った。
「残念だけど、馬車にも限りがあるの。矢面に立つのはギルドや冒険者だとは思うけど、逃げ切れないのが分かっている以上、戦わない訳にはいかないと思うわ」
その話を聞き、召喚されたての頃を思い出した。
理不尽で自由はなく、生きるためには必死に何かに抗い続けねばならない……甘えの許されないそんな日々を。
俺がそんな事を考えていると、何かが着水する音と共に、あいつの騒がしい声が聞こえた──。
「大船に乗ったつもりで、俺達に任せるッスよ! ウサーズ出陣っス」
この声は……もしかしてシータか?
きっと、救助の船が出たのだろう。
しかし、あいつの声が聞こえるだけで、不思議と不安にさせられる。
今となっては、ウサーズが特定の何かに秀でていることは理解してはいるのだが……。
俺は、泥舟にならないことを切に願うのであった。
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