異世界から転生

omot

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ユウゴ

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しばらく沈黙が続いた。
おじさんが、おもむろに口を開いた。
「自分の世界への帰り方はわかるのか。」
僕は首を横に振った。
「そうか。」
また、沈黙が続いた。
その微妙な空気に耐えられず、僕は口を開いた。
「僕をここに居候させてください。」
僕を助けてくれたこの人は、信頼できると思った。
「あぁ、いいよ。」
あっさりと許可が出た。
「ありがとうございます。お兄さん。」
「ユウゴ」
「え?」
「俺の名前。ユウゴだ。」
「これからよろしくお願いします。ユーゴさん。」
「はぁ、厄介事を抱え込んでしまった気がする。」
ユーゴは呟いた。
「あ、そういえばお前異世界から来たんだろう。さっきのは魔法ってやつか?」
「さっきの?あー、あれは防御ま…」
言いかけて気がついた。
あ、魔法を使ってしまった。
また、魔力が減ってしまった。
まあ、いいや。これからは気をつけよう。
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