肥満アラート

東門 大

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第1話 呼び出し

 203x年、日本の医療保険制度は慢性的な収入不足から、崩壊寸前となっていた。
 日本医師会は、メタボリックシンドロームの解消が急務だとして、全国民にBMI25以下になるよう呼びかけた。
 そんな中、医学博士の国広 剛クニヒロ ツヨシは、「メタボ撲滅には、思春期の肥満解消が最も効果的である。」という論文を発表した。
 政府は早速「肥満アラート」を発動させ、13~18歳の対象生徒の人権を一部剥奪、痩せたいと強く願わせるための指導法を各学校へ通達した。(ただし、女子は妊娠に重大な欠陥を及ぼす恐れがあるとして、対象から外された。)



 僕の名前は霧島将太キリシマショウタ、中学三年生。

 勉強は面倒臭いけど、そこそこ点は取れているし、部活も引退するまで卓球部の練習に参加してきた。

 性格もまあまあ外向的で、友達関係も良好な方だと思う。

 それなのに、変な法律ができたせいで、残り5ヶ月の中学校生活が悲惨なものになってしまった。


 その日も僕は普通に登校した。「肥満アラート」なんて出ているとは知らずに……。

 ただ登校中、周りの生徒がなぜか僕を見て、笑っているような気はしていた。



 教室に着くと、野球部の土田が

「おう、デブが服着ていいのか?」といじってきた。

 こいつはいつも僕が太っていることをネタにしていじってくる楽しいやつだ。

「なんだ?僕の裸見たいのか?変態ツッチー」

「見たかねえよ。マジで言ってんだよ。知らないのか?」

 そこに学級委員の橋本がやってきて、僕を呼んだ。

「霧島!校長呼んでたぞ。すぐに校長室来いって」

 クラスの子の視線が僕に集まった。

「えっ、ぼく?なんだろ、何もしてないけどなあ……」

 あまり見てくるので、土田の顔だけ見て、手を振った。

「ツッチー、それじゃ、行ってくるから」

「…」

 土田が哀れむような目で見ているのが気になったが、とりあえず校長室に向かった。
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