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巣作りアルファの香り
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大学受験のために同級生達が、夏期講習に通って必死に勉強している夏休み。
久喜海斗は一人、新幹線に乗り込んだ。
膝の上で開いている問題集に目を向けるが頭には入ってこない。
スマホのトークアプリを開き、打ち込む。
『急にごめん。今日夜時間ある?ちょっと大学の進路のことで相談したいんだけど』
『ラインじゃ話せないこと?』
『長くなる』
『わかった。夜、空けとくからテキトーに電話ちょうだい』
トークの相手である久喜雅は、兄弟のように育った3歳年上のいとこだ。
相手は自分が一人暮らししているマンションに、海斗が向かっているということを知らない。
親に言っても絶対に反対されることはわかっているから、夜になったら事後報告する予定でこっそり出てきたのだった。
◇
海斗と雅は父親同士が兄弟で、仲もよく、近くに住んでいた。
常にお互いの家を行き来し、二人は兄弟のように育った。
といっても、海斗は3つ上のいとこを兄だなんて思ったことは一度もなかったが。
雅の親の海外赴任が決まった時、親についていくか悩む雅を必死に止めたのは海斗だった。
結果、雅は海斗の家に下宿することが決まった。
大好きな雅とひとつ屋根の下で暮らせた幸せな時間だった。
もっとも、当時雅のバース性が不確定だったことも、雅の両親が雅を連れて行くことをためらった理由の一つだったことは後で知ったことだ。
この世には、男女の性別の他に、アルファ・ベータ・オメガのバース性があり、6種の性に分けられる。
人口の大多数を締めるベータ性と、人口の各1%程度と言われているアルファ性とオメガ性。
各1%程度とは言え、アルファとオメガは強く惹かれ合い、番う。
必然的に、一族は世の中の人口比率よりもアルファ・オメガの割合が高くなり、裕福な家庭が多かった。
久喜家も地方とは言え、代々優秀なアルファを排出している一族だった。
先進国ではオメガの人権もしっかり守られているが、まだまだ国によっては偏見が強く、誘拐や人身売買の対象になりがちで、特に海外赴任の裕福な家庭、加えてオメガ性を持つ見目の良い子供は、そういったターゲットになりやすかった。
そのためバース性がはっきりするまでは、と雅は海斗の実家に預けられ、海外生活を見送ったのだ。
バース性は、3才児検診と中学入学時に検査される。
雅は母親似で、外見にオメガの特徴が出ていたが、3才児検診ではベータの判定だった。
ベータ性を持つものの中には、幼いうちはアルファやオメガのDNA割合が弱く、成長とともにどちらかに転向するものもいる。
外見から、オメガに転向すると可能性が高いと思われたため、小学生の雅は叔父夫婦に預けられた。
だが、中学に入った時も結果は変わらなかった。
既に中学生生活が始まっていたため、今更親の海外赴任先に行くことはないと知り、ほっとしたが、反面、その判定結果を聞き、海斗は子供ながらにショックを受けた。
親に「雅くんはベータだから、アルファの血で雅くんを縛り付けるようなことをしてはだめよ」と親に説得されても、海斗は納得できなかった。
幼心に、雅がオメガならばアルファとして堂々と自分のものにできると思っていたのだ。
恋愛対象が、数少ないアルファに絞られてくるからだ。
もちろん、ベータやオメガでも不可能ではないが、オメガの番を求める本能が忌避され、パートナーは常に不安を抱える婚姻関係になるため、成立しづらく、破綻しやすいのだ。
だが、雅がベータであるならば、雅の恋愛対象は男女問わず、アルファ・ベータ・オメガ全てになる。
家庭を持つなら対象は女性に絞られ、海斗は対象ではなくなる。
オメガの本能が取り払われてしまうと、海斗の想いは『同性愛』という形でしか受け入れてもらえなくなる。
雅に対する執着を手放せないものの、上がってしまったハードルに頭を抱えた。
海斗は、久喜家のアルファの特徴が幼い頃から強く出ている子だった。
もともとアルファ性は、頭脳明晰で身体的な能力も高く、社会的地位の高いものも多いため、冷たい印象を持たれがちだが、気に入ったものに対する執着が異常に強い。
特に久喜家のアルファは、自分の番に対して、溺愛し囲い込もうとする習性がある。
海斗の執着の対象が雅だった。
◇
自宅から新幹線と電車を乗り継いで2時間弱のところに雅の住むマンションの最寄り駅はあった。
駅からの道は、何度もストリートビューで通った道。
検索しなくてもたどり着ける。
でも実際に来るのは初めてだ。
雅本人にも親にも何度も行きたいといったが、ずっと断られていた。
暑い日が続いていた。
平日昼間の商店街とあって年配の客が多かったが、すれ違う海斗の容姿をちらちら見ながら「芸能人みたいねぇ」「今の子って足長いわねー」などと噂していた。
190センチ近い身長に、しっかり筋肉がついた体躯。
白いTシャツにデニムというシンプルな服装であるだけに、その見目の良さが目を惹く。
海斗は聞こえてくる言葉を、もはや慣れた様子で聞き流し、その商店街から少し入ったところにある茶色いレンガ調の外壁のマンションのエントランスで目当ての部屋番号を押す。
2度ほど押したが、反応がなかった。
スマホの通話ボタンを押す。
最近はトークアプリでのやり取りが多く、久しぶりに雅の声が聞けると思うと少し緊張した。
だが、虚しくコールが繰り返されるだけで、しばらくすると留守番電話に切り替わった。
帰ってこないのなら、帰ってくるまで待つか。
ここ数年ずっと避けられているんだから今更だ。
昔は仲の良かった二人だったが、中学時代のベータの判定があってから少し距離ができた。
雅自身も年頃と言うこともあったし、海斗も「雅の選択に委ねなければ」と、必死に自制していた。
海斗はため息をついて、壁に寄りかかってトークアプリを送信する。
『急でごめん。今日泊めてもらえない?今、雅のマンションの下にいるんだけど』
エントランスホール内にある管理室の小窓から、管理人がちらちらと海斗を見ながら、無言の圧をかけてきた。
管理人の視線に耐えながら、返事を待つが既読にならない。
5分ほどすると管理人が声をかけてきた。
「801号室の久喜雅さんのいとこです…」
身分証明書として学生証まで提示させられ、不審者扱いされているようで少しムッとしたが、約束もなく押しかけてきたのは海斗の方であったし、雅に迷惑がかかるといけないと思い我慢する。
学生証を見ると管理人は納得したらしく、「在宅かどうか確認してきてあげる」と言ってその場を去った。
しばらくすると、トークアプリが既読になり、先程の管理人と雅が現れた。
小さな顔に大きな猫のような目が戸惑いで見開かれていた。
「おま…突然…どういうこと?」
シャワーを浴びていたのか、髪が濡れていた。
肩にタオルをかけ、Tシャツに短パン、サンダルといったラフな服装で、拭ききれていない水が、細い顎を伝わり、首筋からタオルへと吸い込まれていく。
久しぶりに見る雅の姿に胸が高鳴る。
「んー、進路の件で親と揉めてて…直接雅に相談したくて…」
「お前なぁ、そんなの電話でもいいだろ?」
雅は呆れながら、管理人に丁寧にお礼を言うと、「話は聞くから、聞いたら帰れ」といいながら、渋々部屋へと入れてくれた。
◆
雅の部屋は1LDKで、ホワイトとグレーをベースにしたシンプルな部屋だった。
物は少なかったが、大学の専攻である法律関係の本が、たくさん棚に並んでいた。
室内は雅の香りで充満している。海斗は下半身の疼きを感じた。
雅は、鼻をすんとしてなにか匂いを嗅ぎとったのか、何も言わず、エアコンの温度を下げた。
風呂上がりだからか、心なしか雅の顔が赤かった。
――――やば、フェロモンでちゃった?それとも汗臭かったかな?
一般的にベータにはアルファやオメガのフェロモンは効かないというが、どちらかの遺伝子が強い場合、ベータの中にも鼻が利く人もいる。
少しムラムラする程度で、アルファやオメガのようにラットやヒートを起こすわけではないが、アルファやオメガから生まれたベータの子供達の間ではよく聞く話ではある。
――――臭いとか思われたらやだな。
「適当に座って。なんか飲む?…っても、水くらいしかおいてないけど」
雅は肩にかけていたタオルで頭を拭きながら、冷蔵庫の中を見た。
「ううん、お茶あるからいい」
「あそっ、てか、お前がここに来てることおじさんたち知ってるのか?」
冷蔵庫から自分の分のペットボトルの水を取り出すと、ぐびぐびと飲んだ。
思わず、その唇に目が釘付けになり、頭をふって正気に戻す。
――――やっぱり、俺、雅が好きだ。
「内緒で来た……俺…雅と同じ大学に行きたくて…でも、親に反対されて…」
「はぁ?お前理系だろ?それにお前ならもっといい大学いけるだろ?うちの大学でやりたいことでもあんの?」
「……雅と一緒に住みたいって言ったら親に反対されて…だから先に雅の許可を取ろうと思って…」
海斗の大きな体がしゅんと小さく縮こまる。でかい図体して子犬みたいだと雅は思った。
「はぁ?そんなんおじさんたち反対するの当たり前だろ?一緒に住んだら彼女とか連れ込めないじゃん」
「え?雅、彼女いるの?」
思わずアルファの威圧が出てしまう。
――――嫌だ、そんなの。
「い、いないけど、例えばの話だよ」
「だって、雅と俺、3歳つ違いだから、俺が中学に上がれば高校いっちゃうし、高校へ上がれば大学へ言っちゃうし、やっと学生生活一緒に過ごせるチャンスだから…」
「あのなぁ、そもそも大学進学って知り合いがいるから行くとかそういうもんじゃないだろ?………っ!?…てか、ごめん。俺ちょっとでかける。帰っておじさんおばさんと話し合え。鍵はポストに入れといて」
「明日には帰るから、今日だけ、泊めてくんない?」
「だーめ。泊まるならホテルとれ、うちはダメ」
「……誰か来るの?」
「あぁ、もうそういうことじゃないんだよ。色々あるの!!とりあえず、俺行くから」
隣の部屋で着替えると、バタバタと雅は出ていった。
せっかく覚悟を決めて来たのに、まともに話も聞いてもらえず、落ち込む。
「あ~あ、だめなのかなぁ…。雅、ベータだしな、やっぱ女の子がいいのかな…。俺、こんなに雅のこと好きなのに…他の男でも女でもなくて雅が好きなのに…小さいときは俺のお嫁さんになるって言ってくれたのに…」
ため息をついて窓の外を見た。
姿が見えなくなっても室内に充満する香り。
カーテンにもラグにも香りがついている。
――――甘くて爽やかな雅の香り。
一番強く香る部屋。リビングにつながる寝室に吸い寄せられるように向かう。
頭の中では警報がなるが、止められない。
ドアを開けた瞬間に漂ってくる、脳を溶かすような甘い甘い香り。
ベッドの上には、さっきまで着ていたTシャツとスウェットの短パンが脱ぎ捨てられていた。
「久しぶりの雅の…香り…」
海斗の下半身は媚薬のような甘い香りに反応していた。
デニムの前を押しあげるが、閉じ込められたペニスは痛みを感じる。
海斗は服の上から自分のものを撫でると、雅の脱ぎ捨てた服のを手に取り、匂いをかぐ。
枕や布団、香りの残るところへ顔を押し当て、雅の寝ている姿や、乱れる姿を想像して屹立したペニスを扱く。
「んっ…んっ…雅っ、雅っ!!」
何時間たっただろうか。
何度目かの液を吐き出し、日が落ちかけてきてやっと正気に戻る。
「やばい、どうしよう…」
使ってしまった大量のテッシュに、しわしわになった服や汗で少ししっとりしている布団。
慌てて窓を全開にし、換気する。
流石に使用済みのティッシュを置きっぱなしにするわけにもいかず、持ち帰るためにビニール袋に入れてまとめる。
「はぁ、確かに匂いだけでこんなんじゃ、一緒にいたら耐えられない、か」
自己嫌悪。
雅に迷惑をかけるから、と親が反対した理由を痛感する。
小さい頃からずっと海斗は雅の香りが大好きだった。
必要以上にべたべたして、いつも首筋に鼻を寄せ、すんすんと匂いを嗅いでいた。
久喜家の特長が小さい頃から強く出ていた海斗は、アルファであることは疑いがなかった。
小さいながらも「雅はぼくの運命の番だから!」と年上の雅を囲いこもうとして、親たちは慌てた。
だが、雅が中学に入り、ベータという判定が出ると、以前のようには触れられなくなり、海斗は家の中に残る雅の香りを嗅いでいた。
幼くてもアルファとベータの間では運命の番が成り立たないと知っていたからだ。
それでも、雅に対する執着は止まらない。
海斗が自慰を覚えた中学生からは、雅のいない隙に部屋に入り、雅を抱く妄想で抜いた。
大学進学とともに、雅は海斗の家を引き払った。
雅が海斗の母親に処分をお願いしていたビニール袋にまとめられた服を見つけ出し、空っぽになった雅の部屋で、その服に包まれ、恋しくて泣きながら抜いた。
まるでそれは、『愛しい人のものに囲まれて過ごしたい』という、オメガ習性の一つ、『巣作り』のようで、呆れた親に海斗はバース性を疑われ、再検査に行かされた。
だが、再検査でもアルファのバース性が覆ることはなかった。
そしてその海斗が作った巣は、親の説得虚しく、雅の知らないところで未だにその部屋にある。
「俺、気持ち悪い…よな…」
なぜこんなにも雅に執着するのかわからない。
産まれたての雛が見たものを親と思うように、ずっと一緒に育ってきて、そこにいるのが当たり前だからなのか。
恋人を作ろうと、告白してきた相手と男女問わず付き合ってみても、雅の香りや面影を探してしまう。
オメガの相手であっても、それは変わらなかった。
アルファの習性と言われても、年頃だからといわれても、相手はベータ。
バース性ではなく、同性愛として受け入れてもらう方法はないか、そんなことばかり考えていた。
一緒に住みたいと思うのも、雅に自分のことを好きになってもらいたい、その一心だった。
諦めきれない気持ちと、諦めなきゃいけないという気持ちの葛藤。
とりあえず、どこかホテルを取って、頭を冷やそうとスマホで検索する。
だが、スマホに表示されている内容がちっとも頭に入ってこない。
雅に拒否されたら、ホテルでも自宅でも同じだ。
香りの薄れてしまった自宅の巣で眠るなら、雅の香りに包まれていたい。
この居心地の良い空間から出ていくことが難しかった。
出ていけないまま、ぐずぐずと、白濁で汚れた手を洗っていると、雅の香りがした。
洗濯かごの中に、雅の下着があった。
そういえば、さっき俺が着た時、雅はシャワーを浴びていた。
「もらっていっちゃだめかな…」
匂いを嗅いで再び疼く股間に手を伸ばすと、玄関の開く音が聞こえた。
びくっ。
慌てて片付けて、顔を出すと顔を真っ赤にした雅が玄関で倒れていた。
ぶわっと、雅の香りが室内に充満する。
「雅、大丈夫?体調悪いの!?」
「おま…まだ帰ってなかったのかよ……」
「つかまって!」
ふらふらの身体を抱きかかえる海斗。
抵抗するが、全身がほてり、力が入っていなかった。
「いいから帰れって!!…俺、寝室に閉じこもるから!!すぐでてけよ?」
雅から強い香りが発されていた。
その香りで、海斗の頭も熱で冒されたように朦朧となる。
触れる箇所が熱いのは、相手の体温か自分の体温か。
ベッドに倒れ込んだ雅が叫ぶ。
「海斗!!お前俺のベッドに入っただろ!?」
「ご、ごめん!!でも俺、雅のこと……」
「あぁ、もう、くそっ!!」
聞こえない様子で、ベッドの棚から錠剤を取り出して、何粒も口に放り込むとガリガリと噛み砕いた。
「雅、それって…」
暑いのか、タートルネックの首を引っ張ったが開放されない熱に、雅は上半身の服を脱いだ。
首筋に、肌と同じトーンで目立たないけれど、金属製の薄手のチョーカーが見えた。
香り、抑制剤、チョーカー
この3つの示すものは一つしかなかった。
――――ヒート…雅はオメガ。
海斗は嬉しくて自然と涙がこぼれた。
――――自分のものにして良いんだ。
「でて…けって……お前の匂い、クルんだよっ!!」
雅はベッドの上で股間を押さえて俯き、小さく丸まって震えていた。
白い背中が上気し、赤みが差していた。
海斗のぺニスは再び痛いほどに屹立した。
傷つけてはいけないという理性と、ずっと自分のものにしたかった愛しい獲物が目の前にいるという事実。
今までよりもずっと強く、愛しい香りを嗅ぎ取り、その香りを全身で堪能し、一つ一つの毛穴の奥までも侵食させていく。身体中の血が沸き立つようだった。
「みや…び…」
最後の理性を保って、よろよろと近づき、その震える背中に手を触れる。
びくっと顔を上げた雅の潤んだ瞳の中に情慾を見つけると、海斗の理性は焼ききれた。
その身体を仰向けにさせると、後頭部を押さえつけ、唇に食らうように味わい、口の中を蹂躙していく。
空いている手を下に移動させ、屹立したペニスを空気に晒す。
先程、うずくまり押えつけていた股間のあたりには染みができていて、既に雅が一度達していたことを示していた。
その吐き出された液を絡ませ、滑りの良くなったペニスを、海斗は上下に扱く。
雅は弱々しく海斗を押しやろうとするが、腔内を貪られ、抵抗を封じられたオメガの身体は、アルファの力にはかなわない。
「んっ…ぅんんっ…!!」
雅は眉をしかめ、更に抵抗を示す。
雅のペニスが射精寸前だった。
「ぷはっ…はぁ…あぁっ…あっ…あっ…」
開放された口で浅い呼吸を繰り返しながら、海斗の首に手を回し、胸に顔を埋めた。
「んっ…ぅんんっ…あんっ…イクっ!!」
雅は海斗の手の中で達した。
「雅…」
海斗は、手にかかった雅の白濁を舐め微笑むと、直ぐに着ていた服を脱ぎ捨てた。
雅のものと比べ物にならない大きなペニスの先端からは、既に先走り液が滴っていた。
海斗は、達して息の整わない雅の股を大きく割り開き、隠されていた秘部をさらけ出すと、その間に身体を滑り込ませた。
何度も何度も、夢にまで見た場所。
海斗はうっとりと、その慎ましい後孔に舌を伸ばした。
「ひっ…海斗…だめ…」
股を大きく開かれ、お尻を高く上げさせられた状態で、顔を両腕で隠しながら、いやいやとかぶりを振る。
だが、もう海斗には止めることは出来なかった。
そのシワの一つ一つを丹念に舐め、舌を出し入れし、ゆっくりとその固く閉じた蕾をほぐす。
会陰から睾丸、陰茎に至るまで味わい尽くす。
海斗の唾液と、体内から分泌される液で、後孔はしとどに濡れていたが、指を差し込むと穴は挿入を拒んだ。
だが、誰も入り込んでいない未知の場所への期待で、海斗はすぐにでも吐き出したい自分の欲望を必死に抑え、その穴を広げることに集中する。
夢中で出し入れし、指が2本、3本と増えていく。
本人ですらまともに見たことのない場所が、広げられ、出し入れされる感覚が、徐々に快楽へと変わり、雅は甘い吐息を吐き、ペニスの先端からは透明な液がつっと滴っていた。
「か、いと…もう…もう、いいから…いれて…」
海斗のサイズではまだ狭いような気もしたが、海斗も限界だった。
両手つかみ雅の顔が見つめると、広げた穴に、自身の切っ先を押し当て、狙いを定める。
――――待ち望んだもの。
「あっっ!!…ああぁぁぁ!!!!」
今まで何も入ったことのない穴は、一瞬異物の挿入を拒んだものの、先端が入り込むと一気に侵入を許した。
海斗は自分のものに身体を貫かれ、上気する雅を見て、感動に打ち震えた。
初めての穴は、海斗のものでギチギチに開かれていた。
――――やっと手に入れた。
「雅、愛してる…ずっと…ずっと小さい頃から…」
熱に浮かされたように、何度も何度も同じ言葉を繰り返し、腰を打ち付ける。
一度目の精を吐き出しても収まらない。
海斗は萎えないペニスを雅の体内に収めたまま、雅の身体をひっくり返し、再び腰を打ち付ける。
そして、無意識に雅のうなじへと歯を立てた。
「うっ!!」
首に巻かれた金属製のチョーカーに阻まれ、海斗は一瞬正気を取り戻す。
「お願い、雅、噛ませて…俺の番になって…もう自分を抑えられない。雅が誰を好きでも、俺のこと好きにさせるから。幸せにするから」
海斗は泣きながら、チョーカーに噛み付く。
「ちょ、まて、…あっ…あっ…お前、歯…折れるって、うぅ……あん…あっ」
弾かれても諦めない牙は、チョーカーを中心に肩や背中に突き刺さる。
肌に刺さる牙さえ、今は快楽になる。
何度吐き出されたかわからない精は、後孔から溢れ出し、じゅぶじゅぶと泡立ち、溢れていた。
「かい…と…あん…もう、むりっ!!…ぅん…んっ!!」
雅のペニスは既に出すものもなくなり、ただひたすら体内だけでイキ、止まらぬ痙攣に悶え苦しんでいた。
たくさん体内に出され、ヒートは既に収まっていたが、海斗の十数年分もの思いを雅は思い知らされた。
◇
「はぁ、お前、ヤバ過ぎ。ちょっと水持ってきて」
ベッドに倒れ込んだまま、力なく、指示をだす。
雅の身体は、噛み跡だらけになっていた。
「夏だってのに、こんなに噛み跡つけてどうすんだよ」
アフターピルを飲みながら怒ると、その手をつかんで、海斗は悲しそうな顔をした。
「飲まないでほしい。俺、雅との子欲しい」
「まぁ、待て。お前が大学合格したら、俺からプロポースしてやるから」
◆
気がつくと雅の所にも海斗の所にも、海斗の親から大量の着信が来ていた。
雅から海斗が来ている旨の連絡を受けて、慌てて車を飛ばし、何時間もかけてやマンションの下まで来てくれたようだが、入れなくて近くの駐車場で連絡を待っている、とのこと。
雅の住むこのマンションはオメガでも安心して住めるよう、セキュリティが厳しいのだ。
性交の後に身内に会うのは気まずいが、そうも言ってられない。
「雅くん、本当に済まなかった!!!!」
海斗の父親は、来るなり雅に土下座した。
「いや、おじさん。そんなやめてください」
「いえ、雅くん、本当にごめんなさい。絶対海斗はいつかやらかすと思っていたのよ!!だから必死に遠ざけたのに!!」
服を着ても隠れない、噛み跡だらけの首元を見て、海斗の母は雅を抱きしめた。
「父さん、母さん、俺、絶対雅と結婚する。雅、オメガだったし、両思いだった!!」
「そんなことずっと前から知ってるわよ!!!!」
母親が怒鳴った。
「…え?」
「でも、アンタがあまりに雅くんに執着するから、雅くんがかわいそうでベータだってことにしてたのよ!!じゃなきゃ、アンタ自制効かなくて、雅くんの青春も人生も台無しにするところだったじゃない!!!」
「え?みんな知ってたの?」
「当たり前じゃない!!アンタは馬鹿みたいに家の中でもぶんぶんフェロモン出すし、雅くん、ヒート起こすと困るから、アンタに近づけなくなってたじゃない!!」
「え?え?避けられてたんじゃないの?雅、ヒート来てた?」
「定期的に両親と一緒に過ごしてたことになっていたけど、ヒートの期間は専用のホテルに籠もってもらってたんだよ、あれ」
「…お、おじさん、それ言っちゃう?」
生理現象とは言え、自分のヒートの話をあけすけにされると恥ずかしい。
「そ、そうなの?」
◇
「その…今更ですが、海斗が大学進学したら、番になりたいと思っています。よろしくお願いします」
雅は、海斗の両親に改めて挨拶をした。
「もう、海斗の相手は昔から雅くんしかできないし、こんなに束縛執着息子でちょっと雅くんには申し訳ないけど、こちらこそお願いします」
噛み跡だらけの雅を見て、海斗の両親は絶対連れて帰ると言い張ったが、両思いになった夜なので、特別に一泊だけ外泊が許され、海斗は明日帰ることになった。
「海斗!両思いになったんだったら、いい加減あの『巣』片付けるわよ!?いいわね?まったくいつまでもメソメソして気持ち悪いったら!!」
「え~、それは一緒に住むようになるまでそのままにしてて~。そのうち片付けるから~」
玄関口で海斗は雅の背中に貼り付き甘えながら、小さい頃のように雅の首筋に首を埋め、すんすんと香りを嗅ぎ、母親の言葉を受け流す。
両親は呆れたように頭を下げて帰っていた。
「海斗、『巣』って何?」
薄々感づいているであろう雅の視線が鋭い。
「えっと…それは…」
「あとさ、さっきから気になってたんだけど、これ、何?」
「え?…なに?…あっ!!」
海斗のズボンのポケットから少しはみ出している布を引っ張ると、洗面所で見つけた雅の使用済みパンツが出てきた。
「お~ま~え~!!!!いいかげんにしろよっ!!!!」
◆
結局巣は壊され、もちろんパンツも取り上げられた。
巣で過ごす時間は勉強時間と費やされ、定期的に本人を摂取することをご褒美に、海斗は必死に頑張った。
海斗が来た後、雅の洗濯物がなくなるのはもう目をつむった。
そのかいあって海斗は、本当にしたかったバース性の研究がができる大学へと進学が決まった。
桜の花が咲く頃には、二人は新居へと引っ越し、新しい生活が始まる。
片付け途中のダンボールに囲まれたベッドの上で二人は抱き合いまどろんでいた。
「海斗、これあげる」
それは小さな鍵だった。
「雅…これって…」
「ん…次のヒート来たら噛んでくれる?」
首筋に少しかかった髪をかき分けて、チョーカーのついたうなじを見せた。
その鍵穴に鍵を差し込むと、カチリと小さな音がして、雅の白いほっそりしたうなじが現れた。
海斗はそのチョーカーのなくなった首筋に甘噛みすると、背中から抱きしめた。
「雅、愛してる…」
(おしまい)
久喜海斗は一人、新幹線に乗り込んだ。
膝の上で開いている問題集に目を向けるが頭には入ってこない。
スマホのトークアプリを開き、打ち込む。
『急にごめん。今日夜時間ある?ちょっと大学の進路のことで相談したいんだけど』
『ラインじゃ話せないこと?』
『長くなる』
『わかった。夜、空けとくからテキトーに電話ちょうだい』
トークの相手である久喜雅は、兄弟のように育った3歳年上のいとこだ。
相手は自分が一人暮らししているマンションに、海斗が向かっているということを知らない。
親に言っても絶対に反対されることはわかっているから、夜になったら事後報告する予定でこっそり出てきたのだった。
◇
海斗と雅は父親同士が兄弟で、仲もよく、近くに住んでいた。
常にお互いの家を行き来し、二人は兄弟のように育った。
といっても、海斗は3つ上のいとこを兄だなんて思ったことは一度もなかったが。
雅の親の海外赴任が決まった時、親についていくか悩む雅を必死に止めたのは海斗だった。
結果、雅は海斗の家に下宿することが決まった。
大好きな雅とひとつ屋根の下で暮らせた幸せな時間だった。
もっとも、当時雅のバース性が不確定だったことも、雅の両親が雅を連れて行くことをためらった理由の一つだったことは後で知ったことだ。
この世には、男女の性別の他に、アルファ・ベータ・オメガのバース性があり、6種の性に分けられる。
人口の大多数を締めるベータ性と、人口の各1%程度と言われているアルファ性とオメガ性。
各1%程度とは言え、アルファとオメガは強く惹かれ合い、番う。
必然的に、一族は世の中の人口比率よりもアルファ・オメガの割合が高くなり、裕福な家庭が多かった。
久喜家も地方とは言え、代々優秀なアルファを排出している一族だった。
先進国ではオメガの人権もしっかり守られているが、まだまだ国によっては偏見が強く、誘拐や人身売買の対象になりがちで、特に海外赴任の裕福な家庭、加えてオメガ性を持つ見目の良い子供は、そういったターゲットになりやすかった。
そのためバース性がはっきりするまでは、と雅は海斗の実家に預けられ、海外生活を見送ったのだ。
バース性は、3才児検診と中学入学時に検査される。
雅は母親似で、外見にオメガの特徴が出ていたが、3才児検診ではベータの判定だった。
ベータ性を持つものの中には、幼いうちはアルファやオメガのDNA割合が弱く、成長とともにどちらかに転向するものもいる。
外見から、オメガに転向すると可能性が高いと思われたため、小学生の雅は叔父夫婦に預けられた。
だが、中学に入った時も結果は変わらなかった。
既に中学生生活が始まっていたため、今更親の海外赴任先に行くことはないと知り、ほっとしたが、反面、その判定結果を聞き、海斗は子供ながらにショックを受けた。
親に「雅くんはベータだから、アルファの血で雅くんを縛り付けるようなことをしてはだめよ」と親に説得されても、海斗は納得できなかった。
幼心に、雅がオメガならばアルファとして堂々と自分のものにできると思っていたのだ。
恋愛対象が、数少ないアルファに絞られてくるからだ。
もちろん、ベータやオメガでも不可能ではないが、オメガの番を求める本能が忌避され、パートナーは常に不安を抱える婚姻関係になるため、成立しづらく、破綻しやすいのだ。
だが、雅がベータであるならば、雅の恋愛対象は男女問わず、アルファ・ベータ・オメガ全てになる。
家庭を持つなら対象は女性に絞られ、海斗は対象ではなくなる。
オメガの本能が取り払われてしまうと、海斗の想いは『同性愛』という形でしか受け入れてもらえなくなる。
雅に対する執着を手放せないものの、上がってしまったハードルに頭を抱えた。
海斗は、久喜家のアルファの特徴が幼い頃から強く出ている子だった。
もともとアルファ性は、頭脳明晰で身体的な能力も高く、社会的地位の高いものも多いため、冷たい印象を持たれがちだが、気に入ったものに対する執着が異常に強い。
特に久喜家のアルファは、自分の番に対して、溺愛し囲い込もうとする習性がある。
海斗の執着の対象が雅だった。
◇
自宅から新幹線と電車を乗り継いで2時間弱のところに雅の住むマンションの最寄り駅はあった。
駅からの道は、何度もストリートビューで通った道。
検索しなくてもたどり着ける。
でも実際に来るのは初めてだ。
雅本人にも親にも何度も行きたいといったが、ずっと断られていた。
暑い日が続いていた。
平日昼間の商店街とあって年配の客が多かったが、すれ違う海斗の容姿をちらちら見ながら「芸能人みたいねぇ」「今の子って足長いわねー」などと噂していた。
190センチ近い身長に、しっかり筋肉がついた体躯。
白いTシャツにデニムというシンプルな服装であるだけに、その見目の良さが目を惹く。
海斗は聞こえてくる言葉を、もはや慣れた様子で聞き流し、その商店街から少し入ったところにある茶色いレンガ調の外壁のマンションのエントランスで目当ての部屋番号を押す。
2度ほど押したが、反応がなかった。
スマホの通話ボタンを押す。
最近はトークアプリでのやり取りが多く、久しぶりに雅の声が聞けると思うと少し緊張した。
だが、虚しくコールが繰り返されるだけで、しばらくすると留守番電話に切り替わった。
帰ってこないのなら、帰ってくるまで待つか。
ここ数年ずっと避けられているんだから今更だ。
昔は仲の良かった二人だったが、中学時代のベータの判定があってから少し距離ができた。
雅自身も年頃と言うこともあったし、海斗も「雅の選択に委ねなければ」と、必死に自制していた。
海斗はため息をついて、壁に寄りかかってトークアプリを送信する。
『急でごめん。今日泊めてもらえない?今、雅のマンションの下にいるんだけど』
エントランスホール内にある管理室の小窓から、管理人がちらちらと海斗を見ながら、無言の圧をかけてきた。
管理人の視線に耐えながら、返事を待つが既読にならない。
5分ほどすると管理人が声をかけてきた。
「801号室の久喜雅さんのいとこです…」
身分証明書として学生証まで提示させられ、不審者扱いされているようで少しムッとしたが、約束もなく押しかけてきたのは海斗の方であったし、雅に迷惑がかかるといけないと思い我慢する。
学生証を見ると管理人は納得したらしく、「在宅かどうか確認してきてあげる」と言ってその場を去った。
しばらくすると、トークアプリが既読になり、先程の管理人と雅が現れた。
小さな顔に大きな猫のような目が戸惑いで見開かれていた。
「おま…突然…どういうこと?」
シャワーを浴びていたのか、髪が濡れていた。
肩にタオルをかけ、Tシャツに短パン、サンダルといったラフな服装で、拭ききれていない水が、細い顎を伝わり、首筋からタオルへと吸い込まれていく。
久しぶりに見る雅の姿に胸が高鳴る。
「んー、進路の件で親と揉めてて…直接雅に相談したくて…」
「お前なぁ、そんなの電話でもいいだろ?」
雅は呆れながら、管理人に丁寧にお礼を言うと、「話は聞くから、聞いたら帰れ」といいながら、渋々部屋へと入れてくれた。
◆
雅の部屋は1LDKで、ホワイトとグレーをベースにしたシンプルな部屋だった。
物は少なかったが、大学の専攻である法律関係の本が、たくさん棚に並んでいた。
室内は雅の香りで充満している。海斗は下半身の疼きを感じた。
雅は、鼻をすんとしてなにか匂いを嗅ぎとったのか、何も言わず、エアコンの温度を下げた。
風呂上がりだからか、心なしか雅の顔が赤かった。
――――やば、フェロモンでちゃった?それとも汗臭かったかな?
一般的にベータにはアルファやオメガのフェロモンは効かないというが、どちらかの遺伝子が強い場合、ベータの中にも鼻が利く人もいる。
少しムラムラする程度で、アルファやオメガのようにラットやヒートを起こすわけではないが、アルファやオメガから生まれたベータの子供達の間ではよく聞く話ではある。
――――臭いとか思われたらやだな。
「適当に座って。なんか飲む?…っても、水くらいしかおいてないけど」
雅は肩にかけていたタオルで頭を拭きながら、冷蔵庫の中を見た。
「ううん、お茶あるからいい」
「あそっ、てか、お前がここに来てることおじさんたち知ってるのか?」
冷蔵庫から自分の分のペットボトルの水を取り出すと、ぐびぐびと飲んだ。
思わず、その唇に目が釘付けになり、頭をふって正気に戻す。
――――やっぱり、俺、雅が好きだ。
「内緒で来た……俺…雅と同じ大学に行きたくて…でも、親に反対されて…」
「はぁ?お前理系だろ?それにお前ならもっといい大学いけるだろ?うちの大学でやりたいことでもあんの?」
「……雅と一緒に住みたいって言ったら親に反対されて…だから先に雅の許可を取ろうと思って…」
海斗の大きな体がしゅんと小さく縮こまる。でかい図体して子犬みたいだと雅は思った。
「はぁ?そんなんおじさんたち反対するの当たり前だろ?一緒に住んだら彼女とか連れ込めないじゃん」
「え?雅、彼女いるの?」
思わずアルファの威圧が出てしまう。
――――嫌だ、そんなの。
「い、いないけど、例えばの話だよ」
「だって、雅と俺、3歳つ違いだから、俺が中学に上がれば高校いっちゃうし、高校へ上がれば大学へ言っちゃうし、やっと学生生活一緒に過ごせるチャンスだから…」
「あのなぁ、そもそも大学進学って知り合いがいるから行くとかそういうもんじゃないだろ?………っ!?…てか、ごめん。俺ちょっとでかける。帰っておじさんおばさんと話し合え。鍵はポストに入れといて」
「明日には帰るから、今日だけ、泊めてくんない?」
「だーめ。泊まるならホテルとれ、うちはダメ」
「……誰か来るの?」
「あぁ、もうそういうことじゃないんだよ。色々あるの!!とりあえず、俺行くから」
隣の部屋で着替えると、バタバタと雅は出ていった。
せっかく覚悟を決めて来たのに、まともに話も聞いてもらえず、落ち込む。
「あ~あ、だめなのかなぁ…。雅、ベータだしな、やっぱ女の子がいいのかな…。俺、こんなに雅のこと好きなのに…他の男でも女でもなくて雅が好きなのに…小さいときは俺のお嫁さんになるって言ってくれたのに…」
ため息をついて窓の外を見た。
姿が見えなくなっても室内に充満する香り。
カーテンにもラグにも香りがついている。
――――甘くて爽やかな雅の香り。
一番強く香る部屋。リビングにつながる寝室に吸い寄せられるように向かう。
頭の中では警報がなるが、止められない。
ドアを開けた瞬間に漂ってくる、脳を溶かすような甘い甘い香り。
ベッドの上には、さっきまで着ていたTシャツとスウェットの短パンが脱ぎ捨てられていた。
「久しぶりの雅の…香り…」
海斗の下半身は媚薬のような甘い香りに反応していた。
デニムの前を押しあげるが、閉じ込められたペニスは痛みを感じる。
海斗は服の上から自分のものを撫でると、雅の脱ぎ捨てた服のを手に取り、匂いをかぐ。
枕や布団、香りの残るところへ顔を押し当て、雅の寝ている姿や、乱れる姿を想像して屹立したペニスを扱く。
「んっ…んっ…雅っ、雅っ!!」
何時間たっただろうか。
何度目かの液を吐き出し、日が落ちかけてきてやっと正気に戻る。
「やばい、どうしよう…」
使ってしまった大量のテッシュに、しわしわになった服や汗で少ししっとりしている布団。
慌てて窓を全開にし、換気する。
流石に使用済みのティッシュを置きっぱなしにするわけにもいかず、持ち帰るためにビニール袋に入れてまとめる。
「はぁ、確かに匂いだけでこんなんじゃ、一緒にいたら耐えられない、か」
自己嫌悪。
雅に迷惑をかけるから、と親が反対した理由を痛感する。
小さい頃からずっと海斗は雅の香りが大好きだった。
必要以上にべたべたして、いつも首筋に鼻を寄せ、すんすんと匂いを嗅いでいた。
久喜家の特長が小さい頃から強く出ていた海斗は、アルファであることは疑いがなかった。
小さいながらも「雅はぼくの運命の番だから!」と年上の雅を囲いこもうとして、親たちは慌てた。
だが、雅が中学に入り、ベータという判定が出ると、以前のようには触れられなくなり、海斗は家の中に残る雅の香りを嗅いでいた。
幼くてもアルファとベータの間では運命の番が成り立たないと知っていたからだ。
それでも、雅に対する執着は止まらない。
海斗が自慰を覚えた中学生からは、雅のいない隙に部屋に入り、雅を抱く妄想で抜いた。
大学進学とともに、雅は海斗の家を引き払った。
雅が海斗の母親に処分をお願いしていたビニール袋にまとめられた服を見つけ出し、空っぽになった雅の部屋で、その服に包まれ、恋しくて泣きながら抜いた。
まるでそれは、『愛しい人のものに囲まれて過ごしたい』という、オメガ習性の一つ、『巣作り』のようで、呆れた親に海斗はバース性を疑われ、再検査に行かされた。
だが、再検査でもアルファのバース性が覆ることはなかった。
そしてその海斗が作った巣は、親の説得虚しく、雅の知らないところで未だにその部屋にある。
「俺、気持ち悪い…よな…」
なぜこんなにも雅に執着するのかわからない。
産まれたての雛が見たものを親と思うように、ずっと一緒に育ってきて、そこにいるのが当たり前だからなのか。
恋人を作ろうと、告白してきた相手と男女問わず付き合ってみても、雅の香りや面影を探してしまう。
オメガの相手であっても、それは変わらなかった。
アルファの習性と言われても、年頃だからといわれても、相手はベータ。
バース性ではなく、同性愛として受け入れてもらう方法はないか、そんなことばかり考えていた。
一緒に住みたいと思うのも、雅に自分のことを好きになってもらいたい、その一心だった。
諦めきれない気持ちと、諦めなきゃいけないという気持ちの葛藤。
とりあえず、どこかホテルを取って、頭を冷やそうとスマホで検索する。
だが、スマホに表示されている内容がちっとも頭に入ってこない。
雅に拒否されたら、ホテルでも自宅でも同じだ。
香りの薄れてしまった自宅の巣で眠るなら、雅の香りに包まれていたい。
この居心地の良い空間から出ていくことが難しかった。
出ていけないまま、ぐずぐずと、白濁で汚れた手を洗っていると、雅の香りがした。
洗濯かごの中に、雅の下着があった。
そういえば、さっき俺が着た時、雅はシャワーを浴びていた。
「もらっていっちゃだめかな…」
匂いを嗅いで再び疼く股間に手を伸ばすと、玄関の開く音が聞こえた。
びくっ。
慌てて片付けて、顔を出すと顔を真っ赤にした雅が玄関で倒れていた。
ぶわっと、雅の香りが室内に充満する。
「雅、大丈夫?体調悪いの!?」
「おま…まだ帰ってなかったのかよ……」
「つかまって!」
ふらふらの身体を抱きかかえる海斗。
抵抗するが、全身がほてり、力が入っていなかった。
「いいから帰れって!!…俺、寝室に閉じこもるから!!すぐでてけよ?」
雅から強い香りが発されていた。
その香りで、海斗の頭も熱で冒されたように朦朧となる。
触れる箇所が熱いのは、相手の体温か自分の体温か。
ベッドに倒れ込んだ雅が叫ぶ。
「海斗!!お前俺のベッドに入っただろ!?」
「ご、ごめん!!でも俺、雅のこと……」
「あぁ、もう、くそっ!!」
聞こえない様子で、ベッドの棚から錠剤を取り出して、何粒も口に放り込むとガリガリと噛み砕いた。
「雅、それって…」
暑いのか、タートルネックの首を引っ張ったが開放されない熱に、雅は上半身の服を脱いだ。
首筋に、肌と同じトーンで目立たないけれど、金属製の薄手のチョーカーが見えた。
香り、抑制剤、チョーカー
この3つの示すものは一つしかなかった。
――――ヒート…雅はオメガ。
海斗は嬉しくて自然と涙がこぼれた。
――――自分のものにして良いんだ。
「でて…けって……お前の匂い、クルんだよっ!!」
雅はベッドの上で股間を押さえて俯き、小さく丸まって震えていた。
白い背中が上気し、赤みが差していた。
海斗のぺニスは再び痛いほどに屹立した。
傷つけてはいけないという理性と、ずっと自分のものにしたかった愛しい獲物が目の前にいるという事実。
今までよりもずっと強く、愛しい香りを嗅ぎ取り、その香りを全身で堪能し、一つ一つの毛穴の奥までも侵食させていく。身体中の血が沸き立つようだった。
「みや…び…」
最後の理性を保って、よろよろと近づき、その震える背中に手を触れる。
びくっと顔を上げた雅の潤んだ瞳の中に情慾を見つけると、海斗の理性は焼ききれた。
その身体を仰向けにさせると、後頭部を押さえつけ、唇に食らうように味わい、口の中を蹂躙していく。
空いている手を下に移動させ、屹立したペニスを空気に晒す。
先程、うずくまり押えつけていた股間のあたりには染みができていて、既に雅が一度達していたことを示していた。
その吐き出された液を絡ませ、滑りの良くなったペニスを、海斗は上下に扱く。
雅は弱々しく海斗を押しやろうとするが、腔内を貪られ、抵抗を封じられたオメガの身体は、アルファの力にはかなわない。
「んっ…ぅんんっ…!!」
雅は眉をしかめ、更に抵抗を示す。
雅のペニスが射精寸前だった。
「ぷはっ…はぁ…あぁっ…あっ…あっ…」
開放された口で浅い呼吸を繰り返しながら、海斗の首に手を回し、胸に顔を埋めた。
「んっ…ぅんんっ…あんっ…イクっ!!」
雅は海斗の手の中で達した。
「雅…」
海斗は、手にかかった雅の白濁を舐め微笑むと、直ぐに着ていた服を脱ぎ捨てた。
雅のものと比べ物にならない大きなペニスの先端からは、既に先走り液が滴っていた。
海斗は、達して息の整わない雅の股を大きく割り開き、隠されていた秘部をさらけ出すと、その間に身体を滑り込ませた。
何度も何度も、夢にまで見た場所。
海斗はうっとりと、その慎ましい後孔に舌を伸ばした。
「ひっ…海斗…だめ…」
股を大きく開かれ、お尻を高く上げさせられた状態で、顔を両腕で隠しながら、いやいやとかぶりを振る。
だが、もう海斗には止めることは出来なかった。
そのシワの一つ一つを丹念に舐め、舌を出し入れし、ゆっくりとその固く閉じた蕾をほぐす。
会陰から睾丸、陰茎に至るまで味わい尽くす。
海斗の唾液と、体内から分泌される液で、後孔はしとどに濡れていたが、指を差し込むと穴は挿入を拒んだ。
だが、誰も入り込んでいない未知の場所への期待で、海斗はすぐにでも吐き出したい自分の欲望を必死に抑え、その穴を広げることに集中する。
夢中で出し入れし、指が2本、3本と増えていく。
本人ですらまともに見たことのない場所が、広げられ、出し入れされる感覚が、徐々に快楽へと変わり、雅は甘い吐息を吐き、ペニスの先端からは透明な液がつっと滴っていた。
「か、いと…もう…もう、いいから…いれて…」
海斗のサイズではまだ狭いような気もしたが、海斗も限界だった。
両手つかみ雅の顔が見つめると、広げた穴に、自身の切っ先を押し当て、狙いを定める。
――――待ち望んだもの。
「あっっ!!…ああぁぁぁ!!!!」
今まで何も入ったことのない穴は、一瞬異物の挿入を拒んだものの、先端が入り込むと一気に侵入を許した。
海斗は自分のものに身体を貫かれ、上気する雅を見て、感動に打ち震えた。
初めての穴は、海斗のものでギチギチに開かれていた。
――――やっと手に入れた。
「雅、愛してる…ずっと…ずっと小さい頃から…」
熱に浮かされたように、何度も何度も同じ言葉を繰り返し、腰を打ち付ける。
一度目の精を吐き出しても収まらない。
海斗は萎えないペニスを雅の体内に収めたまま、雅の身体をひっくり返し、再び腰を打ち付ける。
そして、無意識に雅のうなじへと歯を立てた。
「うっ!!」
首に巻かれた金属製のチョーカーに阻まれ、海斗は一瞬正気を取り戻す。
「お願い、雅、噛ませて…俺の番になって…もう自分を抑えられない。雅が誰を好きでも、俺のこと好きにさせるから。幸せにするから」
海斗は泣きながら、チョーカーに噛み付く。
「ちょ、まて、…あっ…あっ…お前、歯…折れるって、うぅ……あん…あっ」
弾かれても諦めない牙は、チョーカーを中心に肩や背中に突き刺さる。
肌に刺さる牙さえ、今は快楽になる。
何度吐き出されたかわからない精は、後孔から溢れ出し、じゅぶじゅぶと泡立ち、溢れていた。
「かい…と…あん…もう、むりっ!!…ぅん…んっ!!」
雅のペニスは既に出すものもなくなり、ただひたすら体内だけでイキ、止まらぬ痙攣に悶え苦しんでいた。
たくさん体内に出され、ヒートは既に収まっていたが、海斗の十数年分もの思いを雅は思い知らされた。
◇
「はぁ、お前、ヤバ過ぎ。ちょっと水持ってきて」
ベッドに倒れ込んだまま、力なく、指示をだす。
雅の身体は、噛み跡だらけになっていた。
「夏だってのに、こんなに噛み跡つけてどうすんだよ」
アフターピルを飲みながら怒ると、その手をつかんで、海斗は悲しそうな顔をした。
「飲まないでほしい。俺、雅との子欲しい」
「まぁ、待て。お前が大学合格したら、俺からプロポースしてやるから」
◆
気がつくと雅の所にも海斗の所にも、海斗の親から大量の着信が来ていた。
雅から海斗が来ている旨の連絡を受けて、慌てて車を飛ばし、何時間もかけてやマンションの下まで来てくれたようだが、入れなくて近くの駐車場で連絡を待っている、とのこと。
雅の住むこのマンションはオメガでも安心して住めるよう、セキュリティが厳しいのだ。
性交の後に身内に会うのは気まずいが、そうも言ってられない。
「雅くん、本当に済まなかった!!!!」
海斗の父親は、来るなり雅に土下座した。
「いや、おじさん。そんなやめてください」
「いえ、雅くん、本当にごめんなさい。絶対海斗はいつかやらかすと思っていたのよ!!だから必死に遠ざけたのに!!」
服を着ても隠れない、噛み跡だらけの首元を見て、海斗の母は雅を抱きしめた。
「父さん、母さん、俺、絶対雅と結婚する。雅、オメガだったし、両思いだった!!」
「そんなことずっと前から知ってるわよ!!!!」
母親が怒鳴った。
「…え?」
「でも、アンタがあまりに雅くんに執着するから、雅くんがかわいそうでベータだってことにしてたのよ!!じゃなきゃ、アンタ自制効かなくて、雅くんの青春も人生も台無しにするところだったじゃない!!!」
「え?みんな知ってたの?」
「当たり前じゃない!!アンタは馬鹿みたいに家の中でもぶんぶんフェロモン出すし、雅くん、ヒート起こすと困るから、アンタに近づけなくなってたじゃない!!」
「え?え?避けられてたんじゃないの?雅、ヒート来てた?」
「定期的に両親と一緒に過ごしてたことになっていたけど、ヒートの期間は専用のホテルに籠もってもらってたんだよ、あれ」
「…お、おじさん、それ言っちゃう?」
生理現象とは言え、自分のヒートの話をあけすけにされると恥ずかしい。
「そ、そうなの?」
◇
「その…今更ですが、海斗が大学進学したら、番になりたいと思っています。よろしくお願いします」
雅は、海斗の両親に改めて挨拶をした。
「もう、海斗の相手は昔から雅くんしかできないし、こんなに束縛執着息子でちょっと雅くんには申し訳ないけど、こちらこそお願いします」
噛み跡だらけの雅を見て、海斗の両親は絶対連れて帰ると言い張ったが、両思いになった夜なので、特別に一泊だけ外泊が許され、海斗は明日帰ることになった。
「海斗!両思いになったんだったら、いい加減あの『巣』片付けるわよ!?いいわね?まったくいつまでもメソメソして気持ち悪いったら!!」
「え~、それは一緒に住むようになるまでそのままにしてて~。そのうち片付けるから~」
玄関口で海斗は雅の背中に貼り付き甘えながら、小さい頃のように雅の首筋に首を埋め、すんすんと香りを嗅ぎ、母親の言葉を受け流す。
両親は呆れたように頭を下げて帰っていた。
「海斗、『巣』って何?」
薄々感づいているであろう雅の視線が鋭い。
「えっと…それは…」
「あとさ、さっきから気になってたんだけど、これ、何?」
「え?…なに?…あっ!!」
海斗のズボンのポケットから少しはみ出している布を引っ張ると、洗面所で見つけた雅の使用済みパンツが出てきた。
「お~ま~え~!!!!いいかげんにしろよっ!!!!」
◆
結局巣は壊され、もちろんパンツも取り上げられた。
巣で過ごす時間は勉強時間と費やされ、定期的に本人を摂取することをご褒美に、海斗は必死に頑張った。
海斗が来た後、雅の洗濯物がなくなるのはもう目をつむった。
そのかいあって海斗は、本当にしたかったバース性の研究がができる大学へと進学が決まった。
桜の花が咲く頃には、二人は新居へと引っ越し、新しい生活が始まる。
片付け途中のダンボールに囲まれたベッドの上で二人は抱き合いまどろんでいた。
「海斗、これあげる」
それは小さな鍵だった。
「雅…これって…」
「ん…次のヒート来たら噛んでくれる?」
首筋に少しかかった髪をかき分けて、チョーカーのついたうなじを見せた。
その鍵穴に鍵を差し込むと、カチリと小さな音がして、雅の白いほっそりしたうなじが現れた。
海斗はそのチョーカーのなくなった首筋に甘噛みすると、背中から抱きしめた。
「雅、愛してる…」
(おしまい)
85
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