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藤原愛里
前編
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私が生まれた時、私の家には、優秀な姉と少し優秀な姉が存在した。私は2人とお母さんとのやり取りを傍観しているだけだった。私は2人の姉を前にして、見ることしかできない、ただの明るい子だった。
ただの明るい子である私が明るくいられたのは、お母さんの存在があったからだ。何故かお母さんは、優秀な姉よりも、少し優秀な姉と私を優先した。お陰で私はお母さんに甘えることができた。普通だったら、私なんて放置されるべき娘であったはずなのに。
家での梓お姉ちゃんの周りには、どんよりとした雲があった。朱里お姉ちゃんが言うには、外ではとっても笑顔らしい。私は梓お姉ちゃんに聞いてみた。
「梓お姉ちゃん、外では笑顔だって、ほんと?」
「うん、そうだよ。家で笑う必要はないでしょ?」
「あるよ!愛里は笑ってる梓お姉ちゃんのほうが好きだもん。」
「そうなんだ。でも、ごめんね。家では笑えない。」
「笑えないのは嫌なことがあるからでしょ?愛里分かるんだ。だから、愛里で良かったら梓お姉ちゃんのお話聞いてあげる!愛里は梓お姉ちゃんの味方だよ。」
「…えっ。」
その時私は、姉の何かを壊せていたのかもしれない。
ただの明るい子である私が明るくいられたのは、お母さんの存在があったからだ。何故かお母さんは、優秀な姉よりも、少し優秀な姉と私を優先した。お陰で私はお母さんに甘えることができた。普通だったら、私なんて放置されるべき娘であったはずなのに。
家での梓お姉ちゃんの周りには、どんよりとした雲があった。朱里お姉ちゃんが言うには、外ではとっても笑顔らしい。私は梓お姉ちゃんに聞いてみた。
「梓お姉ちゃん、外では笑顔だって、ほんと?」
「うん、そうだよ。家で笑う必要はないでしょ?」
「あるよ!愛里は笑ってる梓お姉ちゃんのほうが好きだもん。」
「そうなんだ。でも、ごめんね。家では笑えない。」
「笑えないのは嫌なことがあるからでしょ?愛里分かるんだ。だから、愛里で良かったら梓お姉ちゃんのお話聞いてあげる!愛里は梓お姉ちゃんの味方だよ。」
「…えっ。」
その時私は、姉の何かを壊せていたのかもしれない。
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