【館】 House of Sex Slaves

館 yakata

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episode O. クレスの場合 / 性奴隷の結婚

Claes 013. 夜

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アランとクレスは、もう一度、風呂に入れられた。
本日、三度目の入浴だ。
二人とも、一日に三度も湯船に浸かるなんて、人生で初めてだった。
入浴後は、体を念入りに保湿され、もう一度アイスクリームを食べた。
絹の寝間着、その上からフェイクファーつきのウールのロングコートを着せられ、ラインストーンのデコレーション付きムートンブーツを履かされた。
それらのものは全て白色で、統一されている。
真珠のチョーカー。
以前 アランがバイト代で買った揃いのブレスレット、
アランの手首にはCのイニシャル。
クレスの手首にはAのイニシャル。

柄の大きな職員が、疲労困憊の二人の体を、軽々車椅子に乗せる。
アランとクレスは、動かすのも億劫なムートンブーツを足置きに置いた。


アランとクレスは、館のエントランスに運ばれた。

人工大理石の床に到着した、二つ車椅子が、
波のような拍手の音に飲み込まれる。

人情が厚そうなお顔の大柄な中年男性の旦那さまも、
小身瘦軀な三十代半ばの旦那さまも、
体毛の濃い精悍な風貌の男盛りの旦那さまも、
アランを守ると誓った若旦那さまも、
クレスを孫のように愛でた壮年の旦那さまも、
抽選に漏れ 肉便器を犯しまくった多数の旦那さま方も、
皆、ガウンやローブから上等な冬服に着替え、
普通の市民の顔に戻っていた。

皆が拍手をしながら開けてくれた真ん中の空間を、アランとクレスは車椅子で通った。
目立ちたがり屋のアランは、輝く笑顔で、
恥ずかしがり屋のクレスは、赤ら顔で。

エントランスの丁度中央まで辿り着くと、
ハニーブロンドの調教師と、ブロンドボブに黒縁眼鏡の調教師が、スマートなブラックスーツ姿で二人を出迎えた。
ハニーブロンドの調教師は アランに、
黒縁眼鏡の調教師は クレスに、
それぞれ、小さなピローを手渡した。

ピローには、銀色の指輪。
アランが、クレスの少し不器用そうな短い薬指に、
クレスが、アランのすらりと長い美しい薬指に。

アランが、車椅子から身を乗り出しクレスの唇に。
誓いの。

再び、波のような拍手が沸き上がり、
アランが、笑い
クレスが、泣いた。


体格の良い職員が二人やって来て、車椅子からアランとクレスを抱き上げた。
館の重厚な扉が 開け放たれ、凍てつく外気がエントランスに吹き込んだ。
二人は、旦那さま方からの大量の贈り物の箱とともに、リムジンに乗せられ、
性奴隷収容施設に、帰還する。

施設に着けば、ご馳走とマッサージと、二人きりのベッドと、夢の中。

これより、二週間は貞操帯を装着する義務と調教、館での務めを免れ、
バストイレ、ダブルベッドつきの清潔な部屋での寝泊まりを許可された後、

二人は他の者と 然程変わらぬ性奴隷の生活に戻っていく。



━━━━ deep night

いつの間にか雪は止み、空では 冬の一等星たちが輝きを競い合い始めた。

性奴隷収容施設の所長は自宅の書斎で寛いでいた。
暖色系の灯りが僅かに点る暗い部屋で、老眼鏡にブルーライトが反射している。
所長の手には、氷が溶けたお酒のグラス。
眺めているのは、レトロなデスクトップパソコンの大きなディスプレイで、
館のエントランスで行われたアランとクレスの結婚式の様子が映されている。

氷が、カラリ、グラスを鳴らす。

二、三日もすれば、二人の旦那さまからリポートが届くはずだ。

通常、館での性奴隷遊びの予約抽選は完全なランダム方式で決定されており、高額納税者だろうが社会的地位が高かろうが優遇されることは何一つない。逆に低所得だろうが過去に何かのペナルティがあろうが、チャンスは平等にある。

しかし、クレスは、極稀な性奴隷だ。
各性奴隷収容施設に一人か二人 若しくはゼロ人、
AIとカウンセリングチームが分析し、厳選された旦那さまのみが、館での性的交流を行える性奴隷が存在する。
クレスは、その特別な性奴隷のうちの 一人。

クレスを孫のように愛でた 壮年の旦那さまは、元宇宙飛行士。現在、スクールカウンセラー。
クレスを弟と呼んだ 朗らかな若旦那さまは、軍人。特殊部隊所属。

二人が提出するリポートは、速やかに、性奴隷収容施設のカウンセリングチームと国立心理学会の犯罪心理学部門に送信される。

所長は、ほろ酔い気分でディスプレイに映る二人の若者を祝福していた。
指で、画面に映るクレスの頬を撫でた。アランが天使と呼んだ。成る程、膨らとした、愛くるしい。
ラファエロが描いた天使のような、男の子。

クレスには、守護者が必要
それは
クレスを、人々から守るのではなく
クレスから、人々を守る者

アランは、


所長は、
アランの豊かなダークゴールドの髪を撫でようと、
ディスプレイに置かれた指を滑らせた。
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