大アジア戦争

ツカサメイ

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21話 虎林軍団

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              21話 虎林軍団

1942年3月21日 日本防衛会議。

「政府として対処すべき件ではありますが事前に
知らせ置くべきと思案いたしました、案件とは対ソ
問題であります。樺太軍団が対ソ戦を行っております
が満ソ国境地帯は緊張感在るも平穏であります。
ソ連政府は表面上、樺太の状況、すなわち戦闘状態
を黙殺、我が政府から戦争を宣言する利点は皆無。
ドイツは宣言などせずとも戦闘開始は知る所・・・
我が政府は極小規模の戦闘と表明し世界平和宣言を
出す策を総理として取りたいと考えます」

外務大臣「世界平和宣言、直ぐに出すつもりで…」

「樺太軍団が大戦闘となる寸前が適す時期というもの」
「宣言の後で・・・大戦闘・・・総理の考えは判らん」
「ハバロフスクで勝ちを得ても単なる戦場の勝利。
ウラジオストクには数十倍の戦闘力と海軍が健在・・
集積してる兵器と物資は想像以上に膨大であろう・・
ソ連が活用する前に封じる策を立て、実行が肝心である」
「ウラジオか… あれを封じるのは旅順より難しい」
陸軍大臣と海軍大臣を見た後
「軍の問題に戦越と思う、が許して欲しい・・・提案は
樺太軍団のソ連に勝利は軍団の有効性が高い証明、なら
ば満州国内の某所、たとえば虎林に同様の軍団を組織
する事で戦力の有用性が増える、と想うのである。
正直に言おう・・・シベリアに攻め込む形態の軍団を
配備して事態の変化に備えておく。肝心な用意と想う」
・・・ ・・・ 陸軍大臣は瞑目・・・
「どのような編成となるのだ?」

「試案、歩兵旅団6、遊撃砲兵中隊2、対戦車旅団1」
「部隊の種別が少ないのでは?」
「簡易な編成で無ければ早急の実現は困難であろう」
「早急とは?」
「・・・1942年3月30日・・・」
「「「… … … 」」」
「それは…無理と言わぬが… … 」
「臨時に、虎林軍団 と呼ぶが実現を希望する」
珍しく東条が深々と礼をした。

22日 大本営陸軍参謀本部は混乱する程忙しい・・・
面倒な関東軍に部隊転換命令、問い合わせの嵐が来た。
東北地方で再び大規模な徴集が始まった。前回同様に
困窮する農家の娘達が大勢集められた。
軍が喜ぶような兵士候補はすでにシナ戦線で戦闘中。
いくら不景気でも農業生産を落とすのは愚策。
軍団団長人事も東条の強い希望が実現した。

虎林軍団総司令官、栗林忠道陸軍中将。

満州国虎林に兵力が増強されて行く・・・












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