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side・神無月シュウゴ
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屋上に学園の歌姫の亡霊がいる。
そんな噂を耳にした俺は本来なら授業中である時間に立入禁止の西館屋上に向かっていた。
屋上の歌姫。
西館の屋上へと続くたった1つの階段のみに響き渡るその歌声は全てを魅了する。
気になった生徒会役員が確認したところ、屋上には誰もいなく、歌声のみが響いていたらしい。
時間帯はバラバラでらしく、所謂歌姫様の気まぐれと言うわけだ。
聴こえるかどうかは運次第だが、こうして授業をサボり、堂々と屋上に向かっているのだった。
「さぁて、どうかな?」
ボソリと呟いた時だった。
~♪
「?」
~♫♪♬♩
「、、、スゲェ」
曲調から最近出たばかりの[with]の曲だという事が分かった。
男性5人アイドルグループ[with]。
今、最も人気のあるグループだ。
元々は1人1人ソロで歌っていたが、グループを組んでアイドルとしてデビューした。
その歌声のユニゾンは誰もを虜にするとまで言われているほどだ。
そんな事はどうでもよかった。
聴こえてきた歌声は、それ以上。
たった1人だけではあるが、負けてなんかいなかった。
~♬
気付けば、屋上の扉を開けている自分がいた。
鍵は空いていなかったが、ピンとクリップで無理矢理こじ開けた。
~♩♩♩
誰もいないが、歌声は響いている。
「何処だ?」
~♫♪
聴こえてくる方向は扉の上から。
白く塗られたハシゴを登り、さらに上へと向かった。
~♪
そこにいたのは、
顔を黒いフードで隠して、
青いヘッドホンをして、
静かに口ずさむ、
白い真珠のような肌の、
男性制服を着た、
屋上の歌姫だった。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
「、、、綺麗に歌うなぁ、お前」
目を閉じて歌い続ける歌姫は俺の声なんかには気付いていないようで、それになんかムカついて足で歌姫の身体を跨ぐ。
身体を曲げて顔を近づければ、歌姫の綺麗な顔に影がかかった。
「、、、ん?」
歌うのを止めた歌姫はゆっくりと目を開いた。
開かれた瞳は、青と緑が混ざりあっていて自然と吸い寄せられた。
「綺麗な歌、だな」
そう面と向かって言うと歌姫はまた目を閉じてそっぽを向いた。
「聴いてんのかよ」
「、、、、」
「おい」
「、、、何?」
ようやく口を開くと俺は同じ事を繰り返してやった。
「綺麗な歌だな」
「、、、ありがと」
恥ずかしいのか、それだけ言うとまた目を閉じて、今度はフードをさらに深くかぶって身を縮めた。
猫、みてぇ。
黒猫だな。
「俺、神奈月。神奈月シュウゴ。取り敢えず、フレカー交換しよーぜ」
俺は自分のAIパットを取り出して歌姫の前に突き出した。
「嫌だ」
「交換してくれたら、今日のところは帰ってやるよ」
「、、、サイテー」
あぁ、よく言われるぜ。
そんなこんなで歌姫はゆっくりとパットを取り出した。
互いにかざし合えば、ピロリンとマヌケな音がしてフレンドカード、略してフレカーが交換された。
「おっ、あんがとさん♪」
「、、、じゃ、ね」
そう言うと歌姫は静かに目を閉じた。
その数秒後には小さな寝息が俺の耳に聞こえてきた。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
コツコツと少しだけ気持ちを弾ませながら階段を降りた。
~♪
自然と鼻歌を歌う。
手に握られているのはついさっき歌姫とフレンドカードを交換したAIパットだった。
画面を見れば、歌姫の学生証が写っていた。
《フレンドカード》ーーーーーーーーーーーーーーーー
【国立楓宮芸能学園学生証】
雪村 ユウ
出席番号)1年A組18番
所属部活)
所属チーム)
所属事務所)
コメント)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空白だらけだな。
名前と出席番号と顔写真のみ。
写真に写った歌姫は流石にフードを取っていた。
茶色の混じった黒髪はふわふわしていて、男にしては長く、肩を余裕で超えていた。
無表情で、冷たい。
でも、
「こりゃぁ、確かに姫だな」
美姫、なんて言葉が相応しい。
整ってるっていうレベルじゃない。
男の俺でも、変な気を起こしそうになる程だ。
、、、そこはどうでもいいか。
あの歌声が、欲しい。
ただ純粋に、そう思った。
そんな噂を耳にした俺は本来なら授業中である時間に立入禁止の西館屋上に向かっていた。
屋上の歌姫。
西館の屋上へと続くたった1つの階段のみに響き渡るその歌声は全てを魅了する。
気になった生徒会役員が確認したところ、屋上には誰もいなく、歌声のみが響いていたらしい。
時間帯はバラバラでらしく、所謂歌姫様の気まぐれと言うわけだ。
聴こえるかどうかは運次第だが、こうして授業をサボり、堂々と屋上に向かっているのだった。
「さぁて、どうかな?」
ボソリと呟いた時だった。
~♪
「?」
~♫♪♬♩
「、、、スゲェ」
曲調から最近出たばかりの[with]の曲だという事が分かった。
男性5人アイドルグループ[with]。
今、最も人気のあるグループだ。
元々は1人1人ソロで歌っていたが、グループを組んでアイドルとしてデビューした。
その歌声のユニゾンは誰もを虜にするとまで言われているほどだ。
そんな事はどうでもよかった。
聴こえてきた歌声は、それ以上。
たった1人だけではあるが、負けてなんかいなかった。
~♬
気付けば、屋上の扉を開けている自分がいた。
鍵は空いていなかったが、ピンとクリップで無理矢理こじ開けた。
~♩♩♩
誰もいないが、歌声は響いている。
「何処だ?」
~♫♪
聴こえてくる方向は扉の上から。
白く塗られたハシゴを登り、さらに上へと向かった。
~♪
そこにいたのは、
顔を黒いフードで隠して、
青いヘッドホンをして、
静かに口ずさむ、
白い真珠のような肌の、
男性制服を着た、
屋上の歌姫だった。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
「、、、綺麗に歌うなぁ、お前」
目を閉じて歌い続ける歌姫は俺の声なんかには気付いていないようで、それになんかムカついて足で歌姫の身体を跨ぐ。
身体を曲げて顔を近づければ、歌姫の綺麗な顔に影がかかった。
「、、、ん?」
歌うのを止めた歌姫はゆっくりと目を開いた。
開かれた瞳は、青と緑が混ざりあっていて自然と吸い寄せられた。
「綺麗な歌、だな」
そう面と向かって言うと歌姫はまた目を閉じてそっぽを向いた。
「聴いてんのかよ」
「、、、、」
「おい」
「、、、何?」
ようやく口を開くと俺は同じ事を繰り返してやった。
「綺麗な歌だな」
「、、、ありがと」
恥ずかしいのか、それだけ言うとまた目を閉じて、今度はフードをさらに深くかぶって身を縮めた。
猫、みてぇ。
黒猫だな。
「俺、神奈月。神奈月シュウゴ。取り敢えず、フレカー交換しよーぜ」
俺は自分のAIパットを取り出して歌姫の前に突き出した。
「嫌だ」
「交換してくれたら、今日のところは帰ってやるよ」
「、、、サイテー」
あぁ、よく言われるぜ。
そんなこんなで歌姫はゆっくりとパットを取り出した。
互いにかざし合えば、ピロリンとマヌケな音がしてフレンドカード、略してフレカーが交換された。
「おっ、あんがとさん♪」
「、、、じゃ、ね」
そう言うと歌姫は静かに目を閉じた。
その数秒後には小さな寝息が俺の耳に聞こえてきた。
〆◼️〆◼️〆◼️〆
コツコツと少しだけ気持ちを弾ませながら階段を降りた。
~♪
自然と鼻歌を歌う。
手に握られているのはついさっき歌姫とフレンドカードを交換したAIパットだった。
画面を見れば、歌姫の学生証が写っていた。
《フレンドカード》ーーーーーーーーーーーーーーーー
【国立楓宮芸能学園学生証】
雪村 ユウ
出席番号)1年A組18番
所属部活)
所属チーム)
所属事務所)
コメント)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
空白だらけだな。
名前と出席番号と顔写真のみ。
写真に写った歌姫は流石にフードを取っていた。
茶色の混じった黒髪はふわふわしていて、男にしては長く、肩を余裕で超えていた。
無表情で、冷たい。
でも、
「こりゃぁ、確かに姫だな」
美姫、なんて言葉が相応しい。
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男の俺でも、変な気を起こしそうになる程だ。
、、、そこはどうでもいいか。
あの歌声が、欲しい。
ただ純粋に、そう思った。
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