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3章 本を旅する
3章 本を旅するー8
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「でもコメントへの返信って時間かかりそうですよね」
一応ちらちらと確認していましたが、その間返信はありませんでした。
「あともし試してみるとすると」
暇を持て余したころに、本中さんがふと口を開きました。
「私がこの小説の中に入ってみるとかだよね」
「そうか、俺、それ出来るの忘れてたわ」
「私も忘れてました。出来るんでしたね」
「Web小説の中には入ったことが無いけど、やってみる?」
私が頷くと、いつものように腕を強引につかみました。
重垣さんが「俺は?」とついて来たそうに言いましたが、本中さんは
「ここで待ってて」
と私だけを連れて、
「入りたい」
と呟きました。そしてまたいつものようにですが、今回は初めて、我々は電子機器であるパソコンの中に飛び込んだのです。
着いた場所は海水浴場でした。しかしなんだか、古い感じがするのです。泳いでいる人たちは男ばかり、そしてふんどしです。
「これなんてタイトルの作品だっけ」
「すみません私もよく見ずに入りました」
とりあえずその世界に来ているはずの作者を探します。
すぐに分かりました。他の人は着物などの格好の中で、現代的な服装の人。
「こんにちは」
「あらこんにちは」
作者の人は少し年を取った女の人でした。優し気に微笑み、なんだか上品な気がします。海辺の階段に腰を掛けていました。
「あなたはもしかして、読者、なのかしら」
すぐに分かったようで、私たちは驚きます。
「よく分かりましたね。そう言われるのは初めてです。あなたが明子さんですか?」
「そう。ここは鎌倉よ。私が読んで入った世界を書いた世界の鎌倉」
「なんだかややこしいですね」
「そうかしら。あなたも本の世界に入れるんでしょう」
「まぁ、そうなんですけど…。私は本中といいます。こっちは友人の戸成さん。本の中に入れる能力について調べていて、Webであなたの小説について知ったんです」
「うぇぶ?」
「ええと、インターネットの…小説を投稿するサイトの」
説明しますが、あまり要領を得ません。投稿しているのは本人だと思うのに、分からないのは本の中の登場人物だからでしょうか。
「まぁいいです」
本中さんは説明を諦めたようでした。
「本の中に入れることについて、詳しく教えてもらえませんか?」
「そうね、何から話したらいいかしら」
「いつから、なんですか」
「いつだったかしら。二十代半ばだったと思うわ。最初は夢だと思ってたから曖昧なのだけど。あなたは若く見えるけど、何歳から入れたの?」
「私は今十九歳で、入れるようになったのは十七歳の時からです」
「へぇ、不思議ね」
「明子さんはなんと言って本の中に入るんですか」
「『本の中に入りたい』って呟くわ」
そう言えば小説の中でそう言っていました。
「私も似たような感じです。『入りたい』って呟くんですよ」
「へぇ。私は本の中に入れる人に初めて会ったわ。ところで気になっていたんだけど、そちらの」
私をの方に顔を向けて言いました。
「そちらのお友達も本の中に入れるということなの?」
「いえ、そういうわけではありません」
私が答えました。
一応ちらちらと確認していましたが、その間返信はありませんでした。
「あともし試してみるとすると」
暇を持て余したころに、本中さんがふと口を開きました。
「私がこの小説の中に入ってみるとかだよね」
「そうか、俺、それ出来るの忘れてたわ」
「私も忘れてました。出来るんでしたね」
「Web小説の中には入ったことが無いけど、やってみる?」
私が頷くと、いつものように腕を強引につかみました。
重垣さんが「俺は?」とついて来たそうに言いましたが、本中さんは
「ここで待ってて」
と私だけを連れて、
「入りたい」
と呟きました。そしてまたいつものようにですが、今回は初めて、我々は電子機器であるパソコンの中に飛び込んだのです。
着いた場所は海水浴場でした。しかしなんだか、古い感じがするのです。泳いでいる人たちは男ばかり、そしてふんどしです。
「これなんてタイトルの作品だっけ」
「すみません私もよく見ずに入りました」
とりあえずその世界に来ているはずの作者を探します。
すぐに分かりました。他の人は着物などの格好の中で、現代的な服装の人。
「こんにちは」
「あらこんにちは」
作者の人は少し年を取った女の人でした。優し気に微笑み、なんだか上品な気がします。海辺の階段に腰を掛けていました。
「あなたはもしかして、読者、なのかしら」
すぐに分かったようで、私たちは驚きます。
「よく分かりましたね。そう言われるのは初めてです。あなたが明子さんですか?」
「そう。ここは鎌倉よ。私が読んで入った世界を書いた世界の鎌倉」
「なんだかややこしいですね」
「そうかしら。あなたも本の世界に入れるんでしょう」
「まぁ、そうなんですけど…。私は本中といいます。こっちは友人の戸成さん。本の中に入れる能力について調べていて、Webであなたの小説について知ったんです」
「うぇぶ?」
「ええと、インターネットの…小説を投稿するサイトの」
説明しますが、あまり要領を得ません。投稿しているのは本人だと思うのに、分からないのは本の中の登場人物だからでしょうか。
「まぁいいです」
本中さんは説明を諦めたようでした。
「本の中に入れることについて、詳しく教えてもらえませんか?」
「そうね、何から話したらいいかしら」
「いつから、なんですか」
「いつだったかしら。二十代半ばだったと思うわ。最初は夢だと思ってたから曖昧なのだけど。あなたは若く見えるけど、何歳から入れたの?」
「私は今十九歳で、入れるようになったのは十七歳の時からです」
「へぇ、不思議ね」
「明子さんはなんと言って本の中に入るんですか」
「『本の中に入りたい』って呟くわ」
そう言えば小説の中でそう言っていました。
「私も似たような感じです。『入りたい』って呟くんですよ」
「へぇ。私は本の中に入れる人に初めて会ったわ。ところで気になっていたんだけど、そちらの」
私をの方に顔を向けて言いました。
「そちらのお友達も本の中に入れるということなの?」
「いえ、そういうわけではありません」
私が答えました。
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