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1章 運命の出会い
第11話 婚約
しおりを挟む「……ッ、もう、誘ってるの⁉︎そんなこと言うなら本当に今すぐ襲うよ⁉︎」
「……クスッ」
ニヤリと意地の悪い笑みが思わず出てしまった。
「ルドはそんなことしないでしょう?こんな色んな人がいる前でなんて……。
私の乱れた姿なんて他の人に見せたくないでしょう?私も他の人に見せたくないわ。ルドだけが知っていればいいし、ルドだけにしか知っていて欲しくないもの。
……ルドにしか見られたくないわ」
「……ッ⁉︎もう何でそんな事言うかな。俺を喜ばせるだけだよ?
……そのうち我慢が効かなくなりそうだよ。俺の理性持つかな?」
「我慢なんてしなくていいのに……。
何歳まで待たなければならないの?」
「ちゃんと成人するまではシないよ?」
「じゃあ、15歳までシないの?」
「だって成人したらすぐ結婚式をするでしょう?フィアは貴族令嬢だから、それまではシない方がいいと思って……。
それまでは俺も頑張って我慢するよ?」
「もう少し早くてもいいでしょう?私は早く貴方のものになりたいわ」
「……グッ。随分と煽ってくるね。そんな事言っても変わらないよ?むしろ結婚してからが大変になると思うけど。……大丈夫?」
ルドが瞳に熱を宿しながら、私の耳元で甘く囁くように言ってくる。
「……もう‼︎私には発情期があるのに、そんなに我慢できないわ!発情期はただでさえ辛いと聞くのに……」
うっすらと涙を溜めて上目遣いでルドを見つめる。
「……っ!上目遣いとか反則だよ……」
「だったらもう少しくらい早くしてくれてもいいでしょう?」
我儘を言って、おねだりをしてみる。
「……ッ!……ダメ。体が成熟していないうちにシて、もしフィアの体に何かあったら嫌なんだ。その方が後悔するからね。受け入れる側は負担が大きいんだから、触り合いっこで我慢しようね?俺も我慢しているんだ。
まぁ、まずは婚約をしないとなんだけどね」
首を傾げ、聞き分けて?という風に言ってくる。
もう少しで頷いてくれるかと思ったが、ルドの意志は固いようだ。
それだけ私のことを大切に想ってくれているということだろう。
「……わかったわ。それで我慢するわ。私もルドにしてみたいことはあるし…」
前世の本の知識で得たものを実践してみよう。
……ルドを骨抜きにして、私にメロメロにしてあげるわ!
覚悟していなさい!
……という決意を新たにした。
前世ではそういう情報を入手しやすかった為、知識は豊富なのである。
「……してみたいこと?」
「うん、その時になったら教えるわ」
「ふふ、じゃあ楽しみにしているね」
「ええ。まずは婚約をしないとだけれどね?」
……どうしようか?と顔を見合わせていると。
「国王陛下のお越しです」
辺りが一気に静かになり、周りの人が一斉に頭を下げる。
「面をあげよ」
威厳に満ちた声が響く。
「陛下、発言の許可をいただきたく」
「よい、許す」
「陛下。恐れながら、この様な場所にどの様な御用でしょうか。御身を慮れば、この様な危険な場所にお越しになるのはよろしくないかと…」
そう言ったのは、この国の総師だった。
「突然現れたドラゴンを単独討伐した者がいると聞いてな。国を救ってくれた者だ、我自ら褒賞を授けに来るべきであろう?」
「ですが、しかし…」
「静かにせよ。……今からこの者の褒賞を言い渡す。既に他の貴族とも話し合って決めたものだ」
国王の言葉に、辺りは静まり返る。
「ルインドレッド・リード・カイルラント一等兵。今回のドラゴン単独討伐の功績を讃え、其方に侯爵の地位を与え、少佐に任命する。配属先は変更となる為、追って言い渡す。他に何か望むものはあるか?」
「……では、恐れながら。サーフィリア・ルナ・アイラック侯爵令嬢との婚約を望みます」
ルドがそう言った途端、周りの貴族がザワザワと騒がしくなる。
国王が片手を上げると、ピタッと再び静かになった。
「……ほう?よかろう。ではここに、ルインドレッド・リード・カイルラント侯爵とサーフィリア・ルナ・アイラック侯爵令嬢の婚約を命じる」
「フィア‼︎」
「ルド‼︎」
2人は顔を見合わせ抱き合った。
王命で決まった婚約ならば、そうそう破られることはない。
これで一安心である。
「「ありがとうございます‼︎国王陛下‼︎」」
満面の笑みで国王にお礼を言う。
「まさか褒賞金を望まず、婚約を望むとはな」
「私達は運命の番なのですわ。国王陛下」
「ああ、なるほど。そう言うことか。ならば別に今願わなくとも、国の法が適用されるであろう?」
「それが、私の両親に反対されてしまいまして…」
「話し合いで決めようとも思ったのですが、国王陛下に認めていただいた方が今後面倒臭いことにならないかなと思いまして…」
「はっはっは。……我をそのように扱うとは。なかなか度胸があるな」
実に愉快だという風に国王が笑う。
「クスッ。事実、私自身の力で王国くらい簡単に滅ぼす事はできますからね」
「うむ、確かに。ドラゴンスレイヤーになった其方なら、王国を滅ぼすくらい容易いであろうな」
「恐れながら、陛下。貴族同士の婚約を容易に決めてしまうのはいかがなものかと…」
私達の会話に水を差す者がいた。
「其方は先程の我らの会話を聞いていなかったのか?」
国王陛下が冷めたような目をしながら言った。
国王陛下との会話中に話しかけるのは、普通に失礼である。
「聞いておりましたとも。ですが……」
「黙れ。それならば分かっておるであろう?この者達は運命の番だ。本来ならば国の法が適用されるのを、アイラック侯爵が無視しおった。
それに、婚約の事でドラゴンスレイヤーを我が国に引き止めることができるならば、願ったり叶ったりであろう?……下手すれば2人で他国にでも逃げてしまいそうだからな。そうなれば、我が国は戦力を失う事になるのだ。其方はそれが分かっておるのか?」
国王陛下が冷めた声で言う。
この国の貴族は大丈夫なのだろうか?
話を聞いていなかったとしか思えないし、この国の法を自分の都合の良いように捻じ曲げようとしているようにしか思えない。
国王はマシのようだが、このままでは国が滅びそうである。
「も、も、申し訳ございませんでした」
「ふむ、其方の沙汰は追って通達する」
そこで思い出した。
そういえば、さっきの貴族達はどうしたのだろうか?
「ああ、さっきの貴族達はもう鉱山に送ったよ?」
私の目線で理解したのか、ルドが優しく微笑みながら言う。
「もう?いつの間に送ったの?」
「国王陛下がいらっしゃる前かな」
「随分と早いのね。流石だわ、ルド」
「ふふ、早く送ってしまいたかったからね」
お互いに微笑みながら言う。
「さっきの貴族とは?…いや、いい。それよりも、カイルラント侯爵のお披露目の会を開こうと思っているのだが」
「そうなのですか?」
「ああ、ドラゴンスレイヤーという事もあって、大々的にお披露目せねばならん。その時に婚約の発表もすればよいであろう?」
「そうですね。何日後に行いますか?」
「そうだな、3日後はどうだ?」
「随分と早いのですね」
「ああ、とにかく早くお披露目せねばならんのだ」
「ドレスはギリギリというところでしょうか」
「其方らは服装と礼儀作法ができていれば問題ない。招待客や会場の準備などは王家主催で我らが準備しておく」
「ありがとうございます。それではまた後日に」
「ああ」
とにかく急がなければならない。
はたして3日でドレスは完成するのだろうか。
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