肥満アラート

第11話 もっと新しい制服

　次の週の月曜日、保健室でブリーフ一枚になると、篠田先生がぼくを呼んだ。

「私のほうにおしりを向けて立って」

　ぼくは叩かれるのではないかとビクビクしながら、おしりを向けた。

　すると、先生はブリーフの下の部分をぐっと天ゴムのところまで持ち上げた。

　ぼくのおしりが丸出しになり、ちょうど褌を履いているようになった。

「先生、ふざけないでくださいよ」

　てっきり冗談だと思って、先生の方に向きを変え、パンツを元に戻すと、先生のビンタがとんできた。

「せっかくあなたのために、ブリーフを褌にしているのに、ふざけているのはどちらですか。目標を達成できない子はそれにふさわしい服装にさせられるということを忘れたのですか。もう一度やってあげるから、向こうを向きなさい」

　ぼくは若い篠田先生の迫力に負け、またおしりを先生に向けた。

　再びブリーフがめくりあげられ、元の位置に戻らないように、紐で固定された。

　ただでさえサイズの小さいブリーフが股に食い込んで、前の膨らみも一層強調されるようになった。

「いい格好。早く行きなさい」

　ぼくはその日から、白ブリーフを褌のように履く変態のような格好で過ごさなくてはならなくなった。 


　その日は、小学校6年生の中学校見学があり、全校が体育館に集められた。

　ぼくが体育館に入ると、全校生徒の視線がぼくに集まった。

　ぼくは目立ちたくはなかったけど、中３はステージで合唱しなくてはならないので、いやでも注目を集めた。

　しかも身長順に並ぶと、ぼくは最前列の端から3番目の位置になるため、全身丸見えの状況を免れなかった。

　合唱の間、全員の哀れみや蔑みサゲスミの視線が突き刺さるようで痛かった。