我ら、白蛇一派が参りやす

ミナズキ

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第一話 龍閣の白蛇一派

まほろば

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もと来た橋を二人並んで渡りつつ、陽一は黙り込んでいた。見ず知らずの男と難なく会話を広げる程の能力を持ち合わせていないのもそうだが、なんだかよく分からないものがガラルの周りを囲っている様な気がして、口を開けないのだ。

陽一はわりと背の高い方だが、左を歩くガラルはそれよりももっと高い。肩に預けた錫杖の輪が、足を進めるごとにシャラシャラと綺麗な音で鳴る。輪の色は全て異なり、左右に五つずつに分けられていた。

「アンタ、仕事はなにしてる?」

「普通の会社員です。まだ入社して四年も経ってませんけど」

「会社員ってなにするんだ?」

「え?いや、普通に顧客と契約を取り付けたり、書類を作ったり外回りで新しい顧客を探したりとかですけど・・・・・」

「ふーん。そんな仕事があるのか」

どこかズレた返答に、陽一はどこかモヤッとした言い表し難い気持ちを抱き、少しだけ眉をひそめた。

確かにこの現代において彼の見てくれは浮世離れしている。陽一の住む町にいる筈なのに、一度だってガラルのような人を見たことはなかった。

彼は本当に、この世界の住民なのだろうか。てっきり、ネット記事の書き込みから人間が対応してくれるものだとばかり思っていたのだが、違うのか?だが、風変わりであることを除けば人間のそれと何一つ違いはない。

「ガラルさんは普段からこういうお仕事をされているのですか?」

「そうだな、色々やってる。ここ半月は人探しばっかりやってるな。今日もうちの連中総出で婆さん探しに行っちまってよ。俺が直々に受けてるって訳さ」

「大変ですね・・・・・その、こんなこと聞くのはアレですけど、やっぱりお金をお支払いしないとですよね?相場とかは決まっているんですか?」

あまりにも失礼な問いなのは重々承知しているが、こちらも経済的なし事情がある。陽一の給金から捻出できる金額なら良いのだが、それ以上となると色々と考えなくてはならない。

ガラルはしかし、陽一のスコい質問に別段嫌な顔をしたりする事はなかった。右手で頬を掻きながら天を仰ぎ「う~ん」と唸った。

「そうだなぁ。モノによっちゃあ高額にもなるな。まあ、それは全部片付いてからだ。お袋さんに憑いているモノがなにか、対処諸々を含めて決めさせてもらう」

「は、はぁ・・・・・・」

余計に心配になってきた。そもそも、どうやって母に憑いているモノを取り除くのだろう。

「それで?お袋さんの部屋はどこだ?」

「へ?」

間抜けな声を上げ陽一はハッとなり周辺を見渡した。いつの間にか硬い板を踏む感触が消え、アスファルトのボコボコとした地面に立っていた。

いつしか橋も神社も消えて、市街地の大きな道の上に立っていたのだ。
目の前には大きな病院の看板がある。名前を確認した陽一はますます訳がわからなくなった。

今陽一の前に立ちはだかったのは、母の入院している病院だった。


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