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第二章 アップデート
第十話 だれ?
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何日か過ぎた朝、その人は現れた。
「ねえ、ここどこ?」
目覚めたばかりの僕の目の前にいたその人は、ストレートの黒髪で、いい匂いがする大人の女性だった。
僕らのように裸ではなく、上半身胸元が大きく開いた白いブラウスに、黒のタイトスカートを履いていた。
僕は驚くと同時に、恥ずかしさが込み上げてきた。
「う、宇宙人の研究所か何かだと思います」
女性はきょとんとした表情で、また聞いてきた。
「見たの? 宇宙人」
その後、ここに来てからのことを話した。話すと何かが分かるような気がしたからだ。
「それで、もう一人の子はどこにいるの?」
僕は知永世のベッドを見た。というか、知永世がいるはずのベッドを見た。
「消え……ました」
「分からないことだらけだけど、しばらくはここで生活しなくてはならないようね」
その女性は、知永世のいたベッドに腰掛けると、ベッドの横に現れたドリンクを口にふくんだ。
それからしばらく沈黙が続いた。
僕はいなくなった知永世のことを考えた。寂しく思ったが、涙は出なかった。やはり僕はどこか壊れているのかもしれない。
「ねえ、ここどこ?」
目覚めたばかりの僕の目の前にいたその人は、ストレートの黒髪で、いい匂いがする大人の女性だった。
僕らのように裸ではなく、上半身胸元が大きく開いた白いブラウスに、黒のタイトスカートを履いていた。
僕は驚くと同時に、恥ずかしさが込み上げてきた。
「う、宇宙人の研究所か何かだと思います」
女性はきょとんとした表情で、また聞いてきた。
「見たの? 宇宙人」
その後、ここに来てからのことを話した。話すと何かが分かるような気がしたからだ。
「それで、もう一人の子はどこにいるの?」
僕は知永世のベッドを見た。というか、知永世がいるはずのベッドを見た。
「消え……ました」
「分からないことだらけだけど、しばらくはここで生活しなくてはならないようね」
その女性は、知永世のいたベッドに腰掛けると、ベッドの横に現れたドリンクを口にふくんだ。
それからしばらく沈黙が続いた。
僕はいなくなった知永世のことを考えた。寂しく思ったが、涙は出なかった。やはり僕はどこか壊れているのかもしれない。
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