恋愛が長続きしない俺の秘密

猫丸

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2.一回だけだからな

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 先週とは異なるホテルへと入る。
 これから起こることに集中したいから、すこしでも雑念を減らしたかった。

「一回だけだからな。 準備してくるからまってろ」

 立花に先にシャワーを浴びさせて言い放つ。
 もうヤケクソだった。
 丸め込まれるようにホテルまで来てしまったが、これ以上主導権を握らせたくない。
 性の不一致でふられた俺が、まさか男が初めてだという同僚の、セックスの手ほどきをするはめになるなんて。

 体内の準備している間も、緊張で心臓がバクバクいっていた。呼吸が浅くなる。
 バスローブを着て、なんども深呼吸をする。やっと覚悟を決めて部屋へと戻ると、立花はベッドの上で缶ビールを飲んでいた。

「猫田も飲む?」

 俺がこんなに緊張しているというのに、こいつはいつもと変わらない。

「いや、いい」

 少しイラッとして、肩を軽く突き飛ばして、そのままベッドへと倒した。立花はこぼさないように、缶をサイドテーブルに置くと、俺を見上げた。
 
「キスはしないのか?」

 立花が聞いてきた。

「は? するわけないだろ? お前がオトコとしてみたいというから一回だけやるだけだ。 キスは好きなやつとするんだな」
 
 バスローブの合わせを開いて、すでに勃ち上がっている立花のちんこに舌を這わせた。じっと見られているのがわかったが、俺は視線を合わさずねぶる。
 立花のちんこは身体と同じように大きくて、太くて、俺と同じホディソープの香りがしていた。
 ばきばきに浮き上がった血管と、鈴口からすでに漏れ出ている透明な液体。

(こいつ、本当に俺に興奮してるのか?)

 ちらりと立花に視線をやると目が合い、慌ててちんこを口に含んだ。喉の奥に当たっても収まりきらないそれを、手も使って扱いていく。
 睾丸を揉みしだき、顎が疲れたらそれを口に含んだりしながら、丁寧に愛撫していく。

―――― 萎えるんだよ。

 元カレの声が脳内にこだまする。その声を振り切って目の前のいきり立つものに集中する。立花のちんこはまだ勃っているから大丈夫。
 不安に苛まれながら、慣れているふりをする。

「一度イクか? それとも入れる?」

 余裕を気取ってたずねる。なんでもないことのように。

「あぁ、早く猫田に入れたいな」

 その言葉を受けて、寝ている立花の上にまたがる。入れるために穴を自らの指でほぐすと、中に仕込んだジェルがとろっと溢れてきた。
 一回イカせれば終われる。

 立花の視線から目をそらしながら、自らの穴に立花の切っ先を当て、体重をかける。

「んっ……」

 ずぶっと先端が入れば、その衝撃で声が漏れた。
 そして、ぬめりと自らの重みで一気にすべてを飲み込む。穴はギチギチに拡がり、腹の中が立花のちんこで満たされる。
 そして腰を上下に振る。穴で犯すように。
 立花の顔は見ない。立花の脇あたりに手を付き、顔を伏せて、下腹に力を入れる。

「んっ…んっ…んっ…んっ…」

 騎乗位の体勢。俺の穴を立花のちんこが出入りしている。ゆるく反応している俺のちんこがぷらぷらと揺れている。
 体中に仕込んだジェルが溢れてきていた。穴からこぼれ、少し泡立ったジェルが立花の陰毛を濡らしていた。
 男が初めてだという立花なら、女のように濡れているように見えるかもしれない。

 立花の視線を強く感じる。
 興味本位で男としてみたがこんなもんか、と思っているかもしれない。それとも、同僚の痴態を興味深くみているか。

(どうでもいい、早く終われ)

『相手がイクことよりも自分が気持ちよければよい。お前なんかただのディルドだ』
 立花に対してはそんな態度でありながら、だが心の中は一秒でも早くイッてくれるのを願っていた。
 穴を締め続け、上下に激しく腰をふる。足が疲れれば、腰をグラインドさせ、立花の乳首を刺激する。慣れているかのように。娼婦のように淫らに。

「はっ…猫田、イキそう…」

 立花が身体を起こし、上下が逆転する。正常位の体勢になった。
 こうなったらあとは足を開いて穴を締めていれば終わる。
 上にいる立花の顔は見ない。目をつむり、顔を横に向けて抽挿に耐えながら、俺はシーツを掴んだ。(早くイケ。早くイケ)と願いながら。

 立花は俺の腰を掴み、いままでよりももっと深く、奥まで突き上げてきた。
 あまりの強い刺激に俺は声をあげる。

「んっ…んっ…んっ……んんんっっっ!? やっ…!?」

 少しでも気持ちよさを拾おうとしていると、立花の左手が、俺のちんこをぎゅっと強く握ってきた。そして右手で俺の腰を強く掴み、深い突き上げを維持する。
 精液が吐き出される寸前の、一回り大きくなったちんこが俺を攻め立て、直後、立花はゴムの中に射精し、腰を震わせた。

 呼吸を整えた後、体内から立花の少し柔らかくなったちんこがずるりと引き抜かれた。その排泄感に俺は思わず甘い声を出してしまい、少し眉をひそめた。
 
 ◇
  
「満足したか?」

 ゴムを外している立花に声をかけた。
(ちゃんとイッたようだ、よかった)と安堵する。なにも変ではなかったはず。とりあえず、約束の一回は終わったのだ。
 このままホテルをでれば終わる。あとは会社であっても知らんぷりだ。

「いや、猫田、まだイッてなくねぇ?」

 俺の下半身を見ながら、立花がいった。
 
「俺はいいんだよ。入れるだけで気持ちいいし」

 適当に言い繕う。人と肌を重ねるのは嫌いじゃないが、イケるかはまた別だ。
 だから、元カレにも感じているフリがバレてしまったのだろうが。

「んー? 猫田、うつ伏せに寝て?」

 少し思案したあと、なにか考えがあるかのように俺に指示を出した。
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